そらの珊瑚

あなたのことを
なにひとつ知らない

どんな家に住んでいるのか
どんな顔をしているのか
どんな爪の形をしているのか
どんな声で話すのか

けれど
あなたのことを
感じることができる

あなたの詩を読んで
私は
あなたの深い湖を感じる

私はひとすじの
月の光となる
そしてその湖底に触れる夜
私はあなたを感じることができる

あなたについて
なにひとつ知らないというのに
あなたのことを
感じることができる

私も
だれかに
感じてほしくて
こうして
魂をつづっているのかもしれない
一度も会わずに
見ず知らずの他人のまま
別れていく
だれかと



自由詩Copyright そらの珊瑚 2012-03-06 08:14:12
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