魂
そらの珊瑚
あなたのことを
なにひとつ知らない
どんな家に住んでいるのか
どんな顔をしているのか
どんな爪の形をしているのか
どんな声で話すのか
けれど
あなたのことを
感じることができる
あなたの詩を読んで
私は
あなたの深い湖を感じる
私はひとすじの
月の光となる
そしてその湖底に触れる夜
私はあなたを感じることができる
あなたについて
なにひとつ知らないというのに
あなたのことを
感じることができる
私も
だれかに
感じてほしくて
こうして
魂をつづっているのかもしれない
一度も会わずに
見ず知らずの他人のまま
別れていく
だれかと