すべてのおすすめ
ぼくは
腐った野苺を食べてしまったから

おかあさん

さよならです

片耳のちぎれた野良犬が
悲しい目でぼくを見つめているよ

灰色に濁った
その目の奥から覗き見る世界は
ど ....
十二月

凶暴な北風が
アイスピックのような鋭利さで
ちいさな子どもたちの目を突き刺して
後頭部から抜けてゆく

視力を奪われた子どもたちは
公園の砂場に集まって
花火を上げる

 ....
この薄っぺらな皮膚一枚の下で
血はごうごうと流れている

うるさくてかなわんよ
まったく
とまってくれ今すぐ

太陽が熱と光を叩きつけてきて
世界のど真ん中で高笑いする

メロンソ ....
岬の先っぽで
昼と夜が混ざり合う
感じやすいところをめがけて
長い長い
立ちしょんべんを放つ
すると
前触れもなく
水平線の辺りに稲妻が走って
映画みたいで
わけもなく泣けた

 ....
おれは
ふにゃふにゃの魂を
強靭な鞘で守る方法を
身につけたおかげで
狂うということから
とても遠いところにいるよ

そして
なんといっても自由だ
今にも背中から
翼が生えてきそう ....
薄暗くて
静かで
エアコンがよく効いた
水族館で

きみは

狭い円柱状の水槽の中を
鰯の群れが
回遊し続けるのを
呆然と見つめながら

「なんか気持ち悪い」

って呟いた ....
大阪という街には
血管のように縦横に川が流れているから
オフィスビルの谷間を
カモメが飛び交っていたりする

そういえばあの時も
こんな風に頭の上をカモメが飛んでいて
不思議そうにそれを ....
批評とかなんとかいって小難しいことを書いたところで、どうせ底の浅さを曝け出すだけなのでそういう路線で行くのはやめておこうと思う。

結局、なんだかんだ言ったって、つまるところは好きか嫌いかなんでし ....
おっぱいは夜明けの頃がいい
まだ暗い丘を踏みしめていくように
夢と{ルビ現=うつつ}の{ルビ間=あわい}をなぞるように
その危ういしなやかさに頬を預けたい

夜のおっぱいがいいのは言うまでも ....
記憶の中の薔薇、
遠い雨音、
耳を傾けると熱くなって溶けた蝋が
三半規管を逆流してくる。

深夜に、
再放送のドラマを垂れ流しながら、
スピーカーから零れ落ちてくる音を
ひとつずつ丁寧 ....
新しいページは
触れただけで指が切れるほどシャープで
真っ白いページは
あっという間に血まみれになる

歴史が一度終わって
すぐにまた
次の歴史が始まったのだが
あまりにも鮮やかな手口 ....
なんだかんだ言って モンダイは 系 っていう概念なのよ
と 女はピーナッツバターを塗ったポテトチップスを頬張りながら言った
爪の間に 黄土色のピーナッツバターが入り込んでいることや
足元のカーペ ....
諸刃の切っ先
喉元に突きつけられても
触れるまで気付かない
それほどの暗闇の真ん中で
足元の砂 蹴散らして
舞い上がる薄桃色の花弁で
鮮やかに描く 微光の軌跡
水銀灯に群がる羽虫のように ....
いちご狩りに行った帰り道
バックシートでうたた寝する妻と娘の
少し開いた唇からは
いちごの匂いの吐息が漏れ
車の中はまるでいちご畑のようだ

高速道路の料金所で窓を開けたら
料金所のおじ ....
21世紀には
誰もが宇宙旅行を楽しんでるって
そう思っていた

前衛彫刻のような高層ビルが
エアチューブで結ばれていて
みんなそこを飛ぶように移動しててさ
リニアモーターカーが
東京と ....
公園の砂場で
きれいなピストルを拾った
氷みたいに冷たくて
ガラスみたいに透きとおったやつ
砂場の隅で光ってた
6連装のリヴォルヴァー
グリップはメタリックなブルー
冷たい人殺しの道具
 ....
クリスマスも近い
十二月の寒空の下
市役所前の歩道に立って
反戦詩を朗読する青年がいる

見よ
言葉は
こんなにも
無力だ
たぶんノルウェーあたりに
巨大な送風機があって
そこから送りこまれた冷たい風が
君の頬を桃色に染める

わかさぎのエスカベッシュ
南瓜のキッシュ
ハッシュドビーフ
そして食後には
ア ....
左肩に星のかたちのタトゥー
唇にはフランスの煙草
彼女はいつも退屈してる

なにもかも
呆れるぐらいあっという間に終わっていくから
暇つぶしにもならない
そう つぶやいて
彼女はテレビ ....
闇に満ちる甘い香り
ああ
金木犀の季節なのだ
こうやってわたしは毎年
自分の誕生日が近いことを知る
空に浮かぶ銀色の月
野良猫の眼は金色に輝いて
重く柔らかな闇の中で
母の背に負われた ....
突然なんの断りもなく
雨が降り始める
涎みたいに糸引く雨
涎みたいに生ぬるい雨
空は晴れ渡っていて
雲ひとつないのに
猛烈な土砂降りだ
傘を持っていないぼくは
手近な喫茶店に飛び込むが ....
ベランダにロッキングチェアがある
ずいぶん前に住んでいたマンションの
ゴミ捨て場に捨てられていたやつだ

引越しのたびに捨てようと思いながらも
なぜか捨てる踏ん切りがつかなくって
結局いま ....
橋の上で飛び交う
小さな飛行機たち
朱色の空を背に
日が落ちるまで続く
音のない空中戦
信じられるか
信じられないか
からだで
はかってみる

そうやって
信じられないものを
よりわけて
あつめて
袋につめこんで

燃やす

そしたら
また
もういっかい
 ....
サーカスのテントの影で泣いている道化になれない侏儒は俺だ 屋上に ちょっと頭のおかしくなった犬がいて
朝から晩まで グルグルグルグル
同じ場所を廻り続けている
誰が連れてきたのかも知らないし
いつからそこにいるのかもわからない
ただ ずっと グルグ ....
さっぱりダメなかんじで
グズグズと
午後をぬりつぶしていく

はんびらきの
くちびるから
よだれといっしょに
意識がこぼれては
落ちる

ぽとり

ぽとり

ぽとり

 ....
観測史上最大級の台風が上陸した日の夕方
未確認の大型生物の屍骸が
四国のとある漁村の浜辺に流れ着いた

地元漁協の連絡を受けて
ある大学の海洋生物学の調査チームが到着したのは
発見から14 ....
真っ黒焦げの夜の真ん中に立ち尽くして
おれは一本の棒みたいになって
真っ直ぐに電波を受信する

世界のどこかにある高い塔のてっぺんで
一匹の猿がヘブライ語で愛を囁いていて
それが24時間発 ....
汗染みだらけの帽子を目深に被って
叩きつけるような陽射しの中
スーツ姿のサラリーマンの流れに逆らうように
足早に歩くあなたを見かけました
頬には汗が幾筋も流れ
まるで涙のように見えました
 ....
たりぽん(大理 奔)さんの大覚アキラさんおすすめリスト(34)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
腐った野苺- 大覚アキ ...自由詩808-3-14
冬眠の前のささやかな儀式について- 大覚アキ ...自由詩207-12-3
ごうごう- 大覚アキ ...自由詩4*07-8-13
遠雷- 大覚アキ ...自由詩207-3-1
- 大覚アキ ...自由詩107-2-26
水族館- 大覚アキ ...自由詩407-1-28
東京- 大覚アキ ...自由詩2*07-1-18
■批評祭参加作品■馬野幹への恋文- 大覚アキ ...散文(批評 ...507-1-8
おっぱい- 大覚アキ ...自由詩9*06-5-28
遠い雨音- 大覚アキ ...自由詩306-5-26
ニュー・センチュリー- 大覚アキ ...自由詩206-4-12
ピーナッツバター系- 大覚アキ ...自由詩406-4-10
桜花- 大覚アキ ...自由詩306-3-30
いちご狩り- 大覚アキ ...自由詩5*06-3-27
未来世紀豚汁- 大覚アキ ...自由詩5*06-1-27
リヴォルヴァー2006- 大覚アキ ...自由詩106-1-26
言葉- 大覚アキ ...自由詩1005-12-9
ノヴェンバー・ステップス- 大覚アキ ...自由詩1005-11-2
BOREDOM- 大覚アキ ...自由詩105-10-5
神無月- 大覚アキ ...自由詩205-10-3
破水- 大覚アキ ...自由詩505-9-26
ロッキングチェア- 大覚アキ ...自由詩205-9-26
蜻蛉- 大覚アキ ...自由詩305-9-23
あとのまつり- 大覚アキ ...自由詩705-9-19
_- 大覚アキ ...短歌305-9-19
いつか空飛ぶ円盤が来る日まで- 大覚アキ ...自由詩505-9-13
点滴- 大覚アキ ...自由詩305-8-30
ベリーちゃん- 大覚アキ ...自由詩805-8-25
テレヴィジョン- 大覚アキ ...自由詩305-8-23
晩夏- 大覚アキ ...自由詩1205-8-18

Home 次へ
1 2 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する