無声映画
こしごえ

夢のつづきを上映なさる、
あめ色に半透明な
翅のスクリーンに

隙もなく並べられた円卓が。
潤む瞳、
凸レンズ式の

灰皿におとした視線に煙り
鉛の筆跡で笑えず。
夕べは、霧の森で舞踏会

散々ちりぢりな炭酸水型
紅娘が
天の河へ飛びこみ。

冷めた時空で、
浮沈する空中庭園から空色に伸びた支柱に絡む
鈍重が花を放る。
えぁさぞ肺魚だろう
ひびり叫ぶ大地に眠り
雨季に泳ぐ呼吸の幽霊。

 っとして目をつむり









紅娘=てんとうむし





自由詩 無声映画 Copyright こしごえ 2006-04-15 07:26:07
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