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生き物はみんな、形から入るタイプだ。
生き物はみんな、生き物の形をして生まれてくる。
緑、揺れている
ゆうらりゆらら
梢の向こうに青い空
昨日はこの宇宙の片隅で
街を驟雨が濡らしていき
青紫に染めたんだ
ピカリと光り響きながら
青紫に染めたんだ
緑、揺れている
....
人間の恐怖は死へと繋がっている
らしい
昨夜は
怖い夢を見た
と彼女が口にした
ユニットバスのなかで
お湯に二人は浸かっていた
夫婦和合の秘訣は
一緒に風呂に入る事だと
....
季節は流れ詩は座礁して
はるか太平洋の真ん中の島に流れ着くだろう
いきることが何かの証明ならば
返す言葉がつまづいたままでいきてゆこう
あるいは人生に返す言葉を紡ぎながら
座興だ ....
森の中で、
みしらないお城をみつけたの。
あたし、にゃあと鳴いて、
しらないお城をみつけたの。
森の中で。
お城のなかにはいると、
籐でできた椅子があって、
あたし、
まるく ....
夜は長く寒く暗い
煙草の煙も見えない
そんな煙草が旨いはずもない
ただ苦いだけだ
また眠れない夜が来る
誰の映画もtake1の連続だ
どう足掻いてもtake2はない
そしてシーンは続 ....
特異点と言っても2045年ごろらしいけど
人工知能が人類の知能を凌駕しちゃうだろう
と言うある未来学者のこれって予言なのよね
その頃まで自分はまだ生きとるんかいな
お陀仏点に引っかかっ ....
愛する相手もいないくせに
フィロソフィアなんて
本が読みたくなる。
ページのはじめあたりには
著者のモノクロ写真が
あったりもしたりする
最初にあとがきを読む
人名索引を ....
海に住む少女に会いにゆこう
大西洋の沖合いはるか
めったに船もとおらない
まぼろしの町へゆこう
アイルランド訛りがとびかうはずのタバーンには
看板娘のひとりもひつようだし
だれ ....
あっきーの冷たいマクランも、あっちゅのしまちゃんはなちゃんもえすけ、抱き枕サイズのファミちゃん、みんないなくちゃダメだから。
あっちゅは中3になって、東京にだってひとりで電車に乗って行けるように ....
高齢者の運転は危険だよって
母から車のキーを取り上げた
買い物に行けなくなっても
母は文句ひとつ言わない
ただ
バッテリーが弱るから
エンジンだけはかけてやってと
小さな声で頼まれた
....
去っていく夏が感じられた今日、
斜光が大地を均一に照らし出し
涼しい微風が絶えず吹いて
僕は独り
夏の後ろ姿と入れ替えに
やって来る秋の姿を受け止めた
何もかもが遠く浮き立ち鮮やかにな ....
人間の3つの美徳を挙げるならば
柔和 誠実 ほほえみ
人間に3つの悪徳があるとしたら
傲慢 打算 ぼくみたいな飲兵衛
偶数が好き
奇数は不安定だから
きみもぼくも奇数月 ....
どうしても
無欲には
なれない
なれる訳がない
それどころか
この心も体も欲望が満載で
特に体は
時には自制がきかない
選ばれた一握りの人間にはなれなかった
俺は
満載 ....
好きでこの世界に産まれて落ちた
訳じゃない
俺を産んだ母親も
選んで産んだ訳じゃないんだからよ
いくらこの世界の居心地わるくて窮屈でもさ
今さら母ちゃんの腹には戻れないさ
本人とっ ....
今日の月は電気みたいにピカピカ
お月様ははね 宇宙なんだ
君が言うから見上げてみる
眩しいなあ
今日の月
光が丸におさまりきれないよ
そうかぁ
ピンホールカメラなんだ
....
イオンタウンはいつでも涼しい
冷えた野菜の匂い
乾いた人混みの匂い
駐車場には警備員さんが
汗流し車両整理に精を出している
まるで神さまみたい
むかし、ふたりで
買い物してた ....
今日の地球は輝雲の塊り
夥しい雲を集めては流し込み
遠去かっていく、巨大な星の地平線
)僕は今日という日に何を求めていただろう?
)今となってはすっかり忘れちまった
ただただ絶えず吹 ....
ぼくのてのひらには何ものこってはいない
かどわかした王女を高い塔の小部屋に幽閉している以外は
王女の手のひらには小ちゃな貝殻と等分の人生の重み
新宿2丁目で飲み潰れている僕はいつか夢の中 ....
思いつくと
手当たりしだいどこにでも書いてしまう癖がなおらなかった
ノートは勿論の事
教科書の余白
新聞の折り込みちらしの裏側の白紙
左の手のひらの上にも
さすがに紙幣には書けなかったけれ ....
まだまだ続くと
誰もが思っているだけで
夏は終わろうとしている
長いようで短い夏だと感じる
何をしようか悩むのがもったいない
夏だけは何故だろう
終わろうとする時
寂しさが押し寄 ....
人生の灰皿に手が届かない。
わたしって悪あがき、そうじゃない? 視界にはいつもブラインドがかかっている。
だから、いつもおかしな見方をしなければ、物が見えないね。
あなたってのんびり屋のおさぼり ....
かけっこの末に気まぐれに迷いこんだ迷宮。そこでキャンディーをかじりながら、
対角線の夢なんか見てた、それとこれとをつなぐための。
はっきり分かったの。空と海とに境目なんてないと。
ビルと人との間 ....
君が可愛いだけで僕の一日は終わる。
あっという間に、あっという間もなく。
ねぇ
あたしの事愛してる?
勿論
愛してるよ
本当に?
本当だったとしたら
どのくらい愛してくれてるの?
正真正銘
本当に決まってるよ
だけどどれ程ときかれてもな
....
串カツ屋の前で飲む
アイスコーヒーの苦さが
口腔内に不穏に広がっていき
遅れて串カツの濃厚なタレの
甘酸っぱい匂いが五臓六腑に染み渡っていく
そーす、そーす
そーす!そーす
大声 ....
いやいや、もう
くたびれたね
気がつけば、まあまあな年
そうなんだよね
ここで煙草吸ったよね
あのサイゼリア、なくなっちゃったね
お気に入りの窓際の席
強気な友達とも集まったし
あ ....
雨滴は弾かれて、空へと帰る。
雨音を一つ一つ、数えている。
ああ、そんなこともしていたんだね……
(タンバリン? そう、それとも?)
都市の空隙を埋める、──
人工のノイズ。
....
梅雨が割れて、──あの灰色のあたり、あそこから落ちてくるのだろう。靄った街のあいだに。そこここに光、それは人の気配であるのだけれど、私を通過していく。私は薄い闇だけを見ている。グレーの綿。あれが灰色 ....
落下するのです。あれは私たちとは別の世界。
誰かが言ったわ。
「生きるためには仕方がないから。
死にたくないのであれば、相手に悪いなどと思う必要はない」
……そうなのかしら、
とその言葉を ....
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