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ある朝、わたしは透明になった。
世界は膝を抱えて仰いだ青空であり
そこへとあらゆるものは落下していた。
それは重力という現象ではなく
存在という重心へと還っていく風景だった。
この風と岩 ....
ありきたりに言ってしまえば
そう 川は人生そのものなのだろう
そう 川は生命の流れなのだろう
流れる水と水が寄り添うことは愛のよう
本流と支流に別れていくものは悲しみのよう
岩にぶつ ....
何が欲しいの
何を求めているの
それより
何が要らなくなったの
何を棄てたいの
自分が見えないの
それとも
自分から
眼を反らしたいの
それは
現実から眼をそむけたいから
....
ひたすらに憧れて
螺旋階段を昇っていく降りていく
根無し草の宙吊りで
呼ばれるように拒まれるように
(何一つ叶えられることはないのだと)
遠い遠い鐘の音を聴きながら
ただひたすらに憧れて
背後にひとり立つ木の葉群から
夏の終わりの蝉の鳴き声…ふりしきる
路面を歩いていると
ふいに 涼しくなった
見知らぬ誰かが
水をまいた道だった
私は、気づいていたろうか
いつの ....
月の夜にはからすが舞う
かけたままの心には蟋蟀が鳴いている
無垢な地図帳には地番がない
条件は
いつだって
みたされないものだ
要件は大概なおざりにされ
描き続けること
想 ....
優しくない私は
救いようがなくて
自分でもほとほと
呆れてしまうくらいで
そのくせ見栄っ張りで
礼節をわきまえてる
ふりをしてみたり
人前では決して
涙を流さずにいたり
取り乱して声 ....
祝日は自称詩人の
クソ投稿が多いな
ん?でもよ
祝日なんて
自称詩人には関係ないだろ
毎日が祝日みたいなもんだから
いや、違うな
祝日じゃない
呪日だな
パッと見
似てるけどさ
....
女心と秋の空
というじゃないか
とかく気候も移り気だ
お堅い面の学者諸君よ
思い出そうぜ女心を
つかもうと必死になった
あの日のことを
あの娘のどんな些細な仕草でも
目を見開いて逃すま ....
自転車置き場に
届く光は
生まれたばかりで
まだ短くて
それを轢かない
ように押してゆく
何も語らずに
誰も愛さずに
ハンドルを曲げる
道でつまづいた
同じ傷だけど ....
ありがとう。
むきだしになって。
きみはだれかをまもっている。
ありがとう。
こころにかわって。
きみがかわりにうけてくれている。
紅葉は、紅くなるんじゃない ....
ああ、窓ガラス越し
物凄い空の青が広がって
自分が何処に居るのか
わからなくなる
地球、いや宇宙
そうだ、此処は地球という
宇宙に浮かぶ場所なんだ
まぁるく回る星なんだ
それにして ....
頑張って冗談を言うから笑ってよ。
右上5番の銀歯、僕に見つかっちゃいなよ。
お供えの花を供えても、
同じことです。
強い風の日には。
同じ時間という、
事象はありません。
自分が周っていなくても、
地球は周っている。
白い塩をまきましょう。
....
窓ガラスを伝う雨
樹木は滲み油絵のよう
秘密を漏らすまいと
ずぶ濡れで走り続けた
若き日のあなた
尖った顎
靴の中の砂粒を取る間も惜しみ
聞えない声を聴くために
人々から遠ざかり
た ....
君がやりたいこと、君が一生懸命になってる間。
「なんて小さいこと考えて」って思ってるでしょ、あたしのこと。
ごめん本当は君のそんなことあたしだってどうだっていいの。
でも君のこと好きなの。
....
少しずつ暑さは何処かに消えて
秋めく気候が顔を出す
薄い季節から
濃い紅葉の季節に
移り変わっていく
秋の空が広がって
気温が徐々に下がって
山々が賑やかになる
秋めいてい ....
青いろが、水いろとどんなに似ていても、
空には雲がうかんでいる。
わたしは蜂蜜をとるために登ってく、
……そう。蜂蜜をとるために、
青いろが水いろとどんなに似ていたとしても、
空 ....
緑の木葉が揺れている
私は大きく息をする
一人の孤独なわたくしが
初秋の大気を思い切り
吸い込み、黄金の日輪のなか
自らの不安定さをのりこなす
よすがを必死に探している
広がる雄大な ....
瞳の奥の炎が揺れて
捉える差異、収集する印画紙
あなたの心は何処にもないし
永遠はわたしの中にもない
向日葵が項垂れ色を失っても
奪えない若さ、その感覚、愛を
運命のように色付けた
....
大事なガラクタなくなっちゃった
あくまのかけらが霧散した
風船ひゅるひゅる抜けてって
泣き疲れた絶望が
すやすや寝息を立てる頃
諦めという
とろけるほどの優しい吐息をあげよう
....
近くの 小料理屋の 前を
ゆっくりと 歩く猫
なんて言ってるのかなぁ
ちょっと 武士 みたい
おおむねは
不自然な酔っ払いのおじさんぽくもある
ふらふら〜 ....
夜がへのじに曲がり出す時、
睡眠薬はいつもの位置で
意識が遠退くその前に
僕は独り在ることの
覚悟と記憶を反復する
今日の夕暮れは見事だった
作業所で君と何気なく話せて良かった
逢え ....
緯線、経線、メロンパン。
惑星はベーカリーにて焼き上がる。
切り立った
山の岩場に転がった
死体の色した茜に空燃え
夢は夢、叶う月夜に散歩路
夢しぐれに泣く
瓦斯灯の街
御空につながる
血けぶる鷹の眼
霧けぶる
枯野に棄て去 ....
ほんとにうまいものを食べたかったら
普段は不味いもの食べてなさい
一人の女を愛し続けていたいなら
モテない男になりなさい
多数の女に好かれたら
一人じゃ満足しなくなるからさ
心 ....
標識は未だにない
グーグルマップも役に立たない
振り返ってみると
そこそこに長い路が見える
もちろん数多くの十字路も
その十字路で
選ぶ路を間違えたことも
いまになれば分かる
でも ....
北向きの窓から
ふいに
秋の
風が産んだ子が走り抜けていく
本のすきまから伸びた
栞のしっぽが揺れ
亡くした猫のしっぽも揺れ
過去が
耳なかでちりりんと揺れる
寝転がると
窓い ....
手で計る
針二つをあわせたら
手首の傷にあわせたら
鈴の鳴く
辻の門に
風を捨てました
供養は茄子
風の通り道に、僕たちはいたんだ。
僕たちは風の援軍で、
風は僕たちのことを気にも留めなかった。
ああ、イチョウの葉が散ってゆく。
僕たちの小さな小さな逞しさは、
彼ら(風)にとっては ....
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