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これでもかと歯石を取り尽くされ
すかすかすっからかんの帰り道です
もう何も持っていません
昨日までの悲しかった人生も
明日からの悲しいであろう人生も
もう何処にも無い ....
憧れは橘って苗字で、漢字1字で4音の響きが格好良くって。
まぁ橘にはなれずとも、その内に僕も、屍にはなれるだろう。
寒夜の洗面所に、固形石鹸は芯から冷え、それは無垢な恋人のよう。
悪事に染まった我が黒き掌でよければ、優しく包んであげましょう。
古書店の角を折れると、そこには煙突の何とも可愛いベーカリー。
この界隈には酵母菌がふわりと漂っていて、よって古書も芳醇に。
実家の方角から、炊き込みご飯の炊ける薫りのしたような。
晩秋の寂しそうな母の背が、硬い根菜を刻んでいたような。
窓側の席に座り、夜間部の君はどんな字を書くのですか?
昼のあいだに、秋の陽光をたっぷりと吸った僕の席に座り、
蜘蛛を決して殺さないこと、幼き夏の夕に僕は僕と約束をした。
左右の小指で指切りをし、指が切れ、僕は8本指の少年となった。
自由という字には7つの部屋があります。
どれを選ぶも、どれも選ばないも、君の自由です。
知らないうちに僕も大人になっていた。
絵柄を見ずにコアラのマーチを食べていた。
買った古本に挟まっていた褪せたレシート。
97―8―3、1:28PM、遠い夏のかけら。
思い出は胸の奥でセピア色。
夏休みのドリルに溢した麦茶の色。
冷房消したら亡霊も消えた。
夏が終わると部屋が広く感じる。
端っこまでクリームの詰まったクリームパン。
そういう幸せが、君の人生に沢山ありますように。
その命、もっと気楽に使ってみれば?
ちゃちなボールペンにでもなったつもりでさ。
頑張って冗談を言うから笑ってよ。
右上5番の銀歯、僕に見つかっちゃいなよ。
緯線、経線、メロンパン。
惑星はベーカリーにて焼き上がる。
生き物はみんな、形から入るタイプだ。
生き物はみんな、生き物の形をして生まれてくる。
君が可愛いだけで僕の一日は終わる。
あっという間に、あっという間もなく。