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淋しさとは
消えゆく炎の眩しさです と先日聞いた
ひとの言葉を思い出す
七輪で
ひとり肉片を炙っている
網のすき間から
火が時にやわらかく伸びるのを見ているが
すぐに消え ....
令和の五月
夏のようでも冬のようでもある夢の白昼
暑さに震えて
五反野駅前を歩いた
わたしのわるい眼では
通行人の姿が見えない影だけが揺らぐ
バス停では
不揃いの椅子が並ぶ
ど ....
どうして
こんなに平穏なのか
冥土へと導く と信じられたホトトギスも
いまは五月の鳥
森を抜け
砂の砦みたいな監的哨跡にのぼって
海のまえに出ると
もう詩に出会った気がした
壁 ....
姿見池には
何も映らない 別名は影見池
梅と詩文を愛惜したひとが
西へ行く路
水鏡を覗き
月に宛てて歌を呟いた
古代の風景は
異国のお伽話よりもわからない
ありもしない罪に ....
幼いとき
旧電車通り と大人たちが呼ぶ
ながい一本道を渡り
手習いを教わった
空も海もしらない
蛍光灯の平板な光がまぶしい
美しくも醜くもない
手本を右に
半紙をよごしてばかり ....
きみに逢うために
踏んだ路を歩きなおすのは
唯是西行
不左遷
と かの詩神ほどの気概や嘆きを抱いていた訳でも
まして花の匂いに誘われたからでも
ない
梅が枝を
敵意のす ....