葉leaf




季節は停まったままなのに
何かの遷移があったかのように
すべてが熱にうなされ
憂鬱の涙が豪雨として流れる
世界のどこかで木の葉が青らんだ
それだけの微細な亀裂が
瞬く間に感染していって
今やすべては夏という疾病に感染している
季節は停まったままなのに
一日の運航は夏の症状の表れで
朝から夜に至るまでの全ての一コマが
高熱により華やかにひずんでいる
人もまたこの伝染病に感染し
汚染された息を吐きながら
この偽装された季節のにがさに
溜息の数を増やし
過去の外傷をふと思い出したりする


自由詩Copyright 葉leaf 2015-07-20 08:42:17
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