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なんとなく
気配を感じて振り向くと
君は精一杯まん丸い目をして
じっとこちらを見つめていた

一番好きな映画の
一番良いシーンを横目で追いながら
僕は君の真っ直ぐな視線に負けて
し ....
単焦点のレンズをつけて
春を探しに出かける

低い雲が垂れ下がった街は
名前の無い色合いで
マフラーの内側の囁きは
聞き覚えの無い言語で

嫌なものは
ぼんやりとしか見えない
 ....
真っ赤な嘘っぱちを
誰も見抜いてくれなかった

橙色の夕日にとろけそうな
もはや追う者もいなくなった
逃亡者の長過ぎる影

気味の悪い戯言を並べた
ノートの頁は哀しく黄ばんで

 ....
どれくらい時間が経っただろう
もうずっと
海の見える街で
透明な観覧車に乗り
まわっている

昼間の
高い位置からの眺めにみつけた
泳ぐ船体はすこしずつ南方へ向きを変え
遠ざ ....
あなたが笑っている
あの頃とちっとも変わらない笑顔で
透明な手が拍手している
わたしの胸が温かくなる

あなたが俯いている
心無い言葉の礫に打ちひしがれて
透明な手が拒んでいる
わ ....
勝てない
その勝負には勝てない
自分より劣っているから安らぐ
その気持ちには勝てない

劣っている人に寄り添って
生意気な態度を取られて腹立たしく思っても
やっぱり劣っているから
泣 ....
あまりにも悔しくって
青空の端に噛みついたら
前歯が少し浮いただけのこと
決して笑ったんじゃないよ

蹴ろうと思った空缶を
君が先に蹴っちゃったから
握り締めていた拳を開いて
左右 ....
風を読もうとして
青空の中に人差指を立てた
風上から風下へ
紙飛行機は滑っていった

時を堰き止めたくて
夕焼けの中で小指を絡めた
川上から川下へ
笹舟は忘れ去られた

水面に ....
音楽が聴こえる
生まれたばかりのまっさらな音楽が



夜明け前の流星群
ふたり一つの毛布に包まって
星を摘んだね

明けの明星が強く輝いていても
私たちの歓びの涙にはかなわなかっ ....
 
私は
想いながら
   死んでゆく。


喜びに包まれた名を
明かすことなく
内なる焔は
ひかりよりも

まばゆい。


噫、
おもはざるひの無ければ
かぜの音にき ....
過去も未来も無く
ただ美しいと思った

さよならの
指先を咬む

ひずみ
 

ゆけなかった

ひび割れた空のかけら
拾い集めて
黒曜をながした月光
あなたのような
静謐
いだかれながら
緩やかに枯れてゆく
水底の
片羽根なくした
蝶を

想っ ....
ケンケンパ
ケンケンパ

道路にロウ石で丸を描いて

ケンケンパ
ケンケンパ

まるまる転がるよ

ケンケンパ
ケンケンパ

見上げてね

ほっとしてまた下を向き
ケン ....
いない人だからちょうどいい そんな気持ちになったので
センベロしてみた
千円でベロベロになるほど飲ませてくれる店が下町にあるらしい

「たきおかとカドクラ、ハシゴするけど来る?」
とツレに聞いたら
空腹を我慢でき ....
そうだったよね
くねっとすること

ぺとっとして もぞもぞして
変な感じがそのうち分からなくなる

それって変態じゃない?
とわたしが言うと

とてもすまなそうな顔をしながら
胸に ....
あなたがいる有り難さ

こころのままに いつものようにして
喜ばれて嬉しくて

けれど好きな人に
わたしよりもっと好きな人と一緒の気持ちで
感謝されたよ

あなたがいる有り難 ....
笑顔が見たいと言われても
上手になんか笑えない

ほらどうだ!
と、手品みたい。

ゆりかごのようなサプライズに
にっこり身を委ねた

ありがとね
佇んでいたのだろう
あの時のわたしは

苦手なことを並べた
傷付きたくなかった
それでも出会いを求めて
やって来た

缶ビール片手に
やわらかな言葉で話す
路上に座り込み
生活者 ....
乳房をなぞった手のひらが
首にしばらくとどまっていることには気付いている

思想も愛も何も無い
自尊心に勝つ為の殺人予告?

迷惑なんですけれど。

キモいから触らないで。 ....
奇数行 長谷川忍
偶数行 鵜飼千代子


時々は嬉しいこともあって
蛇の目に注ぎのぼる酒を見遣ると
それでお酒を呑む
波立つおもてにやがて 習ったよう ....
小籠りくすぐりあっているのが
お仕事に影響するのは、はた迷惑ですね

「嫁の躾しろよ」という話になる



小籠りくすぐりあっているのが
生活を後ろ楯るのはいいですね

仕事は進む ....
夏野菜をピクルスにする
間引きのキュウリと
大根と
色鮮やかなパプリカと



あなたの傍にいつもいられますように、と
ピクルスは今日も味わいを醸す
 1

目を瞑って
灰の砂漠を
食べていると 
こころは徐々に
ひからびて 
ちっぽけな
雲塊になって 
コトコト笑う
鳥の頭蓋に
埋め込まれる 

鳥のくさめ
いや、くし ....
金属の目録に眼を通した
あらゆる色彩がひび割れる時刻に
百万年かけて落下する思考の速度で

澱んだ大気の底に広がる地衣類のような
無数の金属の結晶が犇めく都市の上空から
走査電子顕微鏡 ....
有事に無力感しか抱けず
悔し涙を流すのは嫌

「馬鹿」上等
むしろ馬鹿でいい
常日頃から小さな力を蓄える

OBが次々と狼煙(のろし)をあげる

戦争は反対
生きる人の ....
影は次々と
落ちてきて
重なって
離れて
あおい時間も
ふじいろの空間も
あなたの指で
押し広げられて
そんなふうにして
世界はできあがり
あなたが残した
古い写真の
風景 ....
朝 目覚めたら
鳥の巣箱の中にいた
市会議員選挙の告示のニュースが
母屋の方から聴こえてくる
体を起こし 何となく上を向いて
首を伸ばしてお口をあんぐり
母がテントウムシを口移ししてき ....
◇小魚

雨の後は
小川の土手が増水し
小魚たちの遊戯場になっている

水圧に押されて
寝てしまった青草を
小魚がしきりにつついて
運び去ろうとする

一本の草とて
そうはさせ ....
逆境のとき

いつも傍にいて

慰めてくれるのが

猫だ

名前すら付けて貰えない

猫だ

おい 猫よ

おまえは

すぐ忘れ去られるのに  ....
空丸さんの自由詩おすすめリスト(4633)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
君が教えてくれた- nonya自由詩23*16-2-12
単焦点- nonya自由詩18*16-2-7
虹の後始末- nonya自由詩22*16-2-3
観覧車- 自由詩14*16-2-3
透明な手- nonya自由詩21*16-1-31
勝てない- 鵜飼千代 ...自由詩20*16-1-28
消耗品- nonya自由詩15*16-1-27
- nonya自由詩18*16-1-19
メロディ- レモン自由詩22*15-12-30
Hallelujah- レモン自由詩29*15-12-18
アウローラ- レモン自由詩17*15-12-15
うつほ- レモン自由詩29*15-12-7
ケンケンパ- 鵜飼千代 ...自由詩16*15-11-25
そうがいいと言われて- 鵜飼千代 ...自由詩11*15-9-30
センベロ- 鵜飼千代 ...自由詩22+*15-6-15
コロポックル- 鵜飼千代 ...自由詩25+*15-5-29
あなたがいる有り難さ- 鵜飼千代 ...自由詩18*15-4-10
ハンモック- 鵜飼千代 ...自由詩13*15-1-26
手をとる- 鵜飼千代 ...自由詩18*14-11-24
別にリーマンしていたら- 鵜飼千代 ...自由詩6+*14-9-29
交錯詩_「お酒」_____長谷川忍___鵜飼千代子- 鵜飼千代 ...自由詩16*14-7-9
みはるかす- 鵜飼千代 ...自由詩12*14-7-9
ピクルス- 鵜飼千代 ...自由詩12*14-6-22
遠く暗い街- 壮佑自由詩20*14-3-7
金属の目録- 壮佑自由詩27*14-2-20
ありがとう- 鵜飼千代 ...自由詩12*14-2-16
地の星- 壮佑自由詩22*14-2-10
遠雷- 壮佑自由詩31*14-1-24
波打つ草原- 杉菜 晃自由詩11*12-3-15
救世主- 杉菜 晃自由詩8*12-3-13

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