空き缶だらけの中から割り箸を見つけて
しかも 割れてなかったから割ってみた
それだけだ
見通すことも 燃やすこともない
トイレの壁紙はお前のシャツの柄に似てくるだろう
その薄い胸毛を 蹴 ....
{引用=
日暮里のウィル・オ・ウィスプが公園で 「兄ちゃんライター貸してくれんか?」
....
イチゴの 前と後ろ を 見分ける 事が
できたら この田舎 を 出る事に する
重たい これは バッテリーの アダプター
窓の横 電車が 通り過ぎる時 思い切って
手の平 パーに 開い ....
ぜったいにはなしちゃいけないって
ちいさいときから
なんどもいいきかされていたのに
ふときがつくと
てをはなしたあとだった
あわててまわりをみまわしても
ておくれだった
わたしのこと ....
沈黙の闇に寝そべり
ああ此処も
宇宙のどこかと
耳を澄ませる
僕は君のことなら好きでしたっけ
一目会ったその時からであったとしても
僕ったら胸にドキドキなのですが
今の今まで言葉にすることでした
あれはそうそう雨の雨の日で ....
けだもの
かぜ
に
そよいで
いる
毛
だもの
白いカーテンだけが意味もなく揺れていた
感情も
体も
もう僕を動かす事は出来ない
胃がグルグル回った
僕はただ洗濯機を想像した
汚れを洗い流している
だけど僕は
汚れを擦り付け ....
1
真っ青に透き徹る海が恋しい
真っ白に焼けた砂浜が恋しい。
湿気の多いべたべたする嫌な日
何でも有り余る肥大した無慈悲。
何故か連続して襲い来る不幸
大地は割れ火を吹く山 ....
やぁ娘さん
いったいなにをしてるんだい
金魚を飼っているの
金魚を飼っているの
金魚を飼っているの
その娘は三回答えたり
二回答えたりした
娘はひらいた
わたしは言い返した
でき ....
おいかけてゆきたいのです。
包丁でざくりと切ると、すぐ後ろでネギがぱらぱらと広がるように
ざくりの跡をぱらぱらと追いかけてゆきたいのです。
続けたいのです。
にんじんをする ....
この鉄塔の下に来たことに
明確な理由なんて
無いから
私達は黙りこむしかない
電線の間を風がとおり
揺らすのを見ていた
何も変わりはない
私達が
....
きもちをつたえようと
ことばをえらぶたび
むねのおくがずきずきいたんで
むねをかきむしるうち
かたいものがゆびにふれた
おもいきってひきぬいてみると
くすりゆびくらいの
てとらぽっと ....
一本のメールで
今日の予定がすべて狂った
夕べからの心の準備も
無駄になった
これからのからっぽの時間は
メールが来なかった方の未来に
嫉妬して過ごします
ごはんを食べた後
階段を上って部屋へ戻ると
ごはんを食べるために部屋を出て
階段を下る
ごはんは誰かが食べていたので
階段を上って
部屋に戻ると
明かりがつけっぱなしだった
だれかが消 ....
楽しそうに
わたしの机に落書きする君をみて
はははっ て
乾いた笑いを漏らしたけれど
嫌いじゃないよ
君が描いたうさぎも
君のことも ね
意外に下の方にあるのよ
壁一枚隔てて
ノックして
袋小路
痛い
ファム・ファンタール
宿命の女
リヴィング・スティル・ライフ
生きている静物よ
ほんの少しのデジャヴュ ....
アナタが私を蝕す
私がアナタを食す
私はトロケル...チーズのように
でも、アナタの嫌いなものはチーズ
私は、冷めてカタクナル
今から土手の草刈りに行かねばならない。各世帯担当の区域があって、そこはそれなりに綺麗にしておかないと近所の目が怖いのだった。しかし、ものすごく、行きたくない(笑)。だって真剣な話、あれは恐ろしくハード ....
「明日、注文していたものが届くの」と
少女が嬉しそうに笑って言う
何を? 私は訊く
すると
少女は真顔で黙り込む
この世に存在するキリンは全て
生きてはいない。と主張する宗教
雨の中、母親に甘えて
濡れた服を更に濡らす叔父さん
叔父さんのリストバンドには
叔母さんの写真
都会の人らも
....
デートの帰り道
疲れて大あくびをしたら
そのまま体が裏返ってしまった
あわてて元に戻すと
君が泣いていた
ごめんね驚かせて
もう大丈夫だよ
と
言おうとしたら
君がく ....
恋の相談なんてされてもね
僕の大好きな
とびっきりおおきな目
輝かせてうれしそうに
そんなこといわれちゃ
頑張ってっていうしかないけどね
なぜか応援団長になっ ....
水曜日はどうにも暇だった
すきま風になって
きみのふくらはぎを
なでなで なでなで
したり
ソーダ水の泡になって
ぷちぷち ぷちぷち と
浮かんでは はじけ
浮かんでは は ....
ずいぶん
ながいときがすぎたが
きょう、やっと
ふたりは
わずか五ミリほどの
ラビリンスを
うんだ。
ちいさな
コンクリートのすいそうで
ちゅうにうきながら
まようことしかしら ....
蚊のはなし
鉄板の上で 表面が美しく焦げる
ミディアムレアな 霜降り和牛ステーキの上に
ニンニクをたっぷりのせて食べた 幸福な夜です。
(しかも おごりで)
家に帰り着く頃には ....
オニグモは働き者です
毎日夕方に網を張ります
まずはゆるりと何本も糸を流して
どこかに引っかかったら網張り開始
手始めにいちばん外側をくるり張ります
真ん中から放射状に足場を張ります
....
白紙のノートに
「もう死にたい」と百回書いた
それから今度は
「まだ生きたい」と百回書いた
誰かに必要にされてると
苦しい程に強く感じたい
誰かが誰かを必要としていて
誰かは誰か ....
庭につながれて退屈そうなので
犬をふくらましてみた
ふわふわと
ゆらゆらと
風船のように退屈していた
ホースを部屋に引いて
蛇口をひねるよう指示したら
部屋の中か水浸しになったが
わたしにはそれが
どういうことかわからなかった
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