ものすごく悲しいのは
心変わり
誰かさんと新しい恋をする
されたくないから 官能的で
いつも官能モットーで
ちいさなくちびるで
たった一言いえばいいじゃない
失恋した乙女 ....
となりで。
泣き入るような小さな声で
「ごめんなさい」って
あなたいうから
あたしはただだまって
りんごをむいた
皮をつないだままで
するするとナイフを動かす
すると
い ....
吸いこんだ空気
に含まれた
酸素をひとつのこらず
わたしの体は
吸収しているんだと信じてた
全身の二酸化炭素を
呼吸するたび
すべて酸素と置きかえるのが
生きている証拠だって
....
ぽつりぽつりぽつり
ひとり部屋にたたずみ
明かりかすかに瞳に浮かび
いくつもの雨音に呼び起こされる色々
色鉛筆で
一番最初にへってしまうのは青色でした
空の色なんてわから ....
裸になって{ルビ躯=からだ}と{ルビ躯=からだ}を結んだところで
それで一体何が分かり合えるのですか
なぁんて真剣な顔で言ってみても
{ルビ躯=からだ}はやる気満々じゃないですか
はいはい
....
何、見てんだよ。
泳げるっつってんだろ!
‥ちょっと、ムーンウォークの練習してんだよ。
あっち行けよ!
青い鳥が青いのが
当たり前だと思ったら
僕らは青色を見失ってしまう
手放しても惜しくもなく
逃げてしまっても気づかないままに
そしてまた
青い鳥を探すのさ
見つけるため ....
ときどき図書室のゆめをみる
二階に保健室があったり
一階に玄関があったりする建物は
昔通った小学校の木造校舎に似ていて
でも階段はコンクリート製で
どの窓も大きくひらかれて
わ ....
コートを綺麗に着こなした
ド田舎生まれのサラリーマン
彼は若手の中では期待の新人で
そんな彼の口癖は
「まぁいいや」
「もしかして。もしかして?」と願い続けて
願うだけでは足りない ....
みよこさんを
つくりました
まゆげがくっきりしていて
みぎみみのうしろに
ちいさなほくろがありました
みよこさんはあさはやくおきて
ごはんのよういやそうじやせんたくをしてくれました
....
ぼくの部屋の電気を消すと、カーテンが発光して、それだけになる。隣のマンションの窓がすぐそこにある。昼間、すこしだけ部屋を覗いたら、そこには書類や分厚い本が重ねて置いてあり、おそらく研究者か、その類だと ....
まっくろでーも きにしない
まっくろでーも きにしない
きにしない きに あっ
(ジャムのふたを落とす)
まっくろでーも きにしない
まっくろでーも きにしない
まっくろでーも き ....
母をおくる と
おそらく
わたしの半分が終わる
半分が終わる と
わたしには
守るものがたくさんあって
後戻り
できないことも
また
たくさんあるのを知って
さみしさの ....
夜、下町の小さなアパートで
卓上電灯の明かりを頼りに母と子は
おもちゃのロボットにシールを貼る
内職をする
一つ貼り終わるたび、子は
十銭、二十銭と数えながら
一円になるたびに正の字を ....
今日は職場までチャリで通勤してみた。
楽しかった。
これから半分くらいはチャリで通勤しようと思います。
だからにゅぅチャリ買います。
健康のためにも、お財布のためにも。
MDウォークマン壊れ ....
午前三時の一号線を原チャリで走っている
気分はイルカの群れのなかに迷い込んだ小さなクラゲ
あるいはタンカーの間で右往左往する小さなタグボート
とにかく僕は泳いでいて、流れる街灯は揺れる灯台のよう ....
メスシリンダーはすべて
叩き割って構いません
まちは季節によってその色を変えるのに
案内図の中には
風一つ吹かないのですから
傘は売れましたか
そのことが一番気がかりです
という嘘はいつ ....
がんだち たちまい どーん ど どーんや
まいふく みめい の きんらん こまどり
いわさく めぶきよ もえふす しじま の
いてつく このむね かたみの つづら よ
つちあげ かぜと ....
はっと、
目を覚ますと
ベッドの足元に
等身大のアンパンマンがいた
といっても
実物を見るのは初めてだったから
それが等身大なのかどうか
本当のところはわからない
つやつやのほっぺ
....
まくらヤミのなかで おもったよ
ぼくがミツメルさきに かがやく ヒカリ
めをコラシテよくよくミていたら
きみがいたんだ
きみはめをつぶったまま テサグリして
た
....
彼女は 作り笑いだと言われれば、そんな気もする。
それは見間違いだと言われれば、そんな気もする。
明日死ぬと言われれば、そんな気もする。
グラスの中身は毒だと言われれば、そんな気もす ....
1.
かみさまは、どこですか。
2.
かみさまは、どこですか。
道すがらたずねると
あっち、と指をさした人がいたので
ひたすら あっち、に向かって歩いた
歩いて歩 ....
右クリックでワイザツ画像を
取り込んだ牧師の右手
と
小さな島への記述を消し去れと
パピルスに火を放つ男の右手
と
うそだぴょーんと少年の純粋を
あざ笑う車内の母親の右手
と
....
謳歌する冷蔵庫の中の牛乳 冷える身体は一人のもので
日曜の午後の桜の眩しさに白昼堂々犬を買います
僕が犬を触ることができるのは夜に牛乳皿を割るとき
君と犬の似ているところ探しては沈む夕日に口笛を ....
プッチンプリンを私はなぜプッチンしないのか
ということを
私は考える
そこにあるもの
望まれるものを
なぜ私は享受しないのか
もちろん
それなりの理由はある
プ ....
一週間も社会にでていれば金曜の夜には心がカチカチなので
硬くなった心をすこしでも揉み解そうと長くお風呂に入って
みる。電気を消してずずっと湯船につかって口と鼻との間に
水面がくるよう ....
もうずいぶん昔のことなのに
最近になってもあけみは
僕の前に現れてきて
彼女はまだ
忘れていないらしい
僕が彼女を忘れていないように
それ ....
「あけみ」という女の子の話。
違うかもしれない。もしかしたら僕の話かもしれない。
あけみが僕のそばにいることに気づいたのは彼女の一周忌の夜
彼女にはとても好きなカクテルがあって
僕は供養の ....
他の女と遊んでるとすぐに怒って
そのくせ
中指を突っ込んでやると
悲しそうな声をあげながら
すぐに抱きついてきた
寄ってくる女を全部食ってた頃の話
たぶん好きじゃなかったと思う
包丁 ....
世の中にはいろいろいる
大変な人
毒虫
いもり
冗談の通じない大人
家出した人
おもむろに濁流へとサンダルを投げ込む
イソギンチャク
ミミズク
もずく
いちじく
ももんが
横丁 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67