彼女からの手紙が
炊飯器の中で見つかった
もう
ほっかほかの
ぐっちゃぐちゃで

炊きたてのご飯はうっすら黒く
食べると微妙にインクの味がする
時おりぐにゃりと繊維をかんだりもする ....
店内には人もまばらで
通りが見渡せる
ガラス張りの
ファーストフードの二階
ハンバーガーを食べ終えて
コーヒーを飲みながら
文庫を読むふりをしながら
活字が目に入らない
彼女のことを考 ....
 雨が好き
 雨の音が好き

 雨粒が近くで葉っぱをうつ音が好き
 その向こうでアスファルトの道をうつ音が好き
 遠くでトタンの屋根をうつ音が好き

 雨の日の空気は冷たい
 新鮮 ....
妻が寝言でごめんなさいと謝っている
悪いことをしているのだ
悪いことをして泣いているのだ

ベランダから空気が入ってこない
高くなるほど薄く
いき をするのが苦しい
いき 苦しい ....
「うみ」
と書けば
白い波が寄せて返し

「そら」
と書けば
どこもでも青く

「もり」
と書けば
木々が香り

「とり」
と書けば
それは翼をもって飛びまわり

「ま ....
彼女に歌をつくってあげたかった
とってもスウィートでハートフルなやつを
彼女のためだけにつくって
彼女のためだけに歌いたかった

プリンの歌がいいな
うん、いいね

僕はノートに詞 ....
突破しなければならないんだ。破りたいんだ。壊したいんだ。走りたいんだ。逃げたいんだ。逃げだしたいんだ。期日は過ぎてるんだ。何もないんだ。どうしようもないんだ。バイトじゃないんだ。くだらないんだ。蚊が多 .... 腰のものを赤く染めて鳥が鳴く。
うぶめ、と呼ばれる鳥である。
産の穢れに死んだ女は鳥となる。
ほう、と鳴くが聞こえるか。

生まぬとしても女は女と男は言う。
うぶめの悲しみを知らぬは幸福と ....
あなた、頑張って

隣で寝ている妻の寝言にびっくりした
寝ているのに何故わかったのだろう
わたしはちょうど42.195キロのフルマラソンの最中で
トップを走っているのだ
これからきつい ....
コラージュには自己を消しながらの自己主張というおもしろさを感じる。

自己表現ではなく自己消滅がボクの昔からのあこがれだったが、それはこの世か
ら完全に消えてしまうことではなかった。
ボクは消 ....
 久しぶりの電話や会話で
 「なんか」という接頭辞だけを繰返して
 うまく喋れない

 話しがしたいのに
 言葉を紡ぐことが出来ない自分が
 もどかしくって涙ぐんでしまう
 
 僕 ....
こんなエーテル日和にみんなが集まるなんて、
涼やかに横顔を見せて誰かが言う波止場
太陽は赤色102号から黄色4号へとギラつきを増すばかりで
埠頭を渡る風は塩辛く湿った毛布のように僕たちを抱き締め ....
いつからだろう。男はいつも間違った場所にいた。間違った道を間違った方向に間違った歩き方で歩いていた。だから思いもかけない三叉路に出くわし、驚かされることもしょっちゅうだった。そんなとき男は必ず自分の考 .... 少しだけ疲れると
地下鉄のことを考える
ついさっき「ゲームいろいろ情報」というメルマガがやってきた
もちろん仕事のための情報収集
発行部数3万5千よく見ずに削除3万5千
分の1
地下鉄 ....
黙って。
言葉はどうしても、
誰かのに似てしまうから、
黙って。


蛇になりたい。
進化の袋小路で、
誰よりもまずおのれに忠実な。

蛇になりたい。
自分の巣穴を
役立た ....
男はもう何日も水を口にしておらず
這々の体で村へたどり着いた
中央の広場には煉瓦を組み合わせた立派な井戸があって
水がいっぱいに溢れていた
男が早速つるべで何度も水をくみ上げては
勢いよ ....
さらばわかめよ
さいの目の豆腐よ
鰹よりも昆布よりも煮干のだし汁が
行平の片手鍋の中で
煮えくり返るその様よ
天然ガス13Aは
ハイカロリーバーナーより青白く燃え盛り
今まさに妻は夕餉の ....
捨て金魚をした

近所に川がなかったので
人の多い駅前に捨ててみた
金魚だってわかってもらうために
「大学と手毬です 可愛がってください」とでっかく書いた
気になって一日に何回も駅 ....
旅について考えてみたい。

芭蕉の力を借りて。つまりは『おくのほそ道』を読み解く。もとよ
り旅らしい旅などしたことのない私に何が解るのか。自ら発した問
いの洪水に溺れてしまうのが関の山か。
 ....
正午だ
ダッシュ!お昼、のあとでゆっくりと《神々を噛むためのガム》を買う
お気に入りのキシリトール、あの木陰がいい
アラニン化合物、腰をおろしてゆっくりと
フノラン(FN)とリン酸カルシウム( ....
駅前で冷蔵庫が名刺を配っていた
私も一枚欲しくて列に並ぶ

冷蔵庫の中が無性に見たくなって
ドアを開けようとすると
少しムッとしたみたい
ガサガサ音をさせる

もらった名刺には冷蔵 ....
レシート01

幾重にも重なったメシュの向こうに
夏の日差しが張り付いていた

平縫いを、急げば針が人差し指を刺す。ちじれた網は広がり続け、きびなごを捕らえようとする。
日は高くなり、雲は ....
もし俺が総理大臣なら
死を見世物にする
東京ドームにて夜七時
盛大なギロチンショーは
テレビにて全国中継される

今日は四歳の子供を
立体駐車場から突き落とした
十二歳の少年の処刑です ....
  

  放課後の静まりかえった女子トイレ金魚が一つ産み落とされる

  揺れ動く尾びれ背びれに滲む跡肢体をつたう金魚群

  奔放に泳ぎまわるや体内の水槽覗き金魚と目が合う

   ....
ようかんが街をつつんで
今日も夜がやってきました

駅からの帰り道なんですが
星々は百円ショップのようにチープにまたたいて
さしずめ月は壊れたひょうたんってとこですか

秋の虫がいい ....
【透明人間の憂鬱】

透明人間の悩みは
最近、髪の毛が薄くなってきたこと
これでも若いころは
リーゼント、ヨロシクきめて
ハマのあたりでバリバリに透明だったぜ、ってなもんで
今ではバ ....
看板の文句に惹かれて暗い地下へ降りると、天上の蒸し暑さを忘れるほど冷えた待合室に通され顔写真とプロフィールのリストを渡される。幾人かの男たちがあたりまえのようにノンアルコールを飲みながら彼女た .... 雨はしとしと降っていて あの子のあそこもぬれぬれで 今日もあのひと待っている 部屋のじめじめしたところ そこをながめて待っている


どうしたんだいぼくのかわいい彼女。そんなんじゃ、そこも黴てし ....
ゼンマイが伸びきったまま
うんともすんとも言わなくなったので
しばらく休みます

ぽっぽぅ

ばらしてみたら
戻らなくなってしまいました

とりあえず
歯車の掃除でもしながら
 ....
夏痩せしたみたい
はり金が差し出す腕は確かに細くて
どこまでが腕でどこからが腕なのか
わからないままに、痩せたね、とさすると
そこはこめかみよ
拗ねたふりをする

食卓には温めたロー ....
チアーヌさんのおすすめリスト(1993)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
置き場- たもつ自由詩1803-9-30
待つ- ねなぎ自由詩303-9-27
I_like_rainy- マッドビ ...自由詩103-9-21
朝のこない団地- いとう未詩・独白703-9-18
「___」に言葉を入れてみろ- たもつ自由詩3203-9-17
プリン- たもつ自由詩6*03-9-16
書き殴りたくなる衝動- ねなぎ自由詩103-9-16
私は石である。- 佐々宝砂自由詩24*03-9-14
本当の名前- たもつ自由詩703-9-8
コラージュのコラージュ- 藤原 実散文(批評 ...603-9-6
だからキスしようよ- マッドビ ...自由詩403-9-5
『アクアリウムはエーテル日和』- 川村 透自由詩303-9-3
迷途- ならぢゅ ...自由詩103-8-29
地下鉄- いとう未詩・独白203-8-28
スネークアイ- 大村 浩 ...未詩・独白1803-8-24
井戸- アンテ自由詩7*03-8-13
味噌汁大爆発- 山田せば ...自由詩503-8-5
捨て金魚- 嘉村奈緒自由詩33*03-8-3
夢は枯れ野に(1)- ならぢゅ ...散文(批評 ...103-8-1
《SUGARLESS_XYLITOL》- 川村 透自由詩3*03-8-1
生きていくこと- たもつ自由詩1003-7-23
レシート01。- 湾鶴自由詩303-7-22
死を見世物にせよ- 紀ノ川つ ...自由詩303-7-17
赤い月- 容子短歌1703-7-16
家に帰る- たもつ自由詩403-7-15
透明人間と- たもつ自由詩4703-6-23
バキュームフェラ祭り- いとう未詩・独白6*03-6-19
ただいま恋人募集中- よだかい ...自由詩403-6-19
ハト通信- アンテ未詩・独白303-6-10
週末の過ごし方- たもつ自由詩903-5-14

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