山茶花の花が散っていた
女の子の生理のように紅かった
生理が面倒だから子宮をとってしまいたい
という娘もいるそうだ
男の私にはよく分からないが
月ごとの排卵 ....
西武新宿線の下り各駅先頭車両の一番前っていうか
その、つまり運転手さんからとびら一枚隔てたすぐ後ろで
ぼくは黒人と並んで窓のそとをみていた
正午過ぎでさわやかな気持ちだった
俺たちはもう猛獣を ....
127時 @ハト通信
はんぶんにわって
かたほうを
わたし
となづけました
もうかたほうを
こまかくくだくと
おかねやじかんになりました
....
見るからに美しいのは
スーパーマーケット前のベンチで
横たわる
私のクリトリア
それはおかしい
何故なら私は
処女懐胎のできる筈の定め
有形と無形に
何の差別があるか
ヒマラヤを眺めたことはない
インドもいったことがない
もちろんネパールにもいったことがない
エベレストを眺めたい
ネパールをトレッキングしてみたい
山頂に立ちた ....
ぼくが産声をあげたのは
相模原市淵野辺
の旅館だっとか
何もない相模台地の荒野だった
父の本籍が八王子だったので
八王子市生まれになっている
戦時中で食糧難 ....
116時 @ハト通信
めそめそ
やぎがないています
またやってしまったんですか
めそめそ
おてがみなら
きっとまた
とどきますよ
めそめ ....
残念でした。もう少しだったんですけどね。ほら、あなたの回答にはひどくムラがあるのです」
市役所が募集した屠殺係の試験に落ちた
受験者はどれくらいいるだろう
市民グランドに学校机が6つ
その ....
他人に迷惑をかけないように
生きていきなさいって母は言った
幼いあひるの行列が
刷り込まれていくように
あなたは
もう気付いているとは思うけど
愛するということは
誰かを傷つけること ....
土の下で手を繋いでいるのね
わたしたち
なら
見上げても見えないような
あの観覧車に乗ろう
高く 高く 昇ってゆこう
神様しか
見ていなかったキスが ....
きょうのひがおわる
おんなじように あなたのひもおわる
きょうもいきてるよ
だって ....
たぶん一瞬だということはわかっていた
それはマスメディアによる知識かもしれないし、本能的なものかもしれない
きみが憎かった
理由はいつの日も単 ....
狂ってしまうと、あなたを
愛する草、風、鉄橋が散らばる中で
わたしは何もない
なにもない
なにもない
ためらいも勇気も
恥も
釣りをしている人がいて。
何もないことをくぐる ....
本当は誰もがアタシのコトなんかに興味がないこと位知ってる
どうでもいいんだ
本当は、誰のことも
たにんだから
ミニスカートにもぐり込んだ指とか
ブーツにかけた指とか
着信拒否した番 ....
月曜日に滑車が回り出して押し出され
火曜日に半分寝たまま準備をして出発
水曜日に到着して見上げると青い空
木曜日に煙と風がやってきて
金曜日に夜になる
土曜日にあいだを見つけて寝転がって
....
寝逃げたい寝逃がして
寝て起きたら死んでて
たしか夜
洗面台下にて
ここにあるハエは腹を見せる
ナイフより、見守る光を
黒い塊に
ささぐる
一日の終わりに
シャワーの蛇口をひねると
十二時のひずみから
しずくが落ちる
窓枠の
カタカタ
と鳴くのもよそに
通り過ぎたのは
秒針で
洗いながしたのは
遠い遠い
約束 ....
悟りきったように
雨だった
鉄錆のトタン屋根血のように
濁った生を洗い流した素直に生きることを
問う
あなたには力なく頭を下げた
ぼくは限りなく人を差別する
よく見ると晴れていたあまたの ....
盲目であることを知った
ふと
砂嵐の画面に吸い込まれた
夜通し泣いたら疲れて眠ろう
朝には
全部忘れているだろうが
当たり前に 夜は来る
僕はただ
真夜中の中間点が ....
女の子はませていた
ぼくたちは芸者の置屋の前に住んでいた
ある日その置屋の娘が来て 大人のしていることやろうよ
とぼくたちを誘った だいたいは見当は ....
『マルボロ/カフェテリア』
バイパス沿いのカフェテリア
男のくわえたマルボロから吹き出てくる白ひ煙
ごしに夜がゆつくりと幕をあけて、その向かふ
夕焼けを背負うように蒼ひプジョー ....
100円の森であなたを捜す
あなたは私の5cm上で
森と遊ぶ
母さん
私は5歳です
あなたを見つけられなくて
今にも泣き出しそうなんです
今は大人の身体に居るから
平気なふりで立っ ....
ボクのこころに
君をしのばせ
月夜の草原を
駈けていこうか
カンガルー・ポシェット
君が
さむいよ、
なんて言わないように
幾重にも
大事に抱きしめて
君がさむくなかったら ....
逢いたさは
距離に比例する
忙しさの倍数である
ひとりの夜には
二乗される
愛情という
未知の定数を持つ
この方程式を解きなさい
飛行機も
新幹線も使わずに
....
その皇子
東へ進軍し
その剣
雲を斬り
丘を割き
沼を埋め
戦に次ぐ戦
謀殺に次ぐ謀殺
返り血の乾く間も無く
川にかかれば妻を売って渡り
海峡にかかれば妻を売って船を買い
船を打 ....
空の高いところからするすると
吊革が降りてきたので
僕はそれにつかまる
今日はとても飛びたい気持ちなのに
これじゃ何だかわからない話だ
ほうっとしてると
たくさん食べられてきた ....
さるすべりすべり落ちるあの
寝姿の
視線に匂う
密約の
触感の
柔肌
(とは使い古された)
僅かな湿り気の
伴う
触れる
瞬間の
うなじの
過敏な
さるすべりすべり落 ....
ちんちん
小雨がぶるぶる
ちんちん
夜がしこしこ
ちんちん
電話がぴゅっ
ちんちん
コタツがぬるっ
ちんちん
涙が
ちんちん...
ちんち ....
*
僕たちは午後から出発した
地面に句読点をつけるよりも速く
きれいな風が僕たちを追い抜いていく
足もとを通り抜ける
小さな音が風を追いかけていく
白いページにやがて日が傾き
それぞ ....
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