忘れないことだけが
私にできること
なぜ
詩を書くのかって
みんな話しているけれど
なぜ
ヨーグルトが好きなのか、とか
なぜ
背伸びをするのだろう、とか
私には
あまり ....
もしもの話だけど
もしぼくがしんだら
骨くらいは拾ってくれるかい
と訊いたら
小指の先っちょくらいなら
拾ってあげてもいいわ
と云うので
ぼくはしぬ前に
小指の骨は粉々にしておこうと思 ....
けいこは綺麗好きだった
朝起きると
まず、顔を洗って髪をとかす
それから着替えて
また、髪をとかす
序でにポーチ何か取り出して
お化粧何かも軽くする
けいこは綺麗好きだった
日経新聞日曜版、詩歌・教養欄の「詩歌のこだま」(結構、毎回楽しみにしています)で小池昌代による須永紀子著「中空前夜」についての書評が掲載されていました。う〜ん、何だか面白そうってことで、今回は丸善の ....
正月に日本酒を飲みながら詩を書いていたら
火曜日に詩を教えているキムからskymailがきた
「幹さんやばいっす、オレ犯罪犯しちゃいそうです」
『ちゃんと詳しく説明してミソ』
「ちんこ ....
紅い花が落ちました
ゆっくりゆっくりと
白紙の様な白雪の上へ
音もなくゆっくりと
踏み潰されて行きました
くしゃりと小さな音を立てながら
黒ずんだ足跡に染まった紅は白紙に埋まり ....
出逢いとは、場面とは一瞬のモノ
一度が終わってしまえば二度とは縁を結ばない儚いモノ
だから一瞬一瞬全てはきっと完璧なのだ
一度過ぎてしまえば二度とはない儚さ
しかし、その儚さ故の完璧さ ....
通勤の途中にね。大きな川があるのだ。
もぅ海にも近くて、潮の満ち干きにあわせて、
川の水位がずいぶん変わるの。今日なんかは、なんての
もうほとんど水がなくて、はるか向こう岸まで歩いていけるの ....
窓から
手を外にのばして
ひとすくい
そっと運んで
お茶のポットにほうり込む
ときどき
遠いところから
なにかが軋む音が聞こえる
ごく短いあいだ
輪郭に力が加わって
内側の一番 ....
あの人の
名前を呼びたくなったなら
音にはせずに
水に書くよ
岩に刻まず
砂に描かず
水に書くよ
すぐに流れて
この世から
思いは水底に
叫びは水面に
波紋は ....
(下記の文章中には話の流れ上、性的な表現が多数含まれます。18歳未満の方はご遠慮頂いた方がいいかもしれません。)
今から15年も前の話である。
私はその頃、大阪の堺市にある大病院の研修医を ....
一人では 歩けない
二人でも 歩けない
ああ、だけど
会いたかったよ、新宿
十代で家を出て
キャバ嬢とかやりたかった
紅茶の湯気ふわふわ
「通貨が統一になるんですって」と
パン ....
たとえば
カーテン越しの陽だまりに
できるだけぽつんと
たよりなく座ってみる
時計の針の
こちこちという音だけが
胸にひびくように
明るみの中で目をとじる
いつの日かお ....
胸と胸
肩と肩
重ねて
重なって
眠る街
ショーケースの隣
動かない
ふたりはオブジェ
なんだか
ちょうどいいですね
そうだね
タクシーの ....
シュレーディンガーの仔猫たちは
母を捜して彷徨っていた、
小雪ふる池のほとり、
量子の石榴をもとめる彼女は、
仔猫たちをみつけるたび貪った、
死ね、
さもなくば生きろ。
耳たぶを練り餌さにして夜釣り
ぼくが包茎だったころ
アフリカはとおく
象の足は八本あった
あのひとのほほは白く
うつむくまつげは長かった
どんな人にも天使のように微笑むので
誰もが自分はあのひとに愛されていると勘違 ....
崩れそう
横須賀線の中で
あの橋を撮りたいと思う
2度目
横浜は私を優しく迎えてくれる
そして絶頂を与えてくれる
東京ではなく横浜
その音とその空気
どうして私が触れられる事が ....
ハッピーエンドから
はじまる ほんとうの物語
それからそれから どうしたの
うれしいときに いやというほど泣いて
かなしいときは ふつうに笑っていたさ
死期が近づくと
彼等は自ら首を吊って死ぬ
夜に 孤独な木を探してその枝に
縄を垂らして果てる
南の大地は熱い
吊られた身体は素早く腐る
自分ひとりで首を吊れない者は笑われる
ましてや ....
お父さんにじゅうりんされて
きもちいいとおもったことが
いちどでもあるこどもたちが
おとなになって かいた詩が
ポエムから追放されて
どこにも国がない
戦車をのりもののようにのりこ ....
{引用=
ねぇ、サザえさん
あなたの住む町の
空はいつも青空で
夜空には必ず星が瞬いて
ご近所さんは誰も親切で
悪人なんて大して悪人じゃなくて
ねぇ、サザえさん
人目を憚るようなわ ....
ひとだまは
リンが燃えるのだと
いう
底冷えのする
ステンレスのテーブルに
あなたは
白いかけらになった
リン酸カルシウムの特徴は
白くて 脆い
その白さは
小さな
....
女に刺されて死にたい
刺した女を愛したい
俺はおまえのものだと
女の耳に囁きたい
刺されながら女に詫びたい
すまなかったと
抱きしめたい
体温の凍てつくまで
女の肌に触れていたい
....
空が
すべってくるのを
まっている
雨 も
雪 も
白い雲 も
お日様 も
一緒にご飯を食べようというから
着ていたコートも脱がずに
慌ててまた、路地へ出た
老夫婦のいとなむ定食屋では
旅の話をした
遠いところに旅に出たいとは思わない
今が旅だから
あなたは ....
最近。
エレベーターで夜遅くに帰ってくると、エレベーターが1階にまで来てることがある。へーこんな夜中でも出かける人いるんだなあ、自分みたいに、とか思ってたけど、ちょっと違うかも。帰宅した人が、エレベ ....
女が大きな欠伸をすると
バスタブの縁から
たくさんの湯が溢れて
波立つ湯船に浮かびながら
おっぱいが揺れる
女の身体の
一部分ではなく
別の生き物のように
たぷん
たぷんと揺れる ....
#71
ジョン、あなたに会いたかったです。
#72
にんげんだもの
わけもなく
ピー
ってさけびたくなる
そんなときって
あるよね
ねぇよ
....
喪失の連続だった。ずっと。これからも。
ハッピーエンドなんて、ないんだよ。世界がしあわせに収束することなんて、ない。
ただ。その過程がしあわせであることはできるだろう。
風のない青い空を ....
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