マジックの話をしよう、と「み」はいう。
床の上に毛布を敷いただけの寝床で、腹ばいのまま、
三枚のなかから、必ずお前が選ぶコインをあててみせよう、と。
そういいながらとても愉快そうに背を波打た ....
開かれた窓が必ずしも
空ではないとゆう君が開く
歌集の背景も部屋ではないとゆう
綱渡りな瞬間が連続している
今日は一番新しい日
みんなに会いに行こうと思ったけど
道はすべて絶たれて ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=19365&from=listbyname.php%3Fencnm%3D%25A4%25CA%25A4%25F2
....
少女にはペニスがついていました
ので、親に内緒で
勃起する思春期だったといいます
少女がはじめて男と交わったのは十八の時
大して変わらぬ歳の子といたしたのですが
どうも相手もはじめてだ ....
九歳の子供が背広を着て介護ホームで
おじいさんしてる
そして
九十一歳の白装束を着た人が
火葬場の火の中で
おっぱいを吸っている
{ルビ晩餐=ばんさん}など絶えて久しい
誰もが膝を抱えてうずくまった夜に僕は
屋根の隙間から星を見あげてた
あかい、涙みたいにうるんだ一粒に
名前をつけようとしたとき
父さんが僕の髪をく ....
子供らがそらを指さして騒いでる
何事かと思いぼくもそらを見る
この角度でそらを眺めるのは
ずいぶんと久しぶりだ
見慣れたビルの屋上付近は
見慣れない広告でひしめいている
そのすき間ほどのま ....
薄情者
「あいしてます。
だから傍にいて」
あなたの白い手はいつも冷たい。
背中を撫ぜるとびゃっといっても、
りんごをさわる。
メロンはもう、ないのだ。
さくらんぼもっとたべた ....
カフス不可
カバラならば可
カラスミすら可
かるい体なだらか射るか?
カマドウマ舞う土間か
カメラ騙しまだ騙し{ルビ斑目=まだらめ}か
悲しいなかに叶いし仲
踵痛いと{ルビ母=か ....
遠いかなたに
かすかに見える光
暗闇のなかを
光源をめざして歩きつづける
つぎの一歩を踏み出したとたん
大きな穴にはまってそれきりかもしれない
とつぜんぷっつりと
光が途絶えてしまう ....
あなたは
あなたは
今何を思うの
車が走る
眼の表面にさけめ
脳の中のさかなめ
あなたは
あなたは
ぼくの言葉を
そのふるえを
感じるの?
疲れた肩に冷たい針
水平 ....
うっかり秋口に
スリップ姿で煙草を吸いに出た少女は
うっかり14歳のおとこのこに
エッチされてしまった
灰皿代わりのペットボトルを
少女は死んでも手放すまいと思った
....
雨の夢を見た
ひどい降り
傘が足りなくて
私たちは戻ろうとしたけど
硝子の扉はこちら側から開かなかった
風のつよく吹く日には
惑星間電話で
火星に電話をかける。
受話器のむこうから伝わる
赤錆色した砂あらし。
その夢の原石のような響きに、
そっと
耳を澄ますために。
寝れない時の小寓話。
DOLLYはねぇ、ずっと其処にいたの。
あたしは、知ってた
でも見ないふりしてただけだ
それなのにDOLLYはあたしが本当は見えてる事もちゃんと知ってる。
どうして ....
腹をくくって夢をみる
最後だと言い聞かせて守るなら
みんながみたらいいのに
埋まるなら簡単なものを選ぶという
「僕にはよくわからないな。
そうだとしたら、サルビアの意味がないじゃないか ....
天涯くんと鳩子がカーサ針山で暮らし始めたので、わらび餅を持って遊びに行った。
玄関から枯れた草が、半分ならオブジェなのに居間までのびていたのでもう帰りたかったが
「お花見に行きたい!」と鳩子が言 ....
ここは人の家なのだ
息の音がするのは当たり前だ
二階の影は濃い
下にはあたしと
8歳のころ掬った
金魚のなれのはてだけ
(彼はどうしてこう長生きなのか)
(そろそろ死 ....
わたしはコンビニエンスストアで傘を買う
ビニール傘だ 貧弱なのは値段のせいだろう
支払いを済ませるまで店主はわたしの顔を見ていた
道路を渡り向かいの建物に入りガラス戸を閉める
と店主もちょうど ....
洗濯を干しているときにパンツが見えないように心を尽くす
掃除をしながらついつい言葉について考えてしまい
「いやらしい」と思う
朝の散歩をするおじいちゃんににこやかに大きな声で挨拶をする
....
こすった赤い眼の中
おちていく太陽が
すぎこしていった
夜へ
さみしいのまえに
たいくつがある
考える脳のくらやみ
がある
明日はデートだ
そんなことを空想す
....
肌を、エア。気づくとイラつく太陽は頂上。知らずのぼくらの、ここそこあそこを均等に、均等に照らすのでした。光、光光、だから見えるってさ。記憶って、街中に溶けて流れて固まってつまり建物とか電柱とかそういう ....
たこ焼き屋のまえで
たこ焼きが出来上がるのをじっと待っているジャリたれは
いつも実存のことばかりに頭を巡らせているので
たこ焼きくるくるするの難しい?
としつこく同じことを尋ねては
店のおば ....
家に帰ると兄が花壇を取り壊していた
“マルを作るんだ”
“マル?”
“庭いっぱいの”
思い立ったがまま行動するのは兄のいつもの癖だ
ほんの1ヶ月前、兄の顔はまさし ....
姻なA!を誘う戯肢の未思議に
彼方の華一輪/gな指切りの祝辞
出血苦時には引火の「 I 」を!と
オットー旋回千度の宣紙の「あら、霊」
曰くす燐は焼ed宣紙の浮歓ショウ!
麻谷底の沿うLet ....
トレーのすみっこにたまった水を
ひょい、とつまんでそれ
愛だ なんて
あたしはいくつ細胞を集めても
1にも満たないのに
キスはいつも
練習だ
別のところであたしたちが
同時 ....
いいよ
ぶた肉だっておいしいし
キャベツだっておいしいさ
私はかなしみの台所で
フライがえしをあやつるアリア
しおのひとふりでとけてしまう味
がまんできない幼子の
かなしみ かなしみ か ....
傘はふらりと咲く
街路樹はそれを見送り
またひとつ あかるくなった
ヨーグルトが発酵する
毛布はその音を包み
またひとつ あかるくなった
玄関のチャイムが鳴る
握手を交わし
....
ああ 雲ひとつない
騒がしい季節が終わって
空も
心を一つに決めたんだね
いつからか、記憶が上書きされにくくなった。
あれは去年の夏か、一昨年の夏か、動機は覚えている。楽しかったことも。出来事も。
初めての行為は、いつも、楽しい。初めての出会いも。初めての場所も ....
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