目玉焼きは

壁に貼りついていた

白い壁に

徐々に

ずり落ちている

僕はひどく眠い

徐々に

残された時間は

もうなくなるのに

僕はひど ....
おれは見たい、
赤錆びた鉄塔の頂きに
鳥のように爪先立って
人影のなくなった都市を見たい
きみとだ


おれは見たい、
太陽のとなりに炸裂するもうひとつの太陽の誕生を
塵からつくられ ....
(百年後ニハ
 生キテイナイ)


二人連れと犬
雨上がりの夜
犬は
道端の壁やら草むらを
ジクザグにはしゃぐ
見えないものを見る
ひんやりした空気を恐れたりしない
世界 ....
サイレンが変なメロディつけて鳴っていて
校舎の窓にほおづえついていると
校庭ペンギンが
横目でこっちを見てる気配
すべりだいの隣のやつ


昨日ノリちゃんが
すべりだいの時にパ ....
エミリー
あなたと最初に出会ったのは羊水の中
あなたは何も言わず
私を蹴って押し出してくれました
あなたはそれっきりそのままで
難産だったと語る母にあなたのことを訊いてみたのです ....
濃い緑色の瓶は
ひんやりと冷たい

ラムネっていうのよ
ヒロコちゃんが
わたしの耳元でささやいた
花壇の柵に二人もたれて
瓶を高く掲げると
緑の濃さが変化した
きれいな瓶
 ....
イメージするということ

たとえば

ゴキブリいっぱいのプールに放り投げられるということ

眠っている間に鼻の穴から寄生虫を入れられるということ


イメージするとい ....
赤いセーターの女
ひっつめの髪
きみどり色の閃光
作業
眼鏡
作業

作業
反復
業務



複写機
吐き出される
モノクロ
ドット
三千枚の
「@」の顔
 ....
  

  制服の短いスカートから伸びた二本の白い柔肌の足

  繭糸を紡いでできた足の線混ざりけのない清潔な線

  きず口を塞ぐかのように押し込んだあなたのそれは何かを語った

  ....
今朝の夢は 覚えてないが
今夜みる夢が幽かに 見えてきた

お昼を食べたベンチに座り
待っている

きっと来るだろうと信じている訳じゃなく
決められた日課のように

傾くサーチライト ....
街路図には
方位が記されていないので
正しい道順はもうわからない


人影のないアーケイドを逆順に進めば
三番街と一番街のあいだに
二番街がない


封鎖された地下通路から
川底 ....
銀と言うのは
電気を通しやすい物質で
金の方が通すのだけど
安価だから
コンデンサの中にも

友達に話したら
殴られた
あざになるまで蹴られた後
髪の毛を捕まれ
指輪には
大切 ....
わたしは、男のおかあさんと暮らしている
男のおかあさんは、働いているので忙しい
男のおかあさんは忙しいので、わたしは留守番をする
わたしは遅くまでひとりで遊んでいるので、いつも眠い

男のお ....
ひっこしました
 
と言うのがすきだ

ひっこし

ひっこした あと

ひっこすよてい 

も捨てがたい

だからさいきんは

ほとんどの時間を箱とすごしている

早く ....
前の日の晩から決まっていたので
目が覚めてすぐ
はなうたを歌った

朝ごはんを食べるときも
はなうたで
納豆ごはんと大根のお味噌汁だ
やってみようとも思わなかったので
今まで知らなかっ ....
あくまで単調なリズムだ。
              バニー、バニー、バニー、
黒いタイツのバニー。
酔っ払いを左右に{ルビ侍=はべ}らせて、
見るは{ルビ開聞岳=さつまふじ}のてっぺんのくす ....
たとえば
男の手を盗み見て
どの指を入れているんだろうかと
思案するとき
大抵中指なのだろうが
どうでもいいが本当は薬指を入れるべきだ
と思う
覗き込むように真剣に
見つめて
「 ....
ロマンチックは
たったひとりの食事のようで
たったひとりのセックスみたいだ
ロマンチックは体では作ることができない
言葉
はロマンチックを形作る
ロマンチックはカタカナなので
哀愁として ....
「そっちにいっちゃだめだよ」
足元をみると片目のとかげがやけに長い尻尾をふっている

あっちには、なにがあるの?
青い光が、ぼんやり暗闇に溶けている。

とかげは、不安そうな目で、こちらを ....
今日は見えないゴミの日だ
見えないゴミの収集車で
見えないおじさんたちが持っていく

見えないゴミのステーションで
隣の岡田さんに会ったけど
見えないので何を捨てているのかわからない
も ....
形。
私はこけしに似ている。
木の机に こけしを置くと
転がり落ちそうだ

箱根で君が
「欲しいの?」と問うた
木の 指輪
欲しくないが。

きっと こけしのまま
おばあさんにな ....
金が無い

働いてないのだから
当然なんだが
何しろ働くと言う事を
やめてしまって
何にもしたくないので
寝てばかりいるので
このゴミだらけの部屋で
自分までも腐ってしまいそうで
 ....
おまえが
愛しくて愛しくて
愛しくて愛しくて
何度も何度も
何度も何度も
抱きしめたこの手を



振る
「ふ」を付けただけで
不幸せになるのなら
最初から幸せなんていらない

「む」を付けただけで
秩序を失ってしまうような世界は
多分まぼろし

「み」を付けただけで
来るのだろうか ....
昨晩瞬いていた満天の星屑が
ねむってた間に降ってきて
昼の七里ヶ浜の海にきらきら光る

昔々
女がりんごの実をもいで
男に蜜をあげました
  
人祖の罪で失われし楽園も
秋晴れに江 ....
醤油ビンの一滴が
涙に見えて

なめてみたら
しょっぱかった

ああ

海苔も
納豆も
生卵も

しょっぱいね




ねえ日曜日
ピクニックに行こうか

卵焼 ....
妻と相談して
家にエレベーターを取りつけることにした
けれど、取りつけた後で
この家には二階も地下室も無いことに気が付いた

ボタンを押すと
チーン
と音がして扉が開く
上にまいりませ ....
なんの特徴もない女が
シャンプーのつめ合わせ持ってやってきて
さっきからうちの風呂場で
シャンプーの中身をつめ替えていて
僕は黙って後ろから性交し
女の中に白い精液をつめ込んだ

 ....
彼女はレースの手袋をしていた
日傘の陰の中に棲む渦巻のように道に迷い
信号を渡ると必ず赤になるのだった
僕たちは警笛と仲良くなって
赤いビートルのボンネットにひと蹴り入れてからひとごみに消える ....
よんどころない事情があって
きりんはタクシーに乗ろうとするけれど
長い首がひっかかり
ああしたり、こうしたりしても
乗ることができない

もうどうしようもないから
きりんが運転手のお ....
チアーヌさんのおすすめリスト(1993)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- Monk自由詩603-12-3
Love_Song- 安部行人自由詩2903-11-29
夜の散歩- 大村 浩 ...自由詩1103-11-26
夕方校庭ペンギン- Monk自由詩27+03-11-25
エミリー・エミリー- いとう自由詩63+03-11-24
ラムネ- アンテ自由詩603-11-24
Imagine._And_imagine.- いとう自由詩3203-11-23
その女は派遣で時給千二百円だった- 岡村明子自由詩703-11-22
シーツの赤月- 容子短歌803-11-20
ホームシック- 湾鶴自由詩203-11-20
空白の森- 安部行人自由詩1103-11-20
ニクロムハーツ- ねなぎ未詩・独白403-11-17
男のおかあさん- サダアイ ...自由詩1303-11-15
LEE_MORGANのペットボトル- サダアイ ...未詩・独白503-11-12
おとといはずっと歌っていた- サダアイ ...未詩・独白603-11-12
バニー- ひろっち自由詩9*03-11-11
ゆび- サダアイ ...自由詩1203-11-11
東京のロマンチックめ!- サダアイ ...自由詩1203-11-9
不安の向こう側- greenlemon自由詩203-11-5
見えない- たもつ自由詩803-11-2
新しい夢- 山内緋呂 ...自由詩403-10-30
固定- ねなぎ未詩・独白303-10-28
しあわせになれ- ミサイル ...自由詩503-10-27
抱きしめる- たもつ自由詩803-10-27
きせきのひ- 服部 剛自由詩10*03-10-26
しょっぱいね- ミサイル ...自由詩203-10-23
世界エレベーター- たもつ自由詩3903-10-14
シャンプー- Monk自由詩903-10-12
『渦の女』- 川村 透自由詩8*03-10-10
きりんタクシー- たもつ自由詩1203-10-3

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