螺旋のゆらぎ
霜天

螺旋の風
吹きつける明かり
扉が開いて、あなたが降りていく
螺旋階段の先に繋がる平静を
高い音を響かせて




どん
ノックするドア
いつまでも起き上がらないのは
まだ眠っていたいからではなくて
あと五分
ねえ、神様
そんなところにいるのなら
せめて名前を

螺旋が今日も響いた
カーテンを開くと、あなたが着地するところで
ぐるぐると
さあ、円柱を登ろうか
扉を開けて
とりあえず食パンをかじる
あと何度、円にゆらごうか
コンパスはもう使えない




何分の一、ほどの確率で
抜け出せるらしい
あなたの降りた階段を
静かに登っていく
真っ直ぐに空まで伸びたところで
螺旋がゆらいで、ほどけた
ゆっくりと着地して
そこも今日だった


かじりついたパンが、うまく飲みこめない
螺旋の、風
回るあなた
今日も私の側面で
世界は、ゆらぐ


自由詩 螺旋のゆらぎ Copyright 霜天 2004-12-29 01:34:58
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