あおば



朝、目覚めたが
からだがかたい
かたまった
うごけなくなる
心臓まで止まるので
ふだん着のままで
こそこそと道路を渡ったら
車に轢かれた

よそ行きに着替えて
タクシーを止めて
堂々と横断歩道を通る
いつもの駅から電車に乗り
辞めた会社に急ぐ

すわったままで
ぐっすり居眠りすると
かたまりが解けて
座席を濡らし
正体が割れる
眠ったふりして
心は解けないようにする

電車は
轟々と天井川を潜る
見上げると
天気がよいので
川底に鮒も群れて
ぱくぱくしながら
釣り上げられるのを
待っていた







自由詩Copyright あおば 2005-01-04 16:29:25
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