バード
umineko

 バード
 ボクを放て
 ボクを解き放て

 誰かが泣いている
 その涙のせいで
 ボクの足がすくむとしたら
 その涙は無駄になる

 バード
 遠い約束を
 明日の電話を信じるな

 幸せは
 誰かを踏みにじることだ
 倒れたガゼルの脇腹に
 ひとりで顔をうずめることだ

 バード
 貴方を生贄に
 無限にしなる両腕の
 力強さに

 我々は
 鳥ではないのだ
 だから飛べない

 だがこうも言えるだろう

― ひろげた脚は翼のようだ ―
  
  


自由詩 バード Copyright umineko 2004-04-17 15:13:06
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