初雪
小川 葉
つたわらないのは
ことばなの
あるいはぼくの
そんざいなの
あなたは
残り香になって
いつもここからいなくなる
この初雪みたいに
かたちもなくとけてゆく
てのひらのなかで
無口なのは
気持ちがつたわったからなの
まだ気持ちが
たりないからなの
どっちかなんてわからない
からだには熱しかないものだから
とかしつづけて
ぼくはくるしんで
みたりした
自由詩
初雪
Copyright
小川 葉
2008-11-21 00:08:48