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蒼い海峡の水面に、座礁した街がゆれる。
煌々と月に照らされて。
わたしが走るように過ぎた感傷的な浜辺が、
次々と隠されてゆき、
閉ざされた記憶の壁が、満潮の波に溶けて、
どよめいては、消えて ....
強い潮風吹きっさらし
遠くに涙飛ばしながら
海坊主を呼んでいる
海坊主よ
海坊主よ
聞こえているか

私が浜辺で泣いていたとき
海からお前は現れた
そうして私の隣に座って
すっかり ....
街をみていた
貴方の街を

白々と染まる朝の底から
浮上する軒先の陰影
心配するなと云ってくれた
おまえの街だと

しずかな春の空を斜めに切った直線
落ちてきた羽ばたきの伸ばす
細 ....
テラコッタの
お茶碗を
落っことし
粉みじん
途方に暮れる
ローマ人

都は
大騒ぎ

全ての路は
塞がれて
一日どころか
千日経っても
猫の子一匹
這い出せない

 ....
三月になると風が吹く
春の女神はすたすたとやってきて
荒野に隠れているものを見つけては
小さなろうそく握らせ火を付けて
外へと誘っているのが見える

たしかに
春はすべての成長を ....
もっとさらけだしてもいいんじゃないか。おれはそう思う。鶏肉を食べながら。聖夜。鈴の音。しあわせな感じ。おまえが絵を描くのに深い意味を持たないのと同様におれが詩みたいなものを書くのにさして意味なんて ....      




    モノローグと別れをしたらそこには何があっただろう
       息がしにくい 君は何処?何処にいるの?
        自閉する夜を生きるには私はまだ子供で
 ....
 妹よ
 お前にはいつも迷惑をかけてきたな
 幼い頃はいじめてばかり
 思春期にはぐれたお前を無視し
 大人になっても返すあてのないお金を借りたり
 兄らしいことは何一つしてなかったのに
 ....
夕焼けを背負い
黄昏に影を映して
今日を振り返らず
明日を思う事も無く

時に早足で
時に立ち止まり
ふと見上げると
涙が滲むのを知る

何を失ったか
何を拾ったか
時が背中を ....
机上に
紙を一枚立てたいのなら
紙を折ったり、丸めたりするといい
薄い紙ならなおのこと
いくども折ったり、丸めたりする

内側に書かれた文字が
外から見えなくなっても
強さを優先するな ....
にがい涙を飲んで
つらい言葉を口にした
そんな日は、

?おやすみなさい?

両の睫毛を閉ざし
なにもかも忘れて

やわらかい場所に
からだをあずけて
{ルビ梯子 ....
 ピセラン ポエリア 鳥の歌


あたしが夢の扉を叩けば
ピセランポエリアが 眠りのはじっこを
嘴でついばんで そのままぐんぐん飛んでいく



 ピセラン ポエリア 鳥の歌

 ....
薄い光に包まれた
午後のひととき{ルビ徒=いたずら}に
静かに時が流れゆく
聞こえるものは冬の風

低い雲間に光差す
午後のひととき晴れやかに
静かに鳥が流れゆく
聞こえるものは冬の風 ....
星が降る冴え冴えとした北の空
誰も凍えたこの手を
温めてくれはしない
冷たい大地は鏡の{ルビ面=おもて}
私を映す姿も哀れ
せめて星よ鳴いておくれ
Tinkle Tinkle 連れ出してお ....
今日もまた
あなたのいない夜が来て
私の裸体に
常夜灯が点々と灯ります

あなたの吹きかける息だけが
ランプの中で揺れている
赤い炎を消すことが
できるのです

一つ一つ
あなた ....
その石は               (いまも)
波動になりひとをこえて      (化石の音が)
木々の梢をこえて          (あなたの)
遠くの、水蒸気をゆらす       (耳の奥 ....
歩道橋の汚れた階段下にある 
自転車置き場に入ると 
頭がぶつかりそうな段々が着地する隅に 
大きい石が一つ置かれていた 

幾度も自転車を置いた階段下で 
今まで見たことのない石が 
 ....
仕事帰りの夜道 
北風{ルビ凍=し}みる首筋をマフラーで{ルビ庇=かば}いながら 
それらが遠くに光っているのを見ると 
何故か吸い寄せられ 
いつのまに 
ペットボトルの並ぶ
窓の前に立 ....
我が家にはじいやがいる
じいやの名前は長谷川という


『長谷川のこと』


長谷川は今年で82になる
大正の殆ど終わりに産まれて
人生の殆どは昭和に飲み込まれ
青春の殆どを戦争に ....
 ある朝息子が泣きながらやって来た
 文鳥と一緒に寝ていて
 起きてみたら死んでいたと
 彼の手には確かに冷たくなった文鳥
 泣きじゃくる息子を横目に私は思う


“死んだのでは ....
休耕田に群生する
セイタカアワダチソウをかきわけるように
一両の気動車が港の方へと走っていく

スズメガの幼虫にかじられた痕のある
サトイモの大きな葉が
その風に揺れている

排水 ....
沈黙が懐かしい    セミの声
 ぼくはここにあるもので満足しようとしている

熱帯のような通り雨の中
     出かけようと支度するきみの、
              理由を知りたい
 ....
私にはあなたを焼き尽くすような強さはない
筆圧が愛の重さを表すというのなら
私の愛は軽薄にして
紙面に刻み付けるほどの価値もないのかもしれない
あなたの書く文字が美しくて
それがあなたの愛の ....
窓辺から流れるやさしいアヴェ・マリア
おねえさまの奏でる白い指先
つい見とれてしまうほどとても綺麗で
おねえさまと呼べる喜び
今深く心に感じています

親愛なるおねえさま
あなたはもうす ....
献血に行ったら
貴方の血は夕焼けなので
輸血用には使えません

断られたことがある

16歳の頃の話だ


『血液奇談』


今は何の因果か
私は血液職員として献血車に乗り ....
ねえ、あなた、
あたしの世界は紙でできているのです。
うすっぺらな、もろい、紙、
吹けば飛ぶ、濡れれば融ける、紙、
古くなったらほろり崩れる、紙、
紙、

もちろんあなたも紙でできている ....
百万本の薔薇
咲きほこっている
そう言ったところで
それが造花であることをあなたは知らない

一匹の狼が 肉をはんでいる
そう言ったところでしかし
その肉が何の肉か
あなたは知らない  ....
あるところに男と女がいて
であって 好きあって
子供ができて 家庭を持った

あるところにできた二人の家庭は
明るい家庭で
子供は二人
跳ねて 飛んで

子供の頃によ ....

どんなに長く電子メールを送信しても
恋人は七文字程度しか
返信してくれないのである
業を煮やしてメールを送信するのを止めると
次の日から
矢文が届くようになった
頬を掠めてすこん
 ....
ほつれた糸はよるをゆく

いつか
余裕をうしなえば
たやすく降られてしまうから
どの肩も
つかれつかれて
しなだれてしまう


うらも
おもても
やわらかいのに
ひとつの ....
石瀬琳々さんの自由詩おすすめリスト(3659)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
遠雷—解体されながら- 前田ふむ ...自由詩24*06-12-23
私が浜辺で泣いていたとき- 肉食のす ...自由詩7*06-12-23
ふるえる梢- 佐野権太自由詩21*06-12-23
齧歯類の朝- あおば自由詩4*06-12-23
微笑みの春- あおば自由詩7*06-12-23
埴輪とクリスマス- たたたろ ...自由詩3*06-12-23
両切り煙草に火をつける_空はもう夕景- 朽木 裕自由詩4*06-12-23
妹よ- 山崎 風 ...自由詩1006-12-23
金木犀- 松本 卓 ...自由詩706-12-22
創書日和「紙」_紙- 北野つづ ...自由詩5*06-12-22
おやすみなさい- 秋月 笑自由詩506-12-22
ピセラン_ポエリア_鳥の歌- もも う ...自由詩25*06-12-22
聞こえるものは冬の風- ぽえむ君自由詩7*06-12-22
Tinkle_Tinkle- 未有花自由詩6*06-12-22
常夜灯- 三条麗菜自由詩16*06-12-21
風がにじむ- 青色銀河 ...自由詩406-12-21
石ノ声_- 服部 剛自由詩7*06-12-21
冬の友達_- 服部 剛自由詩8*06-12-21
長谷川のこと- 蒸発王自由詩10*06-12-21
文鳥は誰が殺したのか?- 優飛自由詩3*06-12-21
帰宅- たもつ自由詩17*06-12-21
八月、夏の言葉- まれ自由詩4*06-12-21
最後の雫- アマル・ ...自由詩12*06-12-20
おねえさまへ- 未有花自由詩11*06-12-20
血液奇談- 蒸発王自由詩14*06-12-19
創書日和。紙_【初雪】- 佐々宝砂自由詩7*06-12-19
そう言ったところで- 若原光彦自由詩806-12-19
あるところに- 水在らあ ...自由詩74+*06-12-19
恋人とのわかれ- 吉田ぐん ...自由詩2706-12-19
むらさき刺繍- 千波 一 ...自由詩19*06-12-19

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