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荒野で おとこが
口笛 吹いている
うしなうものさえ
ないもない と
知ってしまった 旋律を
向かい風を頬に受け 冬の終わりの匂いにむせながら
静かな午後を歩いていく 
ポケットに手を入れて 青ざめた思い出を抱いて
たまにきょろきょろしたりして

靴を打ちつける仕草も様になってきて
 ....
(真っ白な雪が見たかった)

真っ白な雪をかきわけて
地面の温もりを感じたかった

こんなにも寒いのに
雪の一つも降らないなんて

(真っ白な雪が見たかった)

すべ ....
白髪を掻いて
新聞を読んでいる
あなたは
岩だ

猫を
下手くそに撫でる
次郎丸は
僕が名づけた

うちで生まれた猫たち 三匹
母親にとって
あんなに大切だった ....
うららかな 鳩のような日
もう季節は移り変るという開放感で僕は
浮き上がる
僕は (手ぶらで)
散歩に出てみる
空は (裸足で)
僕の上にのしかかる

道をゆく
この道をゆく 受胎可 ....
かさぶたを剥がす勇気を持てないまま 大人になって
涙目の思い出も忘れて
心の水気が渇いてしまう前に もっと遊ぼう
繰り返し繰り返し 遠くへ飛ぼう

ゆらゆら ゆらゆら たよりなく揺れて やが ....
白くつめたい指が摘んだ菫の花束
破綻をつづけるイノセンス
誰にもわからない時を刻む時計
虹色に震えながら遊離してゆく旋律
救いの無いシナリオ
かすかに聴こえる古いオルゴール
のようなノスタ ....
雨が降るよ
こんな深い夜に
追い討ちをかける様に
雨が降るよ

雨音は単調な二音の伴奏
群がる音符は
飛び散る水しぶきと
破裂する

真っ暗闇の薄明かり
電灯は雨 ....
あの暖かい日
お前が何をして過ごしたのかわかる
なぜその足あとが
ところどころ途切れていたのかも
今ならよくわかる
廊下から部屋へ曲がるあたり
眺めて拭く気になれなかった

魚がコ ....
病院玄関前に
雨上がりの路上に
いちばん風が吹いていた

折れたアンテナが 屋上で
ひとりでに揺れていた
午前5時37分、街灯が消えた

ヒューズが飛ぶように
鳥が飛び立つ
宥めす ....
り                              束
飾     アクテシオン                   花
羽                              の ....
私は今でも忘れない
学校の帰り道
家に着くまでに
いろいろな影を踏んでいく
影踏み遊び
大きな木の影家の影
人の頭を踏んだこともあるけれど
鳥の影を踏めたときは
空を飛んでいるようだっ ....
雲のように
雄々しく自由気ままに
空という人生行路を流れ行く

時には羊のように{ルビ溌剌=はつらつ}と
晴天の空を駆け巡り
時にはどんより{ルビ鈍色=にびいろ}に
大地を覆いつくす影と ....
僕の心は
ブラブラと揺れ
(ブランコ)
 
いつも僕は
君を見上げて
(シーソー)
 
いつでも君が
僕の中心で
(鉄棒)
 
不思議なんだ
君のもとへ行くまでは
すごく長 ....
息停めて
ほーっと階段一気にかけあがってみてん


一息ついて
階段の踊り場でふっと息をのむ


あっちゅう間に十段も飛ばしてしもうた

もったいないことしたかなぁ
そっと視線を ....
星の洪水で空が溢れそうな夜
私はまだ穢れのない身体と共に
あなたの衣服を織りながら
あなたに添うことを思います

機小屋の周りには村人が火をたいて
私が逃れられぬよう夜通し見張り ....
激しい襖をぶち破り
紅子はまろびでた

紅子の真っ白な足

紅子姐さん今日はもうお帰りなの

ああ帰るよばかばかしいったらありゃしない

紅子姐さん
またおぐしに真っ赤な牡丹つけて ....
隣の席のゆういち君と
昨日から廃屋係をすることになったことに
泣いていたら「弱虫」だと怒られた
だって私は女の子なのだ

毎日友だちとお喋りしながら帰った
スクールバスにもさよならしなけれ ....
ショートケーキひとつ
落ちていく
月夜の道に
落下する
やわらかな音
聞こえない

苺がひとつ転がった
外れてとれて痛んでる
暴風通ってまた転がり

赤い
実の
白い
いち ....
だしぬけに ほしが
ふたりを つらぬく
ことばなど ふみにじり
ぶちこわし あいたい
きぬぎぬの ときまで
しずかに ね 猫

私は いま しんでるんだから

かたおもいのこい とか
あしたのしけん とは

わけがちがうのよ 猫

しずかに猫



はなれて ね 猫

私は す ....
 つないだ手のぬくもり
 暖かな日差しに照らされ
 おもわずステップしてしまいそうな
 そんな


 ある春の日


 公園にはいり
 芝生の上に仰向けで寝る
 鳥達のさえずりが ....
草花が咲いて
古いバラの木がアーチに寄りかかり
向かい合った椅子には
誰も座っていないのに
まるで
それで満足しているかのように
風に吹かれている
根無し草は
好奇心で出来ていた
先端にとらえためづらしいものに
気ままにくっついては離れ
色んなものと親しくなった

根のある草は
彼をさびしい草だと言った
大地に根をはってこそ
 ....
卵から孵った夢の中
僕はアリスとお茶会へ
双子とダンスを踊ったら
女王様とクローケーをしよう

にやにや笑いの猫ちゃんと
バタつきパンの蝶を追いかけ
うさぎの穴に飛び込めば
グリフォン ....
          夕方、私達を驚かせたのは黒雲のような
         ムク鳥の群れだった。電線の下を歩く際には
       落ちてくる雷に気をつけなくちゃならない。
     鳥達を驚か ....
何処でもない場所は
何処にもない場所ではなくて
そこには一輪の花が咲いています

それはとても美しく咲いていて
なかなか近づくこともできなくて

あるとき鳥が一羽やってきて言いました ....
まるで
 
この世の
全てのものが
寝静まったかのような
 
そんな静寂に
包まれたとある一角
 
 
溝の中で自慢の目を
光らせる野良猫さえも
その混沌とした
闇に溶け込み ....
鳥篭を落とす
田圃、鳥のいない
鳥篭だらけの田圃


渇いた積み藁に火を放ち
積み藁に火を放ち、
冬が勃起する


ふくよかな夕焼け覆う、
冬がゆっくりと
深く揺れ
 ....
駐輪場で鳩がむねを撃たれて
仰向けに休んでいる
白い翼をとじ
両足を揃えてたたみ
なにを見ているのか
つめたい檻の外へ
まばたきを急ぎながら

その心臓は重すぎる
あかをはき出し ....
石瀬琳々さんの自由詩おすすめリスト(3661)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
そろもん(ウエスタンの話)- みつべえ自由詩807-3-13
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雪のない冬- ベンジャ ...自由詩7*07-3-12
白髪を掻いて- 水在らあ ...自由詩37*07-3-12
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ブランコ遊び- 八布自由詩407-3-11
処方箋- 塔野夏子自由詩12*07-3-11
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/病院玄関- プテラノ ...自由詩7*07-3-10
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影踏み遊び- ぽえむ君自由詩13*07-3-9
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boom- 自由詩8*07-3-8
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がらくた屋敷の中で- 夕凪ここ ...自由詩9*07-3-7
cake- 水町綜助自由詩14*07-3-7
そろもん(激情の話)- みつべえ自由詩807-3-6
しずねこ- 明日葉自由詩5*07-3-6
ある春の日- 山崎 風 ...自由詩707-3-6
Garden- チアーヌ自由詩807-3-5
根無しの実- ポッケ自由詩5+*07-3-5
リドル- 未有花自由詩11*07-3-5
ムクドリ- プテラノ ...自由詩10*07-3-4
「何処でもない場所」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩5*07-3-4
- 紅柳みつ ...自由詩307-3-3
鳥葬- はらだま ...自由詩12*07-3-3
そめられる鳩- soft_machine自由詩15*07-3-3

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