すべてのおすすめ
電車の好きな少年だった


窓のそとを
いつも景色を走らせていた
乗客はいなかった


やがて彼は
景色のなかを走った
走りつづけた


いくつかの景色をつなぐと
電車にな ....
女が白い喉首をそらして
紅茶を空ける
カップは長くいつまでも口唇とふれている
瞼は閉じられて
なかなか開かれそうにない

テーブル、
無防備な左手の指の間をくぐり抜けて遊ぶ風 ....
繕っても繕ってもほつれてゆく
こたつぶとんのはじっこの糸のような
きみのことばに耳を傾けている
そとはつめたい雨
ポストに届いたばかりのハガキには
あと三十分で春がきます と
楽観的な文字 ....
 雨水の日の夜、眠りに落ちようとしていたら、部屋の床から正体のない桃色が霞のように立ち上ってきました。それがそのまま微細な粒子になって天井へ上り、逆さに降り積もってゆくのです。
 花のような匂いがし ....
風が吹いてるのではなく
人が吹いているのだ
居眠りしながら
遠いところまで吹いていくのだ

街に春が訪れたなら
それは誰かの夢のはじまりなのだ
気配を感じながら
やがて知らない街へ夢 ....
あの時見た花火のように

一瞬で上って
一瞬で散った

でもその一瞬が
まだ僕の心に焼きついている

微かに残る花の香りと燃えカスを
胸の奥の押し込んで空を見た

終わったという ....
 

三月の素晴らしきやさしさが
僕をどこかへ追いやってしまいそう。
何もないように触れた
虚しい熱が掌に帯びる。

名前のない関係で
繋がり続けてはいけないんだ。
温い毒にまどろん ....
物語は
いつからはじまったのだろう
あれは遥かふたばの記憶

いろおにの
むらさきが見つからなくて
忍びよる気配に耐え切れず
かさぶたに触れた、指先

―――ふるえていたのだ
―― ....
 旧ソ連共産党員の娘である彼女が
 映画で見た紅衛兵の隊列や
 そこで振られている赤旗の
 美しさについて語るとき
 地上では風が強かった
 冬型の気圧配置が緩んで
 南から温かい湿った風 ....
あおい蝶だった、たったひとつの
あおいあおい蝶が飛んでいた…暗い、まばたきを忘れた夜に



さむけに痺れる歯茎の中で、とまどう悔恨のこびと、だらしな ....
 僕は1限目の春光に満ちた階段教室で
 コクヨキャンパスノートを開いている
 イトーヨーカドーの文具コーナーで
 河合先輩が恋しているレジ係の女の子から買ったノートだ
 「お釣りを貰うときに手 ....
世界の終わりのパッチワーク
つぎはぎだらけの言葉たち
伝わる振動は
どっかの硝子のまえで消えて
 
点滅した灰まみれの星と
海の底までようやく落ちて
どろどろの瞳でうたいだす
くちびる ....
 早春 せせらぎが白昼の形式に挿入されている
 のさ
 
 皮膚に嗅覚をはたらかせると
 柑橘系の香料のにおいのするあなたよ
 身体を重ねて両手を握りあえば
 言葉の裏側を逆さまに歩いてい ....
人が生まれる
前のことを
死んだ
とは言わない

人が生まれて
生きたから
死んだ
と言うのだ

今日も定刻通り
汽車が来る
君とキスばかりしていたら
窓からはいるそよ風が
いちごの甘い匂いになって
君の舌も綿菓子みたいに
しゅるしゅると溶けていって
つないだ左手が
初めて温度を知った気がした
やわいき ....
ざんばり ざんばりと いぬがないている

雪の準備をする
まんなかには空洞があるので
けもののようにすると よくひびく
肺のふをたいこにするのは
ああ 森の?
こぶしが地面についているや ....
私の前を
一台のトラクターが通っていく
エンジンは悲鳴を上げ
しかしその音と反比例するかのごとき
スピードで

私の前を
一台のトラクターが通っていく
タバコを燻らし
もう片方の手は ....
湧き上がる温かい気持ちをその気持ちをそのその
また吹き上がるものを大切に包んでは静かにあなたの
手をほどきはらはら、頭上から落葉が降ったのです



ガラスでできた手指が滑らかにすべり
 ....
 君は震えて傾いでいます
 それが誕生という時間の持つスタイルだから

 僕も君と同様に傾いでいるけれども
 それはもうどうでもいいこと

 昨日見た父の遺骨の埋葬されている墓地の
 白 ....
{画像=080301014739.jpg}
愛に飢えているわけではありません。
恋に憧れているわけではありません。
ただ一途に想いたいのです。
自分のすべてを忘れてあなたに
わたしのすべてを ....
記号となった
分岐点のひとつひとつが
日付変更線を
越えていく

書き忘れた欄に
いつか名前は記されるから
鳥に名前はなくても
南の島は待っている

春は匂いなのに
雪はこの胸に ....
じょうずに結えない髪の、かきわけたその奥に、
海が広がっている
黒い底は伸びて、光を吸いこんでいる
あなたがその闇へと、手をのばしては
救おうとする影を
あてずっぽうに踏んで、遊ぶ


 ....
せんせいが
黒板に大きな字で
「心に太陽を持て」と書いた

ぼくは
ポケットに子すずめを
持っていた
ときどきチチッと鳴くので
ポケットに手を入れたままで
柔らかい羽を撫でてやる
 ....
セーターを
頭からかぶって
泳いでいた

はるか彼方の星の
海の底から浮上する
あなたの異星人の声は
不可思議に遠い

その孤独は
宇宙の果てにある
月、外側にある言葉 照らされて空にある
蒼夜の路地裏で僕は 影を必要としている
月光は誰を求めるか

  太陽、秘めた声
  心灼きながら
  生まれ続ける
  聞いて、聞いて、
   ....
母さんと
船に乗ったことがある
遠ざかる港を見てるうちに
母さんはいなくなって
そこにいたはずなのに
かもめが一羽止まってる
少し辺りを見まわして
ふたたび見ると
遠ざかっていく
か ....
懐かしいあの場所へ
もう帰れないかもしれない
たくさんの夢を見た
懐かしいあの場所へ
もう戻れないかもしれない

夢はいつも
遠い空の向こうで私を手招きする

あの日あなたに出会わな ....
ノックをしてみる
と、きちんとノックが返ってくるので
僕は待ってる

春になって数回目の風が吹く
見上げる空の青さも
鳥の羽ばたきも
風にさらされている皮膚も
本当は多分
言葉でしか ....
  柳鰈

柳鰈を食う
薄くて小さいお魚だ
皿の上にさらした腹の側を
箸でつつく
背骨をはがして
今度は裏側
と思ったら
ぼつぼつと骨が折れた
お前は
こんな骨で海を
泳いでお ....
月を吐け
月を吐け

王水呑みすぎ二日酔ひ
糜爛しきったのどちんこ


月を吐け
月を吐け

色白娘のおしりのやうな
まるくて大ッきな月を吐け!



 空から子猫が降っ ....
石瀬琳々さんの自由詩おすすめリスト(3659)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
電車- yo-yo自由詩26*08-3-7
午後- ヨルノテ ...自由詩408-3-7
はるのいと- 佐々宝砂自由詩708-3-7
雨水の日の夜のこと- 右肩良久自由詩208-3-6
春風- 小川 葉自由詩408-3-6
記憶の花- vallette自由詩208-3-6
次の点で回る世界- 雨を乞う自由詩1*08-3-5
うねる、時のゆくえ- 佐野権太自由詩10*08-3-4
雲を掲げ持てば風花が散る- 右肩良久自由詩2*08-3-4
あおい蝶がまた産声を上げる夜中(そして執拗に水は流れ続ける)- ホロウ・ ...自由詩3*08-3-3
『源氏物語』の概論の一部を学んだ日- 右肩良久自由詩1*08-3-3
こたい- ゆるこ自由詩108-3-3
せせらぎ- 右肩良久自由詩1*08-3-2
汽車- 小川 葉自由詩708-3-2
早春- アヅサ自由詩8*08-3-2
したく- 縞田みや ...自由詩3*08-3-2
じいちゃん- ここ自由詩7*08-3-2
草蔭- 渡邉建志自由詩208-3-1
僕の大切なものよ- 右肩良久自由詩1+08-3-1
人を好きになること- beebee自由詩9*08-3-1
卒業- 小川 葉自由詩308-3-1
巡礼の、風景- 望月 ゆ ...自由詩13*08-2-29
卒業- yo-yo自由詩5*08-2-29
宇宙セーター- 小川 葉自由詩408-2-29
月空の夜光虫- たりぽん ...自由詩708-2-29
かもめ- 小川 葉自由詩308-2-29
懐かしいあの場所へ- 未有花自由詩11*08-2-28
ノック- たもつ自由詩2408-2-27
柳鰈- ノボル自由詩208-2-27
月を吐け- 三州生桑自由詩4*08-2-26

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122