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アルドレイドは星を見る
オルドランを探して、もう幾日たった

南のほうから音がして
彼女には
それが予兆だと分かる

オルドランは橋を架けて
ひとり、地平を目指す
ただの涙に急き立て ....
いつの間にかキミが心から消えそうになっていたので
輪郭を鉛筆でなぞって練りゴムで影をつけました
光が差し込んでいる風景が描きたくて
キミがあの時ずっと居た処に灯りはなかったけれどね

 ....
夜がほの蒼いのは
雪が舞っているから

すこし窓を開けて
吐息が白く夜気に放たれ
雪と交わるのをながめる

手を延ばせば舞いおりて
けれどその冷たさは
触れるまもなく掌に溶け ....
誰かが結び目をほどくように
この世からすべての母はいなくなってしまった

それからというもの
わたしたちはわたしたちのてのひらに
なにかしら母と呼べる物を乗せ
黄昏の明かりにそれらをかざし ....
一月ついたち

凛として
鈴の音が
聞こえてきそうな
夜でした

まっすぐのびるこの道も
ざわとも動かぬ杉の木立も
風の止んだ雪の原も
すべてに
群青いろの絵の具を
とかして撒 ....
人生には終わりがあります
僕は君の言葉で生きます

恥ずかしい軌道をえがきながら
この時空の果てに墜落するまで

ままならぬ日々を踏みしめながら
常闇に全てが変わるまで

思い出を力 ....
雨が降ればいいと思う
雨が降ればいいと思う

泣きそうなわたしの上に
でも泣けないわたしの上に

雨が降ればいいと思う
雨が降ればいいと思う

涙の枯れたあなたの上に
あのひと ....
冬の寒気が細く伸びて
岬の先のほうへ
鋭く尖っていった
遠くで生まれた赤土の丘が
最後に海へこぼれ落ちていく場所で
わたしの そしてあのひとの
フレアスカートのはためく裾から
なめらかに ....
山の中の湖は
冬の空を見上げていた
晴れた空は気持ちいい

葉の落ちた周囲の桜は
寂しいけれど
光がその分入ってくるので
むしろその方が都合がよい

うんと背伸びをする
湖面が揺れ ....
かいちゃんはくつしたが大嫌い
はかせても はかせても
脱いでしまう

そんなにくつした嫌かなあ
確かに裸足は気持ちいいけど
今は冬
君のあんよが真っ赤なのを
ママは見るにしのびないんだ ....
{引用=




都会の蜃気楼の
果てを彷徨い
灼熱に目を痛め
渇きに潤いを失い
足を取る流砂から逃れて
あなたがたどりつくのは

砂漠のオアシスの中に揺れる
白いひかりの ....
雪も降らないまま年が明けて
アパートの隣人は帰省したまま
窓の下のちょっとした幹線を
行き過ぎる車もまだ少ない
そんな夕暮れ時、あなたからの電話

あなたはもう恋なんてしない人
ずっとそ ....
今宵は三日月か満月か そんな事は感傷家に聞いてくれ
貴女を思い焦がれるこの心をどう始末してくれる

ただ俺は貴女に逢い その身包みを剥がし 身体を重ね 
貴女の生の声を聞きたいだけなのだ  ....

友人に
擬態する癖のある女がいる

よく家の中で
かくれんぼうをする
二人で
わたしが鬼で

十数えて振り返ると
家の中はしいんとして
空気がうす青い
百年前からこうし ....
よくにたるめら

たぶん むかし 

いっついの けものだった

ほら おぼえている

とぐちのうえの どうのそれ

あるひ てのなか

ぽきりとおれた

ふれてみたかった ....
空を切る指を
あたしは掴まずちょっと舐めて
堕ちてゆくのを只見てた
丁度太陽が沈んでゆくみたいに


爪にのせた艶やかなピンクベージュ
貴方に捧げるレクイエムになればいいな
足首に飾っ ....
◇暮れ

年が暮れる
暗い時代の予兆は
そのままに

初日は
それらを
もろに背負つて
出てくるだらう


◇木にぶつかれば

蝸牛は彼なりの歩みを
何昼夜もつづけて
 ....
人生には三つの弦があるという
理想と現実と失望と
それらをかき鳴らした音色が
夢と呼ばれるものであると
ある人は言う

理想を天とし
現実を地とし
失望を人とするならば
この世界に諦 ....
青い月が遠くから見ている
私たちを
真昼間の
ふとした瞬間
あらゆる雲がなくなって
夏にはニッコウキスゲが咲く
あの稜線があらわになって
その雪肌を見下ろすように青い月が
遠くの空の上 ....
いつまでも 
ひとりでいるのはさみしくて 
旅先で 
出逢ったきみに会うために 
遠い雪国へ
ぼくはゆく 

金はなく 
新幹線にも乗れず 
長いトンネルを抜けた
夜行列車で目覚め ....
照る岩に
砕かれてゆく波のうつくしさ
それはもはや
言葉には乗ってゆかない
冷たい、
というわけではなくて


いつからか
鋭いものが岬だとおもっていた
まるくても
まるくな ....
{引用=僕がチャーくんに出会った頃は
魚が飛んでいました
鳥が泳いでいました
月が溺れていました
太陽は寝ていました
僕の世界は笑うことを知りました


初詣に行く前に
チャーくん ....
むかしむかし

   {引用=(少し長く眠りたいんだ)}

めでたしめでたしにはなりません



『姫君と王子』



その日の姫君は
黒いシックな
ショートドレスに
本 ....
 
黄昏の席から
いつも見ていたプール
その底に沈んだ石を
誰にも内緒で拾いたくて
夜中に学校に行った
天気予報は雨
錆の味がする梯子を
黒豹になって昇る
銅鑼の満月灯り
忍び足
 ....
 人は傷つきやすく寂しい流れ雲
 目的地への旅は続く
 あなたの涙あたたかく
 コンクリートは冷たい感触
 胸にも刺さる
 いったい俺達の熱い雪をも溶かす想い
 どこで報われるのか
 生 ....
静かに
指をあてた


静かとは
ゆらぎ


静かとは



静かに
そう言う
あなたが

薄暗くて
もう
見えない
モンシロチョウが飛んできて貴方の心を奪ったの
気が遠くなるような炎天下あの夏の日
貴方の心はよろめいたアタシは思わず叫んでた
行かないで行かないでアタシを残して行かないで

アタシはおもむろ ....
ナディは目を開き
暗闇に耳を澄ます

”野薔薇の蔓通り”は寝静まり
酔っ払いの革命歌も聞こえない


ナディは耳を澄ます
通りの東の旧街道へ


”{ルビドナとジョーの=DJ}街 ....
木漏れ日を見たくて
木の下から
ブルースカイを見上げたら
葉についていた水が
夏風と混ざり合い
雨が生まれて
僕にだけ降り注ぐ


緑をばらまく夏風
受けた僕は
色づいて大人にな ....
最近どうもこころの具合が悪いので
独協医科大学越谷病院で診てもらったら
末期症状の悪性腫瘍だと診断された
インターン上がりの小生意気なやつから
あなたのこころはあと数日の寿命でしょう
なんて ....
石瀬琳々さんの自由詩おすすめリスト(3660)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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soul&snow- 佐野みお自由詩307-1-2
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