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夏の影の一番濃い部分が
凝り固まったくらまとんぼを
幼子が追う
たやすくつまめる
その黒い羽


ねえあなた
一度手にして
満足したなら
はやいとこ
はなしておやりなさいな
で ....
       余 熱


       そこは
       しろい花が咲いていて
       緑も若やいで うつくしい
       空気は
       いつまでも清澄であり
  ....
アナタハ ダレデスカ

身寄りも帰る場所もなく来る日も河川敷を掘じくる佐久間少年ですか
地球の汚染大気に蝕まれ余命いくばくもないメイツ星人ですか
ふたりきり
河川敷の工場跡で
下水道に住む ....
あした、
涙がかわいたら
海を迎えに行きましょう

果てのみえない
かなしみの

ひと粒として
あらわれましょう



雨が降っても良いのです
風が吹いても良いのです
 ....
耳を立てて
とおくの雷鳴を聞いている
虹の匂いを嗅いでいる
夏はどこからか
ぼく等の原始人が現われる

川は流れつづけているので
終日ぼく等は瀬にさからって泳いだ
唇まで冷えきったら岸 ....
真夜中に子供は眼を覚ます、
覚醒する、息を止める
父親も母親も
今日はもう眠りについていた
いつもはもっと遅くまで
呼吸を荒らげているというのに

しん、と耳の中でなにかが残るような気が ....
愛が欲しいの寂しいの

ウグイスは鳴いたの


春が来たんだねと人は耳を澄ましたの



愛が欲しいの寂しいの

ウグイスは毎年鳴いたの


綺麗な ....
あなたはまるで
矢を放つ前の弓のように

身体をしならせ
水平線を見つめている

遥か遠くの波間では
違う色の青を背負った海鳥が
白くひるがえりながらたわむれている

大きく息を吸 ....
両手に
すくい上げた水の
清らかさもすずしさも
やがて乾きをたどります

両手を離れ
あるいは、両手という
はじまりを伝って
しずかに水は
果てるのです


 救い、という ....
左目の水晶体に封じ込められた
淡い翡翠色の少年人魚は
ぴくりぴくりと蠢動しつつ
お前を挑発しつづけるだらう

覚えておいで
人魚は七回脱皮することを
そのたびに
空は蒼く痙攣するだらう ....
エレキテルな星が
空につくる星座は
直線ばかりで
見分けがつかない
発見者は
誇らしげに名前を作る

月の上には
ひるがえる旗と
消えかかった足跡
そのまわりを
ぐるぐるとまわる ....

空の上にはきっと
もうひとつの空があって
雲の死骸や
産まれたばかりの星が
触られるのを待っている
夜闇の裏にはきっと
もうひとつの闇があって
焼きついた月光や
あいまいな朝が
 ....
白いりぼんが流されてゆく

美しく結ばれたままで

かわした約束が緩むとき

こわくてひっぱれなかったりぼんの先が

ゆらゆら水に揺られて流されてゆく

きれいなままで消えてゆく白 ....
つめたい手には
ひとのこころのぬくみが宿ると
いつかだれかに聞いたから
わたしはこの手の
ぬくさを
恥じる



 あこがれや
 ねがいはなぜに
 こころをつめたく
  ....
庭に咲く朝顔を摘み
瓶に入れる
反射する青い光
色水を作り
窓際に並べて置いておく
部屋中が夏色に染まり
いつのまにか
私にさえも夏が宿る
どうしょうもなく渇いてしまえば
身軽になるものだというように
からから笑いながら波打ち際の
空き缶の口元を叩く
浜辺の砂

  ※

昨日までわたくしは海の中におりました
かつては地 ....
かわらぬひがよどむ

みずのそこへ

ふかく

しずむ

なくこえも

わらうこえも

もとめるこえさえも

とどかないほどふかくしずむ

ただおわらないいのちのしるし ....
アスファルト
誘う
アスファルト
瞬く
水銀灯に照らされて


   ちかりちかり
      ちかりちかり


星座を忘れた
空の為
空を仰げぬ
者の為
何度も
何度 ....
風が吹いて
(そう、風が吹いて)
服が膨らんで
(白いシャツ、背中から)
頬を行き過ぎて
(少し緊張していて)
涙を誘う、何度も
(遊びにでも誘うように)

私は彼女が好きだ
(思 ....
http://www.geocities.jp/mfta29/akubi.html



夏の朝の暗い空に



ヤマナラシが揺れていて





それの陰を燃えるような
 ....
目が覚めればキッチン
冷たい床に背を着けて
仰向けの天井を見ていた
天井でゆれる光、あれは
水面
キッチンを満たす液体
懐かしく吸い込んで
天井に(水面に
浮かぶ(ゆれる
花びら ....
きょう手紙が届いた
とおい山のホテルの便せんと封筒
差出人はぼく
自分から発ち自分へ帰ってゆく旅人の
孤独な手紙だ

恵那山トンネルという
中央自動車道の長いトンネルを抜けた
恵那山の ....
君は眠るのだろう
鳥の泣きながら帰ってゆく夕暮れに。
山に抱かれて人に抱かれて
遠く、重く、長く、射す陽に染められて。
閉じられた目はしかし覚めていて
幼かった日々の空の高さ、貴さ
 ....
今は何でも許される時代だから、ここは誰でも受け入れる場所だから、だから、生きることは困難だと感じてしまうんだね、言葉について、僕は語りたい、言葉と、言葉が象る事のできるあらゆる事象について、とりわけ、 .... {画像=080717222808.jpg}
ぼくは所在なく佇む
夜が好きだ
そんなとき
梅雨の終わりの
雨が降っているのもいい

屋根を打つ雨の音
軒を伝う流れの音
樋を落ちる水の音 ....
遠く、鳥が鳴いている
意識は一歩一歩夜に近づいていく
遠く、母が鳴いている
風に揺られて木の葉が騒いでいる
耳の奥の会話が言葉を奪っていく
私がベッドの上で窓の外を見ていると
母の顔をした ....
 不器用であることは
 罪ではありません



林檎の皮をどれだけ長くむけるだろうかと
無邪気にはしゃいでいた頃に

途切れてしまった命はいくつ
あの赤い肌をすべっていったこ ....
待たされすぎた過ちが
無風のなかをざわめいている


 低く、
 そらへと
 這いだす者を
 あやぶむ声はいつも、高い



わかれたはずの
軌道の彼方、
もっとも遠 ....
カサブランカ
生まれてきたのだから咲きなさい
生み出されてきたのだから

生み出されずに
生まれてきた生命はいない
自分で自分を産むことで生まれる生命なんてない

カサブランカ
生ま ....
 
 
夕暮れ色のカーテン
 
宇宙を纏った私から
紺色が滲むのを
面白がってしまうのは
いけない
ことでは、ない
 
 
茹だるような季節には
いつも
特有の風が吹いて
 ....
石瀬琳々さんの自由詩おすすめリスト(3661)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の影- 亜樹自由詩3*08-8-1
余熱- るか自由詩24*08-8-1
ムルチ(怪獣詩集:帰ってきたウルトラマン)- 角田寿星自由詩1508-7-31
海を越える日- 千波 一 ...自由詩11*08-7-31
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夜のこども- 笹子ゆら自由詩11*08-7-31
ほう_ほけきょ- 北斗七星自由詩2*08-7-31
「風が生まれるとき」- ベンジャ ...自由詩6*08-7-30
清流_Ⅱ- 千波 一 ...自由詩2*08-7-30
左目のためのセレナーデ- 三州生桑自由詩608-7-29
クドリャフカ- 亜樹自由詩108-7-29
照らされる- 葉leaf自由詩908-7-28
白いりぼん- mayaco自由詩408-7-27
つめたい手- 千波 一 ...自由詩10*08-7-26
夏色- 暗闇れも ...自由詩208-7-25
「砂の記憶」- ベンジャ ...自由詩11*08-7-25
睡蓮- Etuj ...自由詩408-7-25
帰路- 北村 守 ...自由詩3*08-7-25
初恋- 木屋 亞 ...自由詩1*08-7-24
♪あくび- A-29自由詩3*08-7-24
ゆれる- RT自由詩5*08-7-23
山の手紙- yo-yo自由詩4*08-7-23
潮時- 鎖骨自由詩308-7-23
シンクロニシティ- rabbitfighte ...自由詩9*08-7-23
七月の雨の光- beebee自由詩1608-7-23
喪失の森- 結城 森 ...自由詩208-7-22
「林檎」- ベンジャ ...自由詩7*08-7-21
静脈- 千波 一 ...自由詩6*08-7-21
なかったことになにもならない- 小池房枝自由詩2008-7-21
ソーダ- 山中 烏 ...自由詩5*08-7-20

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