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オパール・グリーンの夜明け
褪めた窓
虚空を漂う巨大なビルボード
モノトーンの呟き
夢の露頭
遠い風
コロイド状の街燈の光
見えない傷と瑕
古びたソファー
非在の時空に架けるピンクの ....
鐘の音がひときは澄んで響いてゐる
高原の牧場
風は爽涼として
日は明るく照つてゐる
ここに一頭
健康優良の乳牛がゐる
乳が溜まつて乳房が張るものだから
たまらずク ....
タブノキとマテバシイの葉っぱはよく似てる
折るとパリパリちぎれるほうがタブノキ
ぐんにゃり往生際が悪いのがマテバシイ
ヤマモモとホルトノキの葉っぱもよく似てる
トンボの羽みたいに葉脈が細か ....
夜が深くなった頃
静かな優しすぎる時間
窓の外では月が おやすみを呟いて
それでも声は透明で音すら存在しない
昨日見た夢の断片も もう忘れてしまった
読みかけの本を開いて
いつか千切れ ....
くちなしの花が咲き終えようとする頃に
空はセロファンのように震え
雨粒をくわえた鳥がひと足先に海へと向かう
砂浜に音も無く降る雨が
そこから遠い鉄塔の下で匂っていた
しだいに背の高くなる ....
ぼくはまた青い砂漠にすわって
アルデバランを見ていた。
遠い星は焦点からうまく逃れる
。
ぼくはあきらめて少し横を見る、すると
たちまち機嫌を直したアルデバランが
現れる。
子どもの ....
深い眠りに堕ちる前
世界はまだ明るく
人々の顔は希望に満ちていた。
草木を通り抜ける風が
するどく影を追い越した
白い花を咲かせた陽だまりで。
心が震えるばかりの
ちっぽけな安ら ....
各駅列車がゴウンとかガタンとか
あんまりうるさい音で行くので
旅の記録も記憶も
まるで陽炎のように歪んでしまいそうです
最近では冷房がしっかり効いていて
天井の扇風機はすっかり黙って ....
獰猛な夜が
虹の谷を蔽う、
ラベンヌの香りを
「あっ
という間に消し、
タムナスをこえて
....
「純粋」と「不純」の間で
へたれた格好をしている私は
どちらにも届かせようとする
執着の手足を離せない
一途に腕を伸ばし開いた手のひらの先に
「透明なこころ」
( 私は指一 ....
人目をはばかりながら夜は
汗ばんだ首筋に歯をたてる
梳いた黒髪をかきあげて
受け入れてしまった恥辱
かつて少女の頃に見た
甘美な夢とはほど遠い
なんの形も示さないのに ....
地下につくられた大きく広い駅
地上に出るまでの小さく細い通路
急ぎ足ではないと
後ろとぶつかってしまう
機械から出される熱い風を
暑いと錯覚する
めまぐるしくファッションと経済が
身 ....
畑の真ん中から
どっしりと重い夏をもいで
両手で抱えた
なんだか地球を抱えている
そんな気がした
畑の真ん中から
重い夏を汗を流しながら運んで
丸い大きな宇宙の中にそっと入れた
....
うふふふふ。
いいもんだ。
もう引き返さなくて良いのは。
良かったじゃないか。
僕なんかの思い通りに
ならなくって。
すべてうっちゃらかして、ぶらぶら。
ご近所の真っ昼間 ....
くつろいで
恐竜の目覚めるのを待ちます
朝はまだ明けきらず
草の葉は湿っていて
庭に出て あくびを食べます
太陽と面を付き合わせれば
犬の鎖がじゃらじゃら
散歩をねだり
草っぱらの ....
昼はいやだな
いつも夜のことばかり考えてたいのさ
暗がりの肌に色を溶かしあえば
はしゃいだ記憶は 消えていくのさ
僕がとびだすのは だからそれが理由さ
いつかはどうせ なくなる ....
ひっそりとした山の中に
一筋の銀色の水が
きらきらと輝きを放ちながら
そばに開く大きな葉に
花を咲かせるように
静かに脈をうつ
時折り光が流れの中で止まり
うたかたとともに消えてゆく ....
鱗無き大蛇(をろち)は
盲(めしひ)の蒼馬(あを)に絡み付きたり
月いづくにかあらむ
月すでに落ちぬ
花は蕾のままに立ち枯る
はや花は咲かざり
蒼馬は臥して息絶え
大蛇は泥中 ....
滔々と光の溢れる朝に
絶望を絡げて目覚めても
枯れた肉をしがんで生きてきた
霖々と世界を流す雨に
激情を預けてしまっても
慈愛を秘めて抜けてきた
後に気高い花となる
野生の血 ....
遥か
ことばを超えて
想いが
唇を ふるわせる、
//好きだったひと
夢は
とうに死んで、
幾度も
眠れない夜に
寝返りを打った
記憶 ....
夏祭りの音の屋根
迫り出した空のかけらは
まだ遠い、午後の私へと溶けていった
古い夢の神社の石段を
ひとつ飛ばしで駆け上がれば
頼りない心音のままで
私はきっと、そこにいる
夏の夕暮 ....
突然なんだ
それがおそってくるのは
深夜に一人でいると訪れる
孤独虫
たまらず街頭灯る街角に
救いの天使を求めて歩く
暗がりのなかでは
すれ違う人の人生が薄 ....
君の 言葉に 触れるその 一瞬が。
僕には 永遠のように 永く長く感じられて
大地を潤す 清い水のように
僕の中に落ちて 真っ直ぐな光となる
僕の中にある
まだ壊れていない部分を 君 ....
ロマンティシズムの盾
センチメンタリズムの剣
キューピットの矢を弾き飛ばす
乙女の強固な防衛心
ねえ、臆病な娘さん
あなたの夢見る想像力の翼が
その純粋な心を覆い隠しているから
生々 ....
街 山 海
陽炎の街
輝く緑の山
エメラルドグリーンの海
真夏の真っ只中に置き去り
後ろのポケットから夢が零れ落ちる
開けた空に飛行機雲
空に国境がで ....
炎天下の路上に
{ルビ蝉=せみ}はひっくり返っていた
近づいて身をかがめると
巨人のぼくにおどろいて
目覚めた蝉は飛んでった
僕の頭上の、遥かな空へ
瀕死の蝉も、飛んだん ....
神学を齧ったからと言って信仰心が深まるわけでもなく
かくて私は見事に無神論者となり如何なる神も信じない
愛を信じないがゆゑに
人生も信じない
私は恋を信じず
美人も信じない
馥 ....
押し寄せる人波を
私は独り、逆流する。
東京駅の地下に蒸す夏。
目の前の{ルビ陽炎=かげろう}を掻き分けて。
日常の流れに{ルビ弾=はじ}かれて、立ち止まる。
重い{ルビ荷物=ト ....
月ではまだ
冬の初めで季節が
止まっているようだった
浅い眠りの合間に
この頃よく、夢を見る
凍えたままの月面で
あなたをこの腕で抱き ....
繰返してはいけないと思っていても
繰返してしまう
それはちょうど悪戯っ子が
すぐにばれてしまう悪戯を繰返すのに
似ているのかも知れない
かまって欲しいわけでもないし
誰かに判って欲しいわけ ....
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