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ある朝わたしは鴎になり
中央区永代橋の橋桁から白い小さな翼をひろげとびたつ

(そのときわたしははじめて空の名前を知ることになる)


江東区東陽町一丁目三番地
古めかしいビルの窓から
 ....
おずおず手繰ろうとした楕円のような温みは、そのやわらかな縁取りをいたずらにみだしてしまう指先で、わずかにほころび、くずれ、わすれもののケチャップのようにてのひらのうえで台無しになってしまう ....  水と風が揺れていて
 どうしても出かけた
 話さないか 
 話さない
 憩いの 
 日差しより離れて
あなむにしす αναμνήσεις


 すべて無くしてしまった
 その記憶だけが積もって
 ふたりはひとつになって
 ひとつはみんなになって
 そんな頃のあなむにしす

 ....
野にまう色彩と日差しがあいまっている
ここにある翻りを手探りした元に
揺れるようなブロンズの一部があるといい
花が咲いていた
透明な花だった
不安げに 宙を見つめて
静かに淡く咲いていた


その花を殺すために
私は今も生き続けている
毎日を 拾い集めて
私は今も生き続けている


音 ....
死が個々の匂いを失って、
腐乱という可視光線の屈折が、ただ
広々としたコンクリートの壁にその染み
ともならず、うつり行く走馬灯の懐かしみにも馴染めず
哀れにも雨曝しの自己の内部へ突っ込む。
 ....
陽のあたる場所がすこしずつずれてきた

おとのないふゆ

そらの色はぜんめつし、

、、、

青なんていわないでいいのだ 透明のかさなりであろうと、

もうそれ以外のな ....
どれくらい線で描いたろう
集まった点のような刻み
今ならわかるから続けられる

灯す前の薪木のように
カーボンは燈る
新しい世界の朝にもその朝焼けにも

どれくらい線で描いたろ ....
親知らずが生えてきているらしい。レントゲン写真には横向きに生えた奥歯が白く輝いていて、このまま処置をせずに伸びれば隣の歯に突き当たってしまうのが容易に想像できる。今のうちに抜いておいたほうがいいだろう .... ひと粒の種の眠りに欹てて
空と地は結ばれる
養い子らの息
殻の中で膨れる水脈 
夢のからだが眠りを突き破るまで

太陽が孵す夏の日は澄んだ炎
抱きしめた夜は火傷を負って
欠片ひとつ 片 ....
遠い落日から潮騒はやってくる
零れおちた輝きは
海硝子にはなれない貝殻たち
のこるものは夜光貝の
幻というかそけき冷たさ
空の螺旋のうちに響いている
遠のくということは淋しい
それは砂を ....
封筒を開くと雨が降っていた
ポプラを濡らし翻るみどりの雨
ふるえる雛鳥を包み込む手つき
そうして一気に命を絞り出す
言葉は自らを断つ

川沿いの公園
濡れるがまま置き去りにされて
終わ ....
あれはいつだったか
陽炎にゆれながら倒れゆく馬をみた
北の牧場をさまよったときか
競馬場のターフであったかもしれない
或いは夢か、過労死の報を聞いた
快晴の街角であったかもしれない

或 ....
{引用=*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に書 .... 飲んでもよい水なのだろうか
川辺の花は
瑞々しい

夢が夜霧に濡らされて
私に指が生える頃

花を摘むのが
私のしごと
花を摘むのが
私のしごと


舟が渓間をぬって
流れ ....
街1

好きでもないまち、でもきらいとまでいかないまちに
好きなきみがいるのはたしかなことだった
きみは本が好きで
きみに好かれている本をわたしはちかいうちに読もうと思っている
風とか、ご ....
くらい 翼をひろげて
古い調べから とほく紡がれ
凍てついた 水を恋ふ
しづかな もの

ひとの姿を 失つた日
ひとの心を おそれた日
雪を待つ 地へと降り立ち
ひそや ....
暮れて行く秋
まつすぐな道
銀杏の葉のそよぎ

感じてごらん
たつた今うしなはれた
いくつもの命の分だけ
透けて行く風を

たつた今うまれた
いくつもの命の分だけ
 ....
海に近づくと一瞬の真空がある。
漣は失望のように浜辺につもり、
明日を生きる人は海を捨てた。

漂白した回想が水泡となったころ
海は思い出したい人を抱いて、
漣はやはり、つもるばかり。
 ....
  静かさ


静かさ、といふ音があると思ひます。

秋の夜長、しをれかけた百合を見ながら
静かさに耳を傾けます。



{引用=(二〇一八年十一月八日)}



 ....
すべて消えてなくなればいい

想いも 愛も
淋しさも悲しみも
ここにいたという軌跡さえ
波にさらわれてしまえばいい

a dream
誰にも知られずに
消えて行く私の言葉たち

 ....
なにか

白い ものが

のこされて ゐる


うまれたものが

去つた そのあと に

そしてこつちを

みつめてゐる


長い午後に

時が

裏返 ....
夜を
飛んでいく大きな鳥を
始祖鳥、
と呼んだのは君だったか

そしてそれを呼び慣らしたのは
僕だったか

手を振ったのは僕だったか
振り払おうと強くあげたのは
君だったか

 ....
終着駅のホームの外れ
赤錆びた列車止めの向こうに
騒ぐ荒ぶる海が聞こえる
そして 呼んでいる

(ここには何もない)

行く人は海
来る人は海
大人は波頭で
子供は飛沫

終 ....
昔、昔、昔、私は一人の馬だった
昔、昔、私は一頭の人間で
遙か未来は七色の稲光
先ほどまでは一瞬の虹
今はゆっくり紅茶を飲みながら
あなたの形をしたばかりの
静寂で曖昧な一筋の煙り
山の ....
癒して 月
トカゲのしっぽ
電車に轢かれて
切れちゃった

血も涙も
出ない切り口から
コルクが伸びて
油断したあいつのハート
からめとる
好意と憎悪を織り交ぜながら
交わす唾液 ....
君と僕
孤独に震えるクローゼット
明けはなして見ている朝日の階段のむこうは

夜で
夜って言ったら目を閉じるゲーム
サイコロ転がして3マスすすんだ先で転ぶゲーム
うつぶせで動かない君を
 ....
薄くにじむ曇天に
陽は破れ
私たちは歩く
口の尖った犬を抱えて

濃い実の残る柿の梢に
風をぶら下げて
風の飛び去る松の林に
大きな瞳を棲まわせて

薄くにじむ曇天に
陽は動かな ....
 午前のアトリエに光は射し、人はいない。
 淡いキャンバスに薄くデッサンが描かれている。
 海だ。
 透明で純粋な世界がそこにあった。

 時間と空間の概念をその筆に携えて、
 その海 ....
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