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一度
僕は
思い切り殴られてみよう
ガード下のあたりの
金属の匂いのする町
鼻は折れ
メガネは吹き飛ぶ
歯はぐらぐらで
足は痙攣したまま
もう
立ち上がることもできなくて
波のよ ....
いま、ここでできること
わたしのなかの
もう忘れた 日々のなかの
灰の底で まだ暖かなものを
はだかの ゆびで つまみ
てのひらのなかで
そっと 吹きかけていくこと

ああ 雨が窓を打 ....
その目


そのひそやかな
かなしみ よろこび
土のように
草のように
這うゆめ
翼は
灰色の空へ

海へ

(失うもの)

忘れる力
忘れぬ力

(沈 ....
もし大地震が
完璧に予告できたとして
その街を走り去る
列車の運転手の心情を
私はわかるだろうか

逃げる
人々を乗せた列車が
予告された日
街を通りかかったとき
平常の時速で走り ....
中心へ向って途絶えない無数の
緑の中に駈け寄って

眼の後ろで呼ばれた光は
しだいに
向かい合わせた最後の場所で
塵に変わりゆく扉に刻まれても
痛みのオウトツを識らない

薄まら ....
蝶々蝶々蝶々蝶々
あの街へまっすぐに続くこの道から
次々と黒揚羽が湧き立ってくる

蝶々蝶々蝶々蝶々
抜けるような今日の空から
次々と大水青が舞い降りてくる

午後二時
陽が自らの重 ....
 真っ赤な庭のハナミズキからうす赤い葉脈と生まれたての緑を含み笑いみたいに抱いた葉がニョキニョキと出始めている
 隣家の藤の花は強く匂って
 数匹の黒くてまん丸な熊蜂が空中に静止したまま動いてゆく ....
雨の家
雨が打ってゆく
ぼくは
紫の花を見ている

時間もまた
雨に流されるのだと
はじめて知った

雨の中
ひとつぶの
ガラスの破片

点滅して
今も光を寄越す
 
 
梢枝が呼んだ
寂しいひとを

眠り
眠り
時を待つ眠り

六月が来たのなら
季節は君に似合うだろう

力無く笑う
それとなく願う
百の夜が奏したルフラン
小さい
 ....
   私は
   死につつあった
   胸のあたりがすうすういった

   テーブルの上に残されたファイルや
   鳴りっぱなしの電話

   葉子の顔は
   私を覆ったままだ

 ....
夏、わたしのさみしさへ
はぐれた雲がひとつその影をおとしてゆきました。
青い空はわたしのものではなく
雲はしずかにながれてゆきます。
そのあわいかげにいつか はなの
しろいひとひらがあらわれ ....
深い追憶のように
眠りがあなたの肩にやさしく降りてくる
わたしはちいさな歌をつくって
あなたのそばでうたいつづける

──約束だよ
  かならずもどって来てね

(あの日 静かな  ....
おまえの右の手のひらには小さなほくろがある
小指の根元のふくらみのちょうど麓のあたりにある
おまえの手には悲しみが五つ
行き場のない方向へ伸びていて
細い消え入りそうな悲しみで
おまえは僕の ....
ごらん
あれはとても雨ににている
夾竹桃
その下に小さな蜘蛛がいて
そこにもやはり雨はしとしとと
濡れて
いるのだろうか

いい
匂いがする
眩しすぎた歌をうたえずに
鳥は地面に落ちました
 
時に捕まえられた腕の中に
忘れられた机と色彩で
画家の言葉が揺れました
 ....
秋は
透き通った声に満たされた夜を僕らのもとに運ぶ
ほら、聞こえるだろう?
稲穂の群れに
目を閉じてじっと聞き耳を立ててごらん
星の向こうから僕らの時間を歪めているアンドロメダ
小さな ....
白い雲がばらけて見えるのは錯覚ではない
夏は終わりを告げず
静かにわたしの前から去っていた

挨拶はしないことにしている
涼やかな朝の前にそらが幾らか高い

いつも薄れていく記憶の中 ....
噛み付かれながらもまっすぐに
吸わいとられる
ごむ。
メるヴぇいゆ。
夜のくうきに両手を挙げては火のような けつえきに、覆われていく あばらのやまの 影から見つめる  わたしは
あなたに
 ....
夜に
夜光虫の海で泳いだことがあります

そのとき
月が出ていたのかどうか

  指先を
  差し入れた瞬間にセントエルモの火

  揺さぶってみた
  舫い綱に冷たい篝り火

 ....
 昼間、光の底に沈んでいた高原の花が光を放ち始めている。引き潮の海が磯濱の窪みに取り残されるように、失われていく光が花をわずかに濡らしているのだ。白い花は白く、紫は紫に、黄は黄に。葉や茎は暗い空気と分 .... アタシ
女の子でよかった

こんな悲しい日でも
アタシのスカートはヒラヒラ詠う

こんな悲しい日でも

太陽が眩しいのと同じくらい
君に目が眩んで
他には何も見えてなかったの
 ....
星より遠いところで
唇が光った
君がまばたくと
古い世界は滅び新しい今がひらく

午前のテニスコートに飛び交う
黄色いボールは
それが僕のパッションなのでした
火炎
   のどから
      くラいひぇン
          太陽の
             のどの奥から
               ィ矢が出る
                ....
はるはだと {ルビ赤色=せきしょく}は
愛したような西風を
ほむらのようにはんでいた 
 遠くには玄関が

歩きだされた叫びのように
かたむき倒れた墓石のように
日は駆け落ちて 落ちた慕 ....
そっと絡めた指が
恐ろしく美しかったのを
僕はまだ 瞳の奥に覚えている

隠し切れなかった愛おしさを
君の 綺麗な指からも感じていた

掴んで 離さなかったのは
その手がどこか
知ら ....
 サクラサクラ僕は行きます
 風の逆巻く世界の果てを走る走る

 花弁散り敷き足首ざくり踏み込むと
 散り散り舞い上がる幻視幻聴幻臭幻覚
 しっとりうっとりなよやかにはらはら
 しかし激烈 ....
dolce lusingand
やっとのぼった太陽のように
朝日のように眩しく優しい笑顔の君を
力一杯抱きしめて思い切り泣いた

暖かさに溶かされるように
やがて腕の力が抜けていき
全部 ....
 恋をすることは惨めだ
 倉庫の巨大な薄闇の片隅で
 段ボールの埃をはたいて
 組み立て式ペーパーボックスの
 在庫を数えながら
 君の黒髪を両手に受けて
 溢れるほど両手に受けて、顔を
 ....
 パラダイスが弱っているよ
 ああ、早くしないと
 早くキスしないとみんなダメになってしまう

 夕焼け雲の形をした船は沈み
 トカゲたちの種の命脈は絶えちゃうんだ
 僕はぐったりと射精し ....
茨の道のその果てに 何が待っているのでしょう
柔かい 芽生えたばかりのその棘に
胸を刺されて 死ねるのならば
愛しい人の胸に抱かれて死ねるほどに

私はとても幸せなのです

茨の道のその ....
石瀬琳々さんの自由詩おすすめリスト(3660)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
願い- ノボル自由詩2*05-7-10
こころみ_2- るか自由詩1705-7-9
飛び立つ鴎- 浅見 豊自由詩6*05-7-2
私の欲する心よ来たれ- 黒田康之自由詩105-6-24
楡と扉- 藤丘 香 ...自由詩30*05-5-16
夏__午後2時- 黒田康之自由詩405-5-13
空にとまる蜂のように- 黒田康之自由詩205-4-30
記憶- ノボル自由詩105-4-23
スカーフ- ルイーノ自由詩205-4-22
死ぬ男- ノボル自由詩4*05-4-20
わたしのさみしさは- 浅見 豊自由詩10*05-4-5
あなたに- 浅見 豊自由詩3*05-4-3
ほくろ- 黒田康之自由詩305-3-30
夾竹桃- 浅見 豊自由詩7*05-3-25
人になった魚- 浅見 豊自由詩2*05-3-24
風と星の歌- 浅見 豊自由詩3*05-3-19
そらが高い- たにがわ ...自由詩405-1-1
la_vie- 高橋正英自由詩9*04-9-20
夜光虫夜想曲- 小池房枝自由詩8*04-9-4
高原詩編- 右肩良久自由詩3*04-9-1
スカート。- 大西 チ ...自由詩7*04-7-26
初恋- 右肩良久自由詩7*04-7-17
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エンプティ- 田島オス ...自由詩104-6-30
さくら- 右肩良久自由詩304-3-17
真昼のノクターン- 長谷伸太自由詩3*04-3-14
Kusikezuru(梳る)- 右肩良久自由詩504-2-24
急いでキスして- 右肩良久自由詩804-2-17
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