夫があまり鋭く見つめるから
わたしはしだいに削れてゆく
夫と婚姻関係を結んでからのわたしは
もう余程うすっぺらくなったらしい
強く手を握られると
きしゃり と指ごと潰れるから
か ....
語り部は講堂内の明かりを全て、消した。 
百人の聴衆は、暗闇の一点に揺れる机上 
の灯を、観つめていた。(どんなに深い闇 
にさえ、この蝋燭の灯は負けないのです。) 
ぽっかり二つ空いていた席 ....
{引用=Before}
 私

もし私が海ガメだったら今頃は
月の裏側で首をもたげて、
―― 海へ帰る時刻だ
ぶざまなヒレは砂を漕いで、砂を漕いで
すると波頭が白くぼんやり輝きながら
 ....
  水から
  あふれた水


  長い
  道をつたって
  きみは
  こぼれてきた


  みずから
  あふれたみず


  朝は
  みじかくていい
 ....
とにかく
兎に角
せっかく真っ新なのに
相変わらず後ろ向きだけど
お粗末な背面跳びで
何かを飛び越えていこう

とにかく
兎に角
せっかく明けたのに
相変わらず手探りだけど
 ....
{引用=ひとりでは淋しすぎていられない
震えて眠る私はうさぎ}

抱いて欲しいって言えたらいいのに
もわもわの毛皮をまとっていても
寒くて寒くて震えてる


{引用=耳を立て周りの音を ....
未来に向けて
希望を持つ。
実際に実現
可能かどうかは
関係ない。

誰もがまだ
未来の事は知らない。
そして
実現可能かどうかは
信じるか 信じないか
に よって 決まってくる ....
死、の音木霊する春来る窓辺、おおお
枯れた枝にまといつくいつぞやの暴落
嫌な臭いの涎を拭った爪の先が太陽を求めて喘いでいる、曇天
鼠色の羽持つ鳥達が陰鬱な旋律を調律している、暗い ....
いつものカフェ。ハイテーブルとハイチェア。
磨き込まれた木枠に少しくすんだオレンジ色
の座面。向かいの椅子には誰もいない。コー
ヒーカップはひとつ。柔らかな香りを立てて。
 《BGMはカウント ....
地中深くに根差した
大きな球根のような欲望と
その真上の中空に漂う
ふわふわふわふわした
空中クラゲのような希望
地上に生えた剥き出しの古木の幹に
粘菌のようにへばり付いた渇望が
すべて ....
写真とは
干乾びた
製造工場の正門の
錆びたポストに居つく手紙の重さで
天を劈く煙突の
かたちを得たけむりが笑っているようなもの
めくれば
白い鍵穴もかすむ季節に
「どこにもいけない」 ....
もしもこの海が真っ二つに割れて
そこに一本の長い道ができたら
僕たちはTOYOTAのランドクルーザーにのって出かけよう
それは奇跡のひとつに数えられるだろう
僕たちの走った海の底は
ひとつの ....
二十数年ぶりに見た
人の骨は

白く
しっかりとしていた

ついさっきまで
人として
形をなしていたものが

手術台の半分くらいの
てらてらした 
金属板の上にある

寿命 ....
条約に区切られた海域が
虚無の方角を 指し示す
卑小な 国力を 指し示す
防波堤の冷たい石組みだけが
血塗られた記憶を表面に現した


飛行機の墜落した 場所に
いくつもの 石碑が ....
たかしが犬に眉書いた

りかちゃんどきっとしていたよ

たかしの実家は肉屋!

ジャングルジムから落ちた日は

吐き気でなにも言えなかった

たかしは牛乳飲んだ口でしゃべる

 ....
左手の薬指が赤く腫れたのは
とても気がかりだった。


ひろい花畑でパズル
800ピースと空の絵柄
ドアは部屋に続く穴であり
隠れ家であり逃げ道であり
泣き場だった気もしま ....
い 色恋は風の道
ろ ロケットは落とすもの
は 恥知らず有頂天
に 妊婦忍耐 産んでも忍耐
ほ 星の数よりヘボ詩人
へ へカテ元アフロディテ
と トイレはシステムの始まり
ち 痴漢の ....
届かなかったと
落ちた空 みつめて
眠りこむ 雪を
春が 起こして連れて行く

ここにも そこにも
次の夜が朝から待っている

影で隠している
風の遊び道具

石に座っていた凍り ....
○冬日在居

メダカ動き、妻しきり歓び
めずらしや、めずらしや
と言う
正月、真冬なり、寒し、されど
外は、陽の光うるわしく
時は正午を過ぐ
しきり妻と共
何処へか出向かぬかなど談ず ....
草食系だと
もてはやされたり
馬鹿にされたり

その度に
膨らんで青空を目指したり
萎んで地面に貼りついたり

そんな僕は
サヨナラも言わずに
強制終了された恋を
いつまでも ....
よいやみの森の奥
ざわめきから発する声に
はだしで駆け出す
届かない
祈り
後悔を知ることのなかった
指が
刻んでしまった
ある言葉の意味
腕の傷は生々しく迫り
行方を知るはずのな ....
泣きやんだ空のゆううつ
雲のまにまに
トタン葺きの屋根屋根からとびたった
まっしろい小鳥たちのまっくろい足、足、

鎮守の丘をみあげては
向こうがわを夢見る
臥せりがちの少年の
履きつ ....
早朝の庭は銀世界
橙色の朝日が差し
指先にじわりと染み込みます

冷えたみかんも焼きたての餅も
いつも通りに格別です
炬燵から出るのは大変です

ここで迎えた新しい年を
分かち合いた ....
俺が就職さえすれば
丸く収まると思ってた
独立して生計を立て
両親の負担を減らせば
慢性化したヒステリーも
欠落したデリカシーも
居心地の悪い我が家の
何もかもすべてが
丸く収まると思 ....
年が明けたあさ
目を覚ますと目の前に
水のたっぷり染み込んだぞうきんが
そばの油揚げみたいに旨そうな姿で置いてある

これは床でも拭けということかと
年末の大掃除のようにぞうきんを手にとり ....
暗い自分をかくせず だれかにみてもらうまで
はかないでいるんだ あのズボンを

右からいれて 白くなって
自分だけ思い出して 

あの人を守ろう だけど白くなって 脳みそが
脳みそが心と ....
父よ
母よ
神々は太古からそこにいて
神々は初めからここにいはしない
ヒトが路上で嘆息する時は
ただ頭上に空と、眼前に生活があるだけで
哲学や文学など役に立ちはしない いつだって
それで ....
 
おでこにねじが刺さったら私はたぶん抜きません

おでこにねじが刺さったら私はたぶん押し込みます

おでこにねじが刺さったら私はもっとねじ刺します

おでこにねじが刺さったら脳みそにた ....
人々の不幸を暴き立てるために
睥睨し荘厳に昇る太陽の光を
紅い白目の中に取り入れ
嘆き悲しむきみの背後で
ぼくは聞こえないような小さい声で
きみの悲しみを言葉に置き換える
今まで生 ....
{引用=
先が尖っているので
さらに研ぎ澄ませて
接続しろ
差込口は
広げておけ
僕たちは
友達だ
だから
君の肌が冷たくないように
心まで閉じてしまわぬように
先は
氷に浸し ....
山人さんのおすすめリスト(5715)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
dissimilation.- 吉田ぐん ...自由詩4911-1-6
夫婦の灯_- 服部 剛自由詩111-1-6
海亀2題- salco自由詩5*11-1-5
うつわ- 草野春心自由詩4*11-1-5
とにかく- nonya自由詩8*11-1-5
私はうさぎ- 未有花自由詩12*11-1-5
信じる気持ち- 美琴自由詩111-1-4
溺死のミュージック、TOTOで葬送- ホロウ・ ...自由詩3*11-1-4
BGMはカウント・ベイシー- 石黒あき ...自由詩211-1-4
フクロ鼠- ……とあ ...自由詩16+*11-1-4
ふぉとぐらふぃっく_(ご利用は計画的に)- 乾 加津 ...自由詩15*11-1-4
東京スカイツリー(仮作)- rabbitfighte ...自由詩9*11-1-4
白い骨- 森の猫自由詩10*11-1-4
堤防- 番田 自由詩411-1-4
小学生全員に屠殺場見せろ- skc自由詩211-1-4
回帰する光のブレーキ- ayano自由詩4*11-1-4
大人の事情がるた- salco自由詩24+*11-1-3
捧げる- 砂木自由詩15*11-1-3
ー冬日双詩ー- 生田 稔自由詩10*11-1-3
ピーターはラビットにはなれない- nonya自由詩19*11-1-3
トリル- 石黒あき ...自由詩311-1-3
冬の日の即興2- 橘あまね自由詩1211-1-3
よろこびの- nick自由詩1*11-1-3
呪詛- セガール ...自由詩3+11-1-3
正月はどこか饂飩に似ている- 木屋 亞 ...自由詩4*11-1-2
はな- 十二支蝶自由詩211-1-2
はじめに言葉ありき。超エテ公の独り歩き。- salco自由詩6*11-1-2
ぜんまい仕掛けの脳みそ- お菓子自由詩3*11-1-2
役立たずな- 寒雪自由詩311-1-2
WE_あるいは_接続の魔術- 真島正人自由詩10*11-1-2

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