小豆色のバスに乗る
車体の気配があまりしないバスだった
既に乗っていた人たちは
みんな別々な方向を見ているのに
誰なのかよくわからない
信号待ちをしている間に
道端の枯れた草花 ....
少しずつ腐っていく
少しずつ 少しずつ
「少しずつ」というありふれた一語のなかの
やわらかながらすの響き
少しずつ腐っていく
少しずつ腐っていく

かけっぱなしのオーディオ
ループ再生 ....
ひろった貝殻をスコップにして砂浜をほると
そこには少し離れた海とつながる

小さな海ができる

何度かの波の繰り返しで
まるで何もなかったみたいに消えてしまう

小さな海ができる

 ....

午後四時
青の上から
橙や赤や紅色が
塗り重ねられてゆくのを見ながら
大急ぎでベランダのシーツを取り込む
あのうつくしい仕事をしている人が
どんな人だかは知らないが
時折
ゆるめ ....
愚かだ愚かだ
やがて うたうように嘆く私の
そばで笑う苗たち
ビニールハウスの めくられた片側で

蝶のような葉はみどりいろ

くすくす くすくす
背のひくい茎のものまでも
群になっ ....
かもめが一匹おりまして
ちんけな傘が ありまして
小さな光を食べました
何かに 頼る者 おりまして
のどの汚れは落ちなくて
皮は肥大化して 人を流す川となりました
ぼうふらぼう ....
野菜についた虫を一匹ずつ取り除く。
邪魔なものだから。
ばあちゃんは素手で取り除いていたが、
私は怖いからゴム手袋をして取り除く。
でも、つぶした時のプチ、という感覚が気持ち悪い。
 ....
蝉が鳴いている

経ち揺らぐ夕焼け

染み透る 何十年も前から変わらない

空の焼ける匂い

僕だけが--- などと

分かっちゃいない

彼らは時の列車に乗り

見捨てゆ ....
ゴルフ場の空に日暈が出ていた

ぼんやりとしたでっかいわっか

それが次第にはっきり虹いろになっていった

日暈に背をむけながらフェアウェイを歩いていた

だれかがオレのために祈ってい ....
{引用=みずうみを およぐ
底から数センチ上、
ひとたまりも なく
ひとは 笑うかもしれない
ぼくは無力 だと
ぼくも 知っていたから
あきれることも なく
ただ 光を 見つめる ....
少し離れたところから


また宵と闇がやって来る


いつものようにそれを受け入れ

解放された熱量と
少しの眠気と混乱で


玉のような世界を産む



愛されたいと ....
あまい季節を夢みて
窓のちかくに立っている
腕には
うすあおい痣をもって

むかしに覚えたうたを
口もとに飾って
すこしだけ
笑っている

明日になったら
明日
もしあまい ....
 
 
むかし男の人が死んだ公園で
山岸徹也くんと砂の城をつくった
歯ブラシが近くに落ちていて
それはとても古い感じがした
城門に番兵の人形を二体置いた
翌日、城は壊されていた
人形は ....
空っぽな自分ばかりが… 転がっていく
一体なぜなのだろう それは
生きようとするからだろう 自分として
個性的であろうとする必要はないけれど
今日も 風が… 吹いているのかもしれない

 ....
真っ白な 
掃除機を
眺めては
何もせず
かといって
洗濯もせず
飯だって
宅配ピザを頼んで
そんな風に
君の
ぐうたらな一日が
過ぎてゆく

目の前の
紙くずを
ゴミ箱 ....
古い家屋に手を入れてできた料理屋さんは
まるで人をこばむように
さっさとおゆきなさいと 
言うように人の気配を消す
庭に咲いた花まで

初老の店主は言う
ひとつひとつ皿を運び
魚です  ....
茎魚 しみています


四角い箱から低く低くを覗いていますと
狭く苦しく青く
殺されのこどもたち
泣いています
ずらり並び 爪先 しみ しみ
口開き
目潰れ
鼻潰れ
耳潰れ

 ....
 猫のようなKといると
 ぼくの言葉の文脈は乱れふあんな小波が打ちよせてきて
 とても平叙文ではいられなかった

 煎じつめれば
 煎じつめなくても
 Kは妻で
 Kは猫だっ ....
罵倒してもよかったんだよ
ボディソープの淡いにおいのぬけがら
輪郭だけ纏おうとしても
乾いた夜に、まぎれて消えた



皺の寄ったシーツと
その影の濃淡
なにかに傷つきた ....
陽射
大きな橡の緑
葉に反る光と陰
春になる
過去に捨てた春になる
輝く線路に支配される列車の様な
敷かれた道を進む美しい塊になる

窓には冬から帰った命が開いている
線路沿いに ....
午後 4時44分

見上げると
東の高く

薄い青空に
少し欠けた

白い月が
浮かんでいた

立春もとうに過ぎたのに
しばらく
引きこもっていた

たまっていた
所用 ....
どや顔って言うより
したり顔って言う方がすきだ

僕の犬

鳥みて わん
猿みて わん

僕の嫌いな人みて
うー
いいぞ

僕の犬

いいんだ
目が見えなくなってきたね
 ....
僕が火傷をした子供の頃
母さんは泣いてばかりいて ばあちゃんにきつく接するようになった
父さんは酒を飲むようになって 母さんと喧嘩ばかりしていた
じいちゃんは無口になって そのまま死んで ....
ひとつ
ひとつ
やっつけ
やっつけ一日終わる

わずかな笑い
流れぬ涙
熱くも飽きて
乾く悲しみ

荷を負う匂いは
海馬を駆けて
記憶の奥底
脳みその溝

ひねもす捻 ....
どんよりとした空
気分が優れない
早くワイパックスを飲んで
寝てしまいたいけれど
まだ仕事中なのでそれも叶わない

無個性なビルに囲まれた
谷川のような道を
僕の乗る営業車が
押し流 ....
「どこかにいきたい」と
ふいにあなたはいった

ぼくは
「どこにいきたいの」と
あたりまえのようにきいた

「やさしさのあるところ」と
さびしそうにあなたはいった

ぼくは
「こ ....
その国では孵化しかけている鳥の卵に小さな穴を割り開けストローを差すとその中身をずいずい飲んでしまうらしく卵は食べたことがあるし鶏肉も食べたことがあるけれど果たしてその中間とは一体どんなものかしらと空想 .... うすあかりの光りがまだら模様をえがく夜
わたしは、私を忘れる




「風が出てきたみたいだ。梢の影が踊っている。
 ここには、街灯はないのだから…」

「月明かりね。風音が変わった ....
しんどい
そう言って泣く君の背中は
丸い 

遠くない半径にいるわたし
なにもいえないけど

しんどい
ね も の? もつけられないけど

離れない
そう思って起きている
君の ....
雪晴れの朝の
あっけらかんとした明るさ

街に光が満ちている
街の輪郭にエッジが効いている

キッパリとスッキリと
明確な世界が眼前に
立ち上がっているから

いまこの瞬間なら
 ....
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