緑の雑草、
白と黒との混血児…、
俺の心はどす黒い、
愚痴をばら蒔き歩いていく、
…ズボンは朱色にまみれた
川面は九官鳥が泳いでいく、
あれが真なる芸術なのか?
筆先の絵の具を噛み締 ....
空いた
椅子の上には
ゆうぐれが降っていて
絵描きになれない風たちは
せめてもの代わりに
言葉を混ぜて
去っていく
取り残された場所に
おそらく施錠は
必要ない
....
帰宅して電燈を点けた途端に揺れ
ちょと焦った
テレビを点けると震度3と出
8月31日までも揺らすとは
しつこいのは嫌いだ
ようけ揺れた夏だった
円高も史上初75円台に突っ込んだが
印 ....
疾駆する車の前を
白磁の蝶がひるがえる
蝶は
そそり立つ眉を持つ
白く焼けた小石から小石を
羽黒とんぼが渡る
ゆらゆら揺れる
かすかな悲鳴
夏の熱が山脈をかすませる
盛り上が ....
少女が一人、殺された
男達に犯された後で
少女が一人、殺された
街の人達はみんな黙って見ていた
少女が一人、殺された
その様を僕も黙って見ていた
少女は悲しみす ....
自転車で
スローダウンして
見上げた初秋の青空に
アオスジアゲハ
自然にまかせて舞おうとする
あなたのようだと思う
今朝気がついた秋は
褐色の落ち葉
乾いて道端に身を寄せ合って ....
寂しさの種をいつ蒔いたのだろうか
知らないうちに芽が出て
大きな葉っぱになってしまった
失敗したなと
悔やんだことはたくさんあったから
その実が心情という畑に
落ち零れたのだろう
....
週末だから酒を飲みにいく。週末でなくても飲みにいくが、週末はことさら大量の酒を
詰め込む。僕らはつまらない仕事に飽き飽きしていた。それを酒で昇華する日々にも、
いつもと変わらない顔ぶれにも。けれど ....
ぶつかってははじけ沈みこまれてく/見えない傷を時は置き去りに
雨の黒さを見上げる葉月の今も/あの娘はきっと放ちきれない愛を胸いっぱいに抱きしめて
僕は不埒で浅はかで疾しいまま/嘘にまみれ退屈に灼か ....
昨日アイパッドを買った
昨日コールマンの折りたたみ自転車を買った
昨日しょこたん似の女の子と知り合った
彼女はメガネ店の店員でメガネを作ってもらった
目の前に彼女のかわいい顔が間近 ....
誰にも知られてはならない
耳をそばだてて
この地面の奥深くには
川のように赤い血が流れていて
少女だけがその流れる音を
聞くことができるのです
でも聞き続けていてはいけません
自 ....
ゆうひがうみに
しずんでいく
ちいさな
しょうてんがいの
あかりがともる
ろうじんのために
ろうじんがはたらく
まちがここにある
ときどき
だがしをかいに
....
汲み置いた澄明になお念を入れ
氷砂糖のようなカルキ抜きの粒を一つ二つ
一パーセント濃度に計算された塩を狂いなく量り投じ
溶かし
晩夏のあかるい日差しの中で
すきとおった病室に赤い尾をひるがえ ....
捨てられた砂漠と
魚釣りにいく
嵐が来たらしく
船が幾つも 幾つも
夏の虫のすべての死を
並べたように
海を埋めつくしている
防波堤から
最初の船 ....
指輪から産まれた棘が
傷になる前に
心根から小さな棘を数本抜いた
一つの形が崩れると
棘の姿が真新しい傷に変わるから
小さな秘密を隠すように
指輪を口元に持ってくる
集積された棘から ....
苔生した石の階段を滑らないように注意しながら、八月の名残にべっとりと濡れた九月初旬の山道を僕らは登り続けていた。装着して三ヶ月になる義足の感触にも君はずいぶん慣れてきたみたいで、隙を見つけては ....
フェンスがどこまでも
長く続いている夏
午後、知らない所で
知っている人は逝った
乗客も乗務員も置いて
青い列車は海に向かって出発する
座席には誰かが忘れていった
大人用の眼 ....
「明日も雨、降るのかな。」
「綺麗な月が出てたから、きっと晴れるわ。」
5.
黒い服
白い首飾り
海底バスに乗って街を行く
灰色の上空には
ゆっくりと沈み来る夕日がな ....
台風がそれて良かったと思うものの
荒れ狂う里川の変わりようを
術もなく見つめる老人の眼差しに寄り添うことは難しい
人様の身の上にふりかかった災禍などと
素知らぬ顔して晴れ上がった台風一過の ....
竹藪は真夜中
地面を這うようにして
皿の破片や
古銭を拾い集めていると
突如として
立派な竹に行き当たる
触ると不思議に温かく
内からはほのかに光が漏れている
これは伐らねばなるまい
....
アスファルトの熱に背中をあずけて
気持ちいいとか
舞い散る光と鈍い音が美しいとか
湿気に体をつつまれて
研ぎ澄まされてく、
高音の不快感と震える手。
ど ....
つゆは丸く形をつくって
朝陽を微かに帯びる
土が膨らみ そこから
産毛の生えた芽が覚める
畝を越えて川を走り
山を駆けて峠をとびこえ
叫び声をあげて黙りながら
静かに賑やかに厳かにばかば ....
自然の水はあふれんばかりに、今日も
泉に湧き、滝から落ち、川を流れ
{ルビ人間=ひと}の哀しみさえも
自然に湧き出ずる水の如く
美しい涙の{ルビ滴=しずく}は
君の瞳から、 ....
効きすぎたクーラーを言い訳に
寄り添って体温を奪いにいった
右腕のあつさに少しだけたじろぐ
武骨な関節とまるい指先を包む
ねむりたかった
あたたかくたのもしくねむりたかった
でも武骨な指先 ....
そろそろ雨があがるはずなので
雨戸をあけました
そろそろ風が治まるはずなので
窓をあけました
いったん 風はやみ
雨もあがり
雲が遥か上空を
モクモクと移動しているのが見てとれました ....
ズーズクズーズ
ズーズクズーズ
ズーズクズーズと鳴く夜に
光る原っぱ飛ばずにおいで
ズーズクズーズ
ズーズクズーズ
ズーズクズーズと鳴く夜に
沈まぬ池から昇っておいで
....
ヒグラシが鳴き始めた
雨は降ったり、降らなかったり
時々、知らなかったり
フラスコ売りの兄は
すべてのキャベツを刻み終えると
沈まない潜水艦に乗って
埼玉に帰っていった
....
恋人よ
ぼくはすぐ立つ
スケスケのパンティ見れば
ダークな街の
アダルトショップで
君への贈りもののパンティ
探す、探すつもりだ
いいえ
あなた
私は欲しいパンティはないのよ
....
今日も病院へ行った
お水とティッシュを買って行った
廊下ではもうお腹の大きい妊婦さんが
痛い痛いふうふう言いながら
旦那さんに背中をさすってもらっていた
彼女は具合がやはりよくないよ ....
しぜんはとても
ふまじめだ
こどもができたら
そだてるおかねどうしよう
がくれきは
しゅうしょくは
せきにんは
なんて
まったくおもわない
ふりょうほど
し ....
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