整形外科で溺れた
子どもの頃から登り棒は得意だった
誰よりも早く天辺に登れる自信があった
それなのに整形外科で溺れてしまった
むしろ言葉の綾、
と言った方が正確なようにも思えるけ ....
もうじき40
そうか、あたしはおばさんか
誰かを
うらやましく思うのは
面倒だよな
ひがみっぽいのは
つまらんな
しけたポテトチップみたい
だから漕ぐんだ
ママチャリ ....
奇行師
彼が死後名を残すだって?
ハハ、あの奇行師が。
彼の語るのは夢物語。
浮き世にたゆたう慰み物さ。
世界に変革を?
どうやってするんだい。
この鈍色の世界 ....
郊外電車の車窓から夕暮れの開発地が見える。電車はあるときは半地下に潜り、あるときは高架線となり、田園地帯を我が物顔に走る。路線の駅に会わせて区画整理された街並みは美しいが、ほんの数百メートル移動 ....
はりがねみたいな芯だから
ぐにゃり
朝の寒さに折れ曲がる
固いけっしんは
夕べの日記に書かれてる
ぐねぐねぐねぐね
短くなりながらためてためて
えい
と起き上がる
曲がりなり ....
面白いことを言うと部長はわらっていた
目をとじたままわらっていた
腹水がベッドのしたに溜まっていた
なにかの拍子に一部が床にこぼれていた
それはあざやかな黄色だった
ダン ....
私のプライドを
傷付けて行きなさい
とるに足らないプライドを
粉々にして行きなさい
私の喉笛を
噛みちぎって行きなさい
とるに足らない私の命を
食い散らかして行きなさい
....
机の上に置かれた
黒い本の中に
うっすらと、顔がある
自分の貧しさに震える私と
遥かな昔に交した約束を
今も語っている
蝋燭の火が
風にふっと、消えた
暗闇から ....
皮を剥いた野菜を刻み
大きな鍋で煮込んだ
できあがるころにはもう眠らなければね
まいにちの時間が決まっているので
わたしは、少しずつのことだけしかできない
もうおやすみ
次の日 ....
聴く、という姿勢で
石の上に腰かけ
微かに首を傾けながら
瞳を閉じる少女よ
冬の冷たい風に襟を立て
凍える私の前で
風に耳を澄ます
銅像の少女よ
閉じた瞳の裏に ....
見た目は女の子だけど、食べたらきっとおいしいからね、と知り合いから烏賊をいただいた。半ば強制的に渡された発泡スチロールの中に入っていたのは、本当に少女の烏賊だった。見た目は女の子だけど ....
沈思する冬空に訊ねる
くろぐろとした予感がけぶるぬるみの中で
厳かな一つの意志らしき影
それは確信めいて
はっきりとこちらを見つめている
分厚い霧層に
初めて私が出会うとき
快活にう ....
彼はこちらを見てずっと笑っているだけだった。私が彼に持つ印象はそれだけだった。
時々意味も無く小声で名前を呼ぶのだ、いつも彼は仲間と一緒になって。
学校の中でも外でたまたますれ違った時も、私に対し ....
行きつけのBarには俺に相応しい安酒が
所狭しと置いてあり
夜だけが
俺にすべてを忘れさせてくれる
ひとり、酒を浴びる俺に話しかけてくるのは
惰性を信条に生きるサラリーマンか
....
やわらかな光に照らされて
水平線の向こうにはどこまでも空
今見えている景色もやがては見えなくなってしまうのか
これまでずっとそうだったように
汚れてしまったものから目をそらすために ....
性交の際
勢い余って
膣に飛び込んだ
もう一つの睾丸
今日死んだら
あなたは
精一杯生きたと
言えるか
僕には言えない
恥ずかしい言葉
痛い痴態のママ
板の間に居たい ....
浮いて
く
るくる
回るやつがそうだろう
いつまででも
他殺
されたいって
思ってる
こと
が
ばれたらって
ばれたら
死
んで
しまおう
って
....
売店で夕刊を買った
読むこともなく畳んで
テーブルの上に置いた
翌日から連泊の出張だった
帰ると夕刊はまだ同じ場所で
同じ格好をしていた
古新聞の上に積んだ
年を重ねるごとに ....
枯枝は空に根を伸ばす
海辺の曇天の白の先
遠く遠くに根を伸ばす
時折太陽の欠片が見える
それはとても美しい白
何もかもを焼きつくせる
貨物列車の重たい音
耳を切る様な唸り声の風
....
進化、それは種の旅のことだ
過程であるのに果てであるかのように
何千万ねんをかけて旅をしている
それは木々に似ている
木々は進化のものまねをする
さきこぼれる花舞い落ちよ ....
{引用=
けだものばかりではないのだ
けだものにもけだものの
規則というものがあるので
卑下することはできないが
それでも少年には疑問だった
戦争は
どこにあるのだろうか ....
騙されるのって
気持ちいいでしょう
目を閉じて
胎内にいるここちで
さあ、ごらん、言ってごらん
とっても幸せに生きていますって
溶け出したなみだにくるまれて
あたたかいね ....
しののめという
停留所で
降りた
ゲームみたいに
人生みたいに
黒いセーター
に
コンタクトレンズで
一番 安い
カミソリ
を
出くわしたくない
憎むべき対象であり
憎む、べ、きき、対象
で、あり続ける。しかし
内側の人間が ....
ちょっとしたきっかけで
人の気持ちは萎えるもの
あんなに昂ぶっていたのに
絶頂間近だったのに
愛していたのに
君に罪はない
僕にも悪気はない
もちろん
他の誰かは関係ない
ただタ ....
雲のおなかが黒かった
端へゆくほどひかって 綺麗で
清らかな線になっていった
含ませた雪とそれ以外のなにかを
雲ももっているのだろう
そのまま生きているのだろう
見上げる私の
ぽ ....
拍手の束、の様な雨音
あめのおとはすきよ、結核で死んだ祖母はそう言っていたらしい
灰にやられ、目をつぶる
山が噴火したのだ
自然はいつでも私を泣かせる
傘をさして歩く
無目 ....
海にとける この感覚が素敵ね
優しい波音が聴こえてくる
潮風を連れてきたのでしょう
遥かな古代に想いを馳せて
小波に揺られてくのでしょう
何時から知ってた? ....
冬枯れた庭に 緑を残すオリーブの銀葉がそよぎ
その枝にはまだ 黒く縮んだ実がしがみついている
シクラメンの強い赤が 庭が生きていることを教えている
私たちは ここで 同じ ....
そんな色合いのトレンチコートを
君はどこで手に入れたというんだ
そんな風合いのトレンチコートを
君はいつどこで買ったというんだ
まるで寝間着みたいじゃないか
まるでバスローブみたいじゃないか ....
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