彼はハトムネを二羽飼っています
以前彼はハトの形をした
クッキーを作る工場で働いていました
或る日彼は眠くてたまらずたまらず
たくさんのハトの形をしたクッキーが流れる
ベルトコンベアーに ....
毛布の中で
顔をうずめた
汗と熱のこもっ ....
湿った空気
それはイメージだけのもの
なのかもしれない
けれど好きなんだ
曇り空のもと
太陽を見失ったまま生きている
それでも十分すぎるくらい
明るいのが不思議で
どこから来る ....
地元に帰る電車で
プロポーズの言葉を考えていた
別れた恋人への第一声に
ふさわしくないことは分かってる
でも
一番伝えたいことから話したかった
真実だけを話したかった
やっと会えるのに
....
椅子に座ると
海が見える
水平線の向こうでは
犬が笑っている
知らない異国の言葉で
信号が変わり
スクランブル交差点が
背丈の違う人々で
溢れかえる
皆、舗装を痛めな ....
相変わらず、生きている
でも
それでいいのだ
それが いいのだ
絶望と戯れるには 人生は短すぎる
真実から目をそらすには 人生は貴重すぎる
街人の手で 世話をされたサク ....
電線がそよぎ、枯木[こぼく]が揺らぐ。
片田舎の旧道に、どこからか舞い込んできた桜の花は、
はらほろと。誇張もなく、執念もなく、かといって無残でも無常でもなく。
昼下がりの淡い亜麻色の中、ただ静 ....
昼間の仕事を終え
フローリングに 仰向けに寝転び
換気扇の音を 宇宙船のエンジン音に似せ
瞳を閉じれば 武陵桃源へ非行する
夢を実現させる ときめき箱の鍵を 現実に持っていか ....
のほほん紡ぎを 日々していると、
気分の変化に 気付くことも 有ります。
疲れている時は 色がいらないと 思えたり、
音がうるさいと 思えた時期も有ると
ハッと したりね。
♪マーク ....
よくわからないとこでよくわからないことが階段を降りてくる。よくわからないとこは時間でよくわからないことはないがよくわからないことはしなやかだ。焼き魚のにおいがする。母ちゃんが砂場にいる私を呼びにくる。 ....
異星人の女
ぼくより背が高い
コトバをしゃべる
ぼくを見て笑顔を作る
食事にさそう
女はよく食べる
ベッドに行く
ちゃんと乳房がある
触ると反応する
「チキュウジンニ
ニテイルワネ ....
夜勤明けで頭ぐらり
見つけるものは
父母揃いて犬抱く姿
ただいまと声をかけると
二、三度喘いで息絶えた
ただいまと我が声はあぶくになって
さよならと我が犬は小さな吐息を吐いて死ぬ
....
アクセルを踏んでスピードをあげる
普段は開けない車の窓を開けると
夕凪の匂いがふわりと香った
あぁ、なんて心地よい
名前は過去に置いてきた
積み上げてきたものは全部
トランクの ....
わたしは
ヘラブナである
めのまえにおちてきた
はりがついたえさをくわえ
つりあげられては
リリースされる
ヘラブナとは
そのような
いきものである
そんなこ ....
仕事から帰って
まあとにかく 手に取ってみる
テレキャスターのネックを掴んで
壁に背中を預けて 床に腰を下ろし
腿の上に ギターを抱いてみる
まずは 調律する
そして 手癖のように ....
何故だろう
人と一緒にいるということは
どうしようもなく 僕を疲れさせる
僕を しらけさせる
人と一緒にいるということは
本当は安っぽいもの
僕は 家に帰って 詩を書こうと思う
....
人が報われる話を書きたい
できれば死後ではなく
生きてる間に
僕は人間が嫌いだ。
生きている人間が嫌いだ。
欲に塗れ
私利私欲で同種を傷つけ
言葉を軽視し
自己を一番重要視し
生を厭う一方で死を嘆き
獣や自然の命を喰らって
己らの幸福を積み上 ....
立場にこだわる人がいて
畑の野菜と
さくらの木をながめ
土の中
みえない世界を
ふと思う
指先でめくれば
世界中をみわたせるけど
温度はなくて
それもまた地球
私の ....
わたしごとに
あなたたちがひらいていく
新しい手帳の
赤いインデックス
なにも書き込まないまま
満たされていく薄い毎日
いちにちは
こんなにも短くて
気が付けば
四本の足が萎えている ....
衝動が虚しく
上滑りを塗り重ね
胎を押し付けて
触れた指先に
衝撃の[error]判定
煩わしい肉塊
(潜伏していた違和感)
生産体制異常発生
後悔のレッドアラートが鳴り響 ....
生き血が流れる岸辺では
人はそれで煮炊きをし
それを口にする
それを涙に溶かして
町のすべての色と叫びにする
ただ一つ新鮮なものとして
あるべきものの代わりに
僕はその味を知ることな ....
すすめ
ばかものよ
ひたすらにじぶんをおとしめながら
こえずにくぐれ
ためらいもなくしたをいけ
あなたがわらうように
世界が色付く
きっと
『Hotel California』がリリースされた頃
ぼくがパンク・ロックの帝王と呼んでいた
ジョン・ライドンは《SEX PISTOLS》の最後のライブで
捨て台詞の様に脱退宣言として『Roc ....
少し背伸びがしたくて
ちょっと大きめの靴をはいてみた
少し自由になりたくて
ちょっと大きめの靴をはいてみた
いつもはいているぴったりの靴は
ちょっと窮屈で
いつもはいているぴったりの靴 ....
関係なんて
関係なく
あなたにとって
大事な人がいれば
それは宝で
あなたのことを
大事といってくれるなら
それは希望で
関係なんて
関係なく
それはもうすでに
....
冷たい雨が降ってきた
おれは黒々と木のようで
心臓だけがガス灯
何を照らすでもなく ぼんやりと立っていた
小さな春は震えていた
おれの心臓に寄り添い 冷え切ったからだを温めた
....
嫉妬という言葉を
あなたは教えてくれた
無防備に眠る
あなたが憎らしい
そっと首に
両手をかける
胸の奥で
ちろちろと燃える炎
このまま力をいれたら
あなた ....
参考資料の提出があった
瑣末な誤字脱字が散見された
作図と細則の改正が必要と思われた
差額についての催促を済ませて
採光のためにブラインドを開ける
サッカー場の方が
先ほどから騒が ....
あたたかい湯船につかると いつも思う
貴方が一生懸命 働いてくれているからと
感謝の湯にふやけるまで 愛情に浸る
一緒に嫁いだネコも
今では 貴方のお膝の上が お気に入り
....
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