Go Go Go and Goes On!糸居五郎もウルフマンジャックも、FENも知らない、活字の中の存在だ、山口のクソ田舎の、しみったれた居住区の夜、ぼくは頭から布団を被り、姉貴のお下がりの黒いラジ ....
闇が広がる
殺された光だ
茫漠と冷え切り
意識を占拠する
出て行っては戻って来る
戻って来ては出て行く
真夜中の悪夢
繰り返し繰り返し
穴が開いた虚空
逃走する防空壕
猛スピー ....
2022.03.04(金)
やっと金曜日の夜、落ち着ける夜となった。
私はお酒を断っているので、日々に晩酌などない。しかし思い返せば、日々の晩酌、その落ち着きも幻想であった。
今日は明 ....
わざと生まれた
でもこのためじゃない
そう思う余地も残らない
知っていたと思う
愛することや
あたたかいこと
つめたい風のしたに眠る種たちが
さんざん踏みしだかれても
春になれば芽 ....
花は
花としての言葉を失い
季節もまた色を失う
渡し損ねた言葉があるように
雨もまた
流れてゆくのだろう
春の窓辺を飾るもの
無言の結露
人見知りの鳥たち
か細い茎の名前の知らな ....
肩甲骨
と彼は呟いたが
そこから話はどこへも進まず
木管の音が間抜けに溢れる
さっき沸かした湯が
冷めていく
嗚呼、
髭。
いつか仙人になりたいと想っていた
仙境で仙女たちと歌舞音曲を尽くし
詩歌を交して樽を飲み尽くすのだ
えっ。それって仙境、、、?
という声もありそうだが
亀仙人も女好きではないか。
....
弱さを吐露する場所はどこ
高架下、100デシベルの電車音
夜中のグラウンド
水の中
ああ、高架下までは歩くのだるいんだよな
夜にグラウンドに入るのは怒られそうだし
水は冷たいし風邪 ....
山育ちなので 傷は自分で嘗めて治した
月がしだいに瘦せ細り また少しずつ太るのを
薄目を開けて時々見ながら
朽ちた倒木の根元の洞に潜り込み
飲まず食わずで幾晩も
痛みは知りません 傷つい ....
ただのいきものになる
勇気はありますか
ただ水を飲むためだけに
目を覚ます勇気が
さっきまで咲いていた
花が萎れてしまった
それは
君のせいじゃない
地球が回ってい ....
まつげを抜く
心地が降り積もる
雪解け後の地面
立ち昇る
春の気
蔓が緑地からみ
逆上せ上がる自縛
体温伝わる手
生きているのか
これで生きている
生ぬるさの伝わり
気持ち悪い人 ....
薄日の街道を歩いて行く
太陽は見えない
ずっとずっと歩いて行く
薄日の白んだ街道を
堆積した時がまた一時解き放たれる
鳴り響くサイレンのなかで
哀しく蒼白に
踊る子どもたちは
ガラ ....
そしてヒトは何万年もの間争いをしている。
そして
銀河の岸では鬼たちが歌を歌っている。
そして
星々の亡骸に
花を供えて
ひとつひとつの星に
黙礼をしていく鬼たち
そして
失われた
....
今朝は七時に妻の物音で目が覚めた。朝食、トースト二枚にヨーグルト、アイスコーヒー二杯トル。美味しかったです。頂きました。
妻に使っていなかった毛布を貸したのだが、匂いがするらしく、その毛布を洗濯 ....
ひとり見つめる青空を
透かし通した大宇宙を
あゝとてもクリアだ
わたしはひとりだ
ゆっくり春めく街を行く
どこもかしこも光の散弾
弾ける人々の笑いは満ちて
いのちが優しく芽吹いている ....
いまごろ宇宙ステーションの
方々なに眺めてるんだろう
ぷーちんの豪邸…
夕べの夢に旅立つとき
私たちが寝床に置き忘れたもの
微かな哀しみと柔かな吐息と
それから
それは長い道のりでした
今振りかえりみれば
沢山の思い遣りと共感と
それから
....
2022.02.26(土)
今朝は五時に目覚めたが、二度寝して妻の生活音に目覚めた。贅沢な朝だった。夢は必死禁煙している夢だった。かまわず、起きてからアメリカン・スピリットを喫った。
....
権力者に視えないものはなんなのかな
些細な日常の窓から外を見たら良いのかもしれないが
そんな窓さえないのであれば城砦のなかで
国民的不本意を愁う歌でも詠んで自決してくれれば
三島由紀夫ぐら ....
ねこが
しみこんでいる路地
空がきれいだ
電線が微かにたわんで
ビルのむこうまでみえる
わたしたちが死んでいくのがみえる
会いたい人とか
まずいない
そんな僕に
会いたいと言う
君の気持ちは
どんなにか
ねっとりと
魅力的に
映っているのか
知るすべもない
僕はといえば
僕には毎日
会って ....
朝、起きる前の布団の足下に
ダウン症児の息子が入ってきて
妻がぱちりと、写真をとる
頭上の壁には
ミレーの「晩鐘」
(一日の労働を終えた夫婦の祈り)
窓から朝日をそそがれて
....
2022.02.20(日)
雨水、といっても未だ寒い朝である。加えて小雨がふっていた。今、ベランダから眺めたら止んでいるようだが、また降るかも知れない。
朝、はやく起こすように、妻 ....
市から二度目の特別定額給付金の申し込み通知書が届いた
ちゃんと自分の銀行の口座番号が記入されていた
やっと着いたかと思い、ほっと一息ついた
これでなんとか溜まっている一月分の赤字をう ....
スマホの小さな画面を
指で開く
今日もSNSの文字は、告げる
「〇〇さんの誕生日です」
まぶたを閉じる
――今・世界の何処かで
東京都内の病院からは、赤子の産声が聴こえ
カルカッタ ....
かたり。音がするから置き場を探して、そこじゃない、そこじゃない、と帰る場所が消えてゆく。昨日までいた場所に、君がいないのならば、もう。
雨降り。夜の八百屋、メロンとむきだしの ....
くろい函に
颱風がつまっている
ガラス製の 記憶より小さな、
そのよるがふるえるのをわかると
これは宝ものなのかもしれないとおもう
血液の、くろい川の
....
学生寮のそばに
ワゴンRが停めてあって
夜 街灯のしたで光っている
そう 言う
架空の口蓋や歯茎などで
蕎麦を手繰りながら
昔おそわった担任の口癖を ....
あなたのかわいい
おくれがちな相槌
寒すぎて ちょっと笑ったよね
愛してたけど
愛じゃなくてもべつによかった
隣りあう洗濯物
使いふるされた工具
石ころ
乾いたスポンジ
....
霧が晴れて
青空が広がる
奇跡のように
(優しい石鹸の匂い
ほんのり漂い)
駆け回る
子供たちの笑顔が弾け
木漏れ日のなかで踊る
原色の広がりが渦を巻き
還っていく
僕た ....
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