夕月が
悲鳴をあげているような赤
骨の色に似た電柱の上で
闇のようなカラスが羽を休める
よどんだ、生温い空気の
送り主を忘れた鎮魂歌のような始まり
血液は半睡の眼と同じ ....
なみだ 落としすぎて、
めだま 落ちてきたんだ。
いっこ 落っこちて、
にこ 落っこちて、
もうない。と、思ったら、
つぎつぎに めだまが あふれてきて、 ....
一仕事終えた様な充実感でいっぱいで、僕は車のソファに深くため息をついて腰をおろした。泥まみれで爪の間に土の入った指でステレオをつけてザッピングすると、古いジャズボーカルや落語や人生相談が流れてきたがす ....
私は誰だろう
今日も暗い原宿の道を そして
どこかに向かって 歩いて やがて
たどりついた いつしか この部屋に
水曜日にゲスの極み乙女のライブを見た
私は客層の中で浮いていた
そ ....
機械仕掛けの身体は軋みながら
訳もなく歌い続けていた
彼の燃料といえば
バーモントカレーの甘口チーズオムレツ載せだ
彼は飽くことなく働き続け
燃料を補給する
死をも恐れない彼は ....
窓の外が雨降りかどうか
知りたくなったら
行き交う人々の差す傘を
探せばいい
雨粒は見えなくたっていい
傘は雨のことば
青、赤、黄色の点滅で
雨の居場所を伝えてる
だけど今 ....
確かではない静寂に
ぼくらは包囲されている
心配することはない
ナイフはある
鋭利ではないが
脆弱な肉体でもかま(わ)ないたくましいたましいがあれば
あたりまえにすべき ....
中島恭二(島中充)
プロローグ
気が付くと四角い格子の箱に入れられ菫の花に囲まれた駅前広場にいた。衣服を脱ぎ、こげ茶のタイツをはき、海水パンツをはき、広げると蝙蝠のようになる ....
歯がぽろぽろ抜け落ちる夢を見る
朝、畳に散乱する歯を集め
封筒に収めていく
もういくつも仏間の地袋にしまってある
いずれ程よい時を見計らって
庭の空いた箇所に撒いてやると
毒草ばかりが生え ....
驚くほど
貧乏くさいこと書いて
よく恥ずかしくないもんだ
リアルに貧乏だったとしても
もっとゴージャスに
グラマラスに
書けないもんかね
って、少なくても
ネットに書き込む金はあん ....
【酒場にて】
俺のような誇り高い男はな…
そのとき彼は一段と高らかに笑った
そして転げ落ちていった
何処までも転げ落ちていったのだ
私は月明かりの映える窓際で
杯から転げる音を聞いてい ....
小さな子供たちが
毎夜、枕の中で騒ぎ立てる
オキテ、ハヤクオキテ
耳に温かい息がかかって
あまりに生臭いものだから
頭を枕に打ちつけて
子供たちを潰す
何度も何度も打ちつけて
そうやっ ....
夫と言い合いになった日の深夜
冷蔵庫の前に這いつくばって
冷たい床に雑巾で輪を描いた
何度も何度も同じ輪郭を辿って
ただ一心不乱にひとつの輪を描いた
怖い顔で子供を見送ってしまった朝は
....
爆破された夜の屑が月の縁を滑っている
そこはどうぶつのように
けたたましく吠える滑走路
無限が限界突破するときのエネルギーを
絶対に忘れたくなくて日記をつける
取り込み忘れて風に揺れる洗濯物 ....
食堂で
回鍋肉を食べた
冬の夕暮れ それから 自転車をこいで 私は
私の思うどこまで走ってきたのだろう
レンガの 友達のいない講堂の前
広場で 予備校時代の知り合いの横顔を見かけた ....
それはとても柔らかくて静かな日だった
わたしは視力を失いかけている母の目を治すことのできる医師が
この地にいると聞いて はるばる この地にやってきたのだが
偶然にも その夜は、祭りの日 ....
ジプトーンの天井を見つめながら
病院のベットに横たわったブタは云った
俺には心臓が無いんだよ
看護師のマチ子はブタの脈をとった
どういうわけかしらね?
ブタはもう一度云っ ....
夏のあいだ僕らは
危うさと確かさの波間で
無数のクリックを繰り返し
細胞分裂にいそしみ
新学期をむかえるころ
あたらしい僕らになった
けれど
ちっぽけなこの教室の
ひなたと本の匂いとザ ....
朝、歩いていく道が開けている
青く高い空が輝いていて
私は
コンビニで買ったコーヒー缶を飲み
煙草を吸いながら
駅までの距離を歩いて ....
ベイビースター
ひとり部屋にうずくまって 灯りという灯りをすべて消すと
明るい世界に すっかり目が慣れていたせいで
その刹那 僕は自分の手のひらの位置すらすぐに見失った
僕はここに居ながら ....
ぼんやりと公園を歩く
私は暑さの中で
木陰で涼んでいる人を見る
そんな私が今日もいた
今日は来なかった
友達は 疲れているらしかった
というよりも
もう ずいぶん会っていない
私は ....
超現代詩は 聞かせるようにつぶやけば出来ます
下手に表現技法とか 文法とかにこだわると
情(こころ)がそがれます
超現代…
はて 現代を超えると何時の時代になるのでしょう
近頃 宇宙 ....
わたしがギターを弾く
それはね、お金を稼ぐため
カンをわたしの前に置き
道行く人に曲を弾き語る
立ち止まってくれる人は数少なく
わたしのカンの中も銭が少ない
生活するためにはこうす ....
なにもしていない。
けれどこの手は何かを求めている。
白昼夢のなかで、
この右手は、
人混みを漁る。
ぶつかった誰かの
心臓に手をのばし ....
風邪をひきましたの。
大したことありませんのよ、
咳が出て、頭痛がして、気持ち悪くて、吐き気がして、体が重くて、全身が熱いだけですの。
お食事ですか?
摂りましたわ、プリンを一個。
....
コップのなかに
残された朝と
醒めきらないままの
水を分けあう
魚のかたちをして
水がうごく
夏のはじまり
ゆっくり水際を
泳いでゆこうとする
小さな魚だ
草となり
ただ ....
熱中症の蜂が 花びらに躓く
ちょうど昼寝時
樹陰のない夏の蜂が 躓いた
まるで羽の折れた言葉のように
何でもありの蜜の中へ
フラフラに 脱水した蜂は 真っ逆さまに
琥珀の決意とともに
....
財布のハラが
なったのである。
蝉の合唱部がちょうど
ステージをおりたころに
おれも、わかってはいた
わかってはいたけど
神社で見つけた蛇の抜け殻を
信じるには もう
足の裏が白すぎた ....
大脳皮質は、
前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の四つに区分されますって いうじゃない
それって クローバーみたいなものかしら
だって 四つの葉だもん
鮮烈な夢が炸裂するとき
きっと 脳内の ....
それは、
いつも見えない
激しくもゆるやかな
みなものような
風からはじまる。
それは、
いつもひとつの
....
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