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あなたのひとつめの死を現像するための暗室でいくつもの春を指折
り数えていた(宛先のしれない指示語が濫用されてしまう街の隅に
ちいさくうずくまったまま声を発さない亡霊たち(汲みあげる手つ
きで垂れ ....
わたしの背に
連綿とつづく原野
そこに暮らしていた
一匹の仔兎が
今夜
死にました
、
という
あざやかな寓話を
包帯にくるんで
玄関の扉に
吊るしておきます
けれども街には
....
日記帳、
欄外の余白を縮絨し
つくられた子羊に
錆びた針を飲ませる
わすれられた浜に
とり残された
もろい足跡のように
母の筆跡は、
幾度目かの春で途切れていた
....