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まるで、舌なめずりのように生きた彼女は
東京の隅の方に好んで住んだ
茶色くて背の高いルームランプと
うぐいす色のカーテンの側で
彼女の歌に返るものは
目の前の壁が、低く唸る声 ....
とぼけた顔で写る、家族写真の度
食卓には痛み止めばかりが並び
学生はいない
当たり前に
不親切な人の群れは総じて新宿方面に流れるから
指差し確認の習得は必須条件だった
肌の ....
*こんさい
想像に難くない範囲で
丸々としていく姿に見とれる
絡まったり
時に、何かに潤されたりしながら
どこかの食卓に並ぶ
あんまり嫌われることもないから
それ ....
毎日は平和です幸せですとりたててやるべきことも無く平凡です
起床時に布団を畳むことが面倒なので、昨日からベッドの購入を検討しています
重くのしかかる頭で考えることといえば
....
面倒なことを喋る縁
男女の関係
(憶測
通りすがりの意識に残るわたしを美しく飾るため
きみの、その、言葉があって
縫い糸は池を泳ぐ
スプーン「 ....
それは腕でした
ベッドは空を飛ぶいきものになったので
わたしのライフカードからは
にんげんが外れました
それは腕でした
ブランケットの内でまどろむわたしを抱き
耳を塞い ....
寂びれたジャングルジムの
緩やかな回転
両手から垂れる、紙袋の重に
あれこれと理由をつけて
過ぎるのは、老舗の薬屋前
橙とオレンジの区別で
夕闇を匂わせられる今でも
....
お前が私の頭に触れることは
玄関で靴下まで脱ぎ、放ったあとの
一つの儀式だった
おい、納豆の匂いがするぞ
八歳の妹は部屋から顔を覗かせる
お前はその頭も追うのだけれど
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