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夜は暗い
地平の涯まで
音の無い破砕が続いている
彼は農場の納屋の中で眠ろうとしていた
それが懲罰の為か
彼自身の性癖の為かは
今となっては分からないし
彼の履歴を辿るのは
有りも ....
手のひらは差し出した
昨日へと潜水し
やがて沈降に向かう
腐った魚を
捕まえようと
そこは夢精の海
繰り返される
日々が溢していった
鈍い光の残像
甘い果肉の歯触りと
悲哀 ....
遠く渚の白波が
さよなら告げるよにさざめいて
町の子どもの線香花火
夏を焦がして昇る思い出
古里は離れて尚もここにあり
暗い微熱に慕情が火照り
振り向けば妖しき街灯
誘う別れの一夜露 ....