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    祭りの夜に

祭りの夜には
夜店に行った

買いたいものが
あるでもなかった

父には右の腕がなかった

家にはご飯も
少しはあって

豚はいつも
騒いでおった
 ....
  柳鰈

柳鰈を食う
薄くて小さいお魚だ
皿の上にさらした腹の側を
箸でつつく
背骨をはがして
今度は裏側
と思ったら
ぼつぼつと骨が折れた
お前は
こんな骨で海を
泳いでお ....
  少女

 少女は
綿工場の傍に立って
 雀の巣を抱いていた

 遠い日の写真のように
 いまも僕には思えるのだ
 
 綿工場が疾うに死んでいるのも
僕は気がつかなかった ....
蛙の子もう産まれるかひよひよと温かきそのゼリーの中に


雑音は頭の中で処分するあの夏の夜のamバンド


ただ一枚掲示板には忘れ物官製葉書の持ち主求む


夕闇の重たき雲に白鳥の群 ....
あなたが
海辺の砂に横たわって
その乳房をわずかに星が象っていた時
僕はただ
少しの影さえも見のがすまいと
シャッターを切りつづけた
星はうるさいほどで
波の音さえ聞こえなかった

 ....
一度
僕は
思い切り殴られてみよう
ガード下のあたりの
金属の匂いのする町
鼻は折れ
メガネは吹き飛ぶ
歯はぐらぐらで
足は痙攣したまま
もう
立ち上がることもできなくて
波のよ ....
雨の家
雨が打ってゆく
ぼくは
紫の花を見ている

時間もまた
雨に流されるのだと
はじめて知った

雨の中
ひとつぶの
ガラスの破片

点滅して
今も光を寄越す
   私は
   死につつあった
   胸のあたりがすうすういった

   テーブルの上に残されたファイルや
   鳴りっぱなしの電話

   葉子の顔は
   私を覆ったままだ

 ....
石瀬琳々さんのノボルさんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
祭りの夜に- ノボル自由詩108-7-17
柳鰈- ノボル自由詩208-2-27
少女- ノボル自由詩207-11-11
春夏秋冬06- ノボル短歌2*06-12-31
星の刻印- ノボル自由詩206-4-28
願い- ノボル自由詩2*05-7-10
記憶- ノボル自由詩105-4-23
死ぬ男- ノボル自由詩4*05-4-20

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