ふせたてを
ひろげて
そんざいを
こちょうして
みるけれど
それはまるで
おさなごあおば
わたしの
きもちを
つたえたいの
きょうの
おでかけ
てをつなげたら
....
風のなか
ひらかれる本
ひらかれつづけ
とけてゆく文字
とけてゆく頁
「死にかけた鳥を
藪の根元に置いた
雨を避けられるよう
鴉を避けられるよう
湿った土の上に置い ....
星の夜の木々
根を隠す原の音
静かに横たわるけだもの
原のむこうは蒼
蒼のむこうは原
花びらが
蝶を知らずに
水際に降りてくる
葉の星へ
穂の ....
からころと音のする
そんな欠片が散らばっていて
拾い上げると色とりどり
思い思いに光を反射している
広い砂浜
両手を広げても足りない
誰もいない静けさは
ただ波音を響かせる
....
高みへ 高みへ
翼をひろげる鳥の群れに
空はふちどられたままでいる
音が音をひそめながら
緑に曇る午後を見ている
離れているのに離れずに
ともに震えを待つ姿
見 ....
にゃんでか知らにゃいけど
「にゃににゅにぇにょ」
が言えにゃくて、全部
「にゃににゅにぇにょ」
ににゃる
日常生活に支障はにゃいもにょにょ
こにょままでは
僕が僕でなくなってしまう
....
濃度を増した緑 の根元
アスファルトには 日陰がある
かつて人だった空間には
かつて花束だったものが 積もっている
湿度に黒ずんだ日陰 の隣
アスファルトには 日向がある ....
こつん、と
わたしの
かたに
おちた
あなたから
わたしへ
せなかで
つぶやいた
ちいさく
あつい
ことば
それは
ちんもくのなか
しずかに
じんわり
むねを ....
曲がり角に沿う壁を
鳥の影がすぎてゆく
風のない午後
一羽の午後
少ない雨が来ては去り
灰は薄く街にひろがる
置き去りの光
置き去りの火
黄緑 ....
商店街で見かけた女の子
オムツで丸いお尻を振りながら
パパに手を引かれて歩く
ただ
歩くことの夢中
自分の足が
交互に前に出てくることの不思議
パパに手を引かれていることの
無意識 ....
ひこうき
ぴゅーんって
とんでって
わたしの
あたまに
おちた
あなたが
なにげなく
ほおった
ひこうき
ばくだん
じょうちょも
なにもなく
まちがいなく ....
いろいろな
しつもんが
あたまのなか
うずを
えがいていても
きょうも
わたしの
くちびるには
つるつる
すべりだいの
ことば
まちがいなく
このえがおのし ....
靄のかかった人々は表情の裏側の悲しみを蓄積していくばかり
痛みに麻痺した人々はこの世を素敵ともてはやすが共感をよぶことはない
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幼い頃に望んでいた羽などはもういら ....
電線に止まって
人を見下ろす鴉
でさえ貴女の
髪の黒さに憧れる
夜空のように
貴女の黒髪は深く
そして遠い川のように
流れている
無邪気な子供達が
笑いながら
貴女の黒髪を ....
海沿いに走る防砂林を抜けると
右手に岬が見える
あの岬へ行こう
いつか交わした約束みたいなものだった
続いてる道は防砂林の中を
くねくねと曲がって上って下りて
右手に見えない海 ....
透明で
透き通った
ガラス玉
日にかざせば
きらり、と
希望の光を輝かせ
片目を瞑って覗き込めば
小さな自分が
逆立ちをして
自分を見ている
ガラス玉の世界は
ぴかぴ ....
1.
目を離せなかった
首から肩にかけての線とか
ちょっと開きかけた口が
次に発する言葉とか
突然
こっちを向いたときの
....
いつまでも
俺の耳に残って離れない
哀しいピアノの旋律
昔は1番好きで
よく弾いた曲
今は1番つらくて
2度と弾けない曲
あなたの好きだった
ただ1つの ....
葉はどれも光っていた
雨粒は露になって残り
雲の向こうの空のずっと高い向こうの
姿の見えない太陽の光を集めていた
雨あがりの空気は澄んでいる
埃だとかスモッグだとか
....
県立文化会館の大ホール!大ホール!大ホール!と
すっかりはしゃぎ過ぎてしまったのです
誰かサイダーを持って来てください
僕は観客席で日めくりカレンダーをめくり続けています
県立文化会館 ....
いつもなら
腕を組んで歩くのに
君は
僕の後ろから
うつむいて歩いてくる
巡礼者のように
哀しい顔で
僕はほんの少し
君が戻ってくるのを期待していたよ
....
旅に出るなら
夜の飛行機にしよう
このまま
一緒になるとも
別れるとも
僕らは決められない
別れらない二人には
夜の飛行機がいいよ
君は僕のことだけを
僕は君のことだけを ....
遥か西の国から旅を続けているマジシャンは
旅の途中で
マジックに使う鳩たちに逃げられてしまいました
それならば鳩を使わなければ良いのでしょうが
そのマジックは彼の最大の見せ場であり
....
ほんとうに哀しいときには
その哀しみを
詩にすることが出来ない
泣くことすら
どこかで自制している厄介
ベッドに入ったら
一秒で死んだように眠って
いっそ消滅 ....
「何故日本には詩を楽しむ人が少ないの?」と疑問に思い、思うまま書いてみました。
この世には、文字を媒体として、私達を楽しませてくれるものがたくさんあります。
歌詞のある歌やマンガやゲーム。小説 ....
今の日本において「詩人」は既に職業として成立しないと言っても過言ではない。職業として成立しないとは言い換えれば需要がないということだ。
私はかつて詩人が果たしていた役割を(エモーションの供給)今 ....
黒いノートの背表紙に黒い字で黒と書く
無意味
まるで全てを手に入れたような顔をするのね、
と君は言って ひどく辛そうに笑った
一つだけ欲しいものを言ってみなさいよ、
あんたの ....
薄曇の中途半端な昼下がりです
どうにかなるとつぶやいたあなたと
なんとかなると空を仰いだ僕と
いかがお過しでしょう
青混じりの雲は風に流れて
それでも僕等の真上です
少しずつ足 ....
詩を書く時に気をつけようと思うことを、書きます。
私が「詩」を書こうと思い立った瞬間から、その呪縛は現れる。
カッコイイ言葉であらねばならない。
誰かに読まれるためであらねばなら ....
詩を読んで
詩(のようなもの)を書いていたら
休日の半分使ってしまった。
「この詩の野郎!」
洗濯干しも 布団干しも
その前に 顔も洗ってないし、歯も磨いてないじゃな ....
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