林のなかのどこからか降る
ぼやけた影の重なりが
手首にふたつ震えている
青と緑の輪はまわる
音は少女の手にむずがゆく
降りつづける影をゆらす
鱗の血が
花の血が
笑 ....
 火を固めて作った花びら
 一つ一つ

 悪びれずに
 真っ赤に燃えていればいいはず

 蝶も蜂も
 独り占めに

 褪せていく定めのものたち
 それはそれ
 季節がお前を嫌 ....
寒気団の
肺の
永続的な空咳が聞こえる


どこに辿り着けば的中と呼ばれるのかを知らぬまま発射され
自ら目隠しをしたまま直走るガードレールのスピードが
白い


苦しげな吐き方しか ....
降りてくる空
降りてくる影
枝に重なる
灰色の横顔
すぎる鳥が
すぎる冬が
小さな建物を見つめている



家と家の間の景色が
まるくふくらみ はみ出している
赤 ....
鳥は去り
木が生まれる
切られては元にもどる雲
光の枝
朝の頬
つつむ手のひら
空は青い傷のもの



雨の暗号の向こうへと
ひとつのかたちが飛び去ってゆく
 ....
船の重さに泣く海から
浪のかたちの水柱
けもののように吠えのぼる
冷えては骨に染まる鳥
心なき王国をかいま見る



低い月の光にまみれて
甘いにおいを
鏡の道 ....
     

   月の輪




















   くま。
桜と欅の厚みに
何か光っているものがあったので
こじあけようと
数日が過ぎた


その桜は









うどんこ病
君が積木など買ってくるものだから
僕らは積木遊びをするしかなかった

家をつくって
壊し
城をつくって
壊し
他につくるものなど知らない僕らは
やがて一つ一つを並べ
街をつくり始 ....
空の塊からかけらが降り
たぐり寄せる手管の風も降る
目に痛い青
耳に痛い青
一瞬の
張りつめた声
塊の背に立つ
塊の青


幕間を告げる声は降り
凍った公園に撥ねかえる ....
目に見えない蜘蛛の巣が
頭の上に降り積もる


あたたかい
振りはらっても
振りはらっても
あたたかい


降り積もる
降り積もる
あたたかい


降り止ま ....
一羽のカラスに
二羽のカラスが入り込んで
たくさんの声で呼んだのに
誰も来てはくれなかった



雪の山を登っては降り
登っては降り
誰も外に出ていかぬまま
冬 ....
圧縮繊維 の雲
を 引っ掻こうとするも果たせぬ細枝 細り
凝り固まったアスファルトから続く
彫刻的な彫刻的な陰影まみれ の樹皮には
纏足をほどく糸口が ありません 


何か ....
雨上がりが
夕暮れに間に合ってしまい
その為に見てしまうもの、を
見ていました


結局は
全て冷えゆくというのに
明るみに出てしまったショベルカー、の関節
轟き続ける工場からた ....
まばゆさの
明かり障子 前にして
あらゆる形状の輪郭は 
努めて 溶け
まばゆさの内にあり 薄く 美しい水墨のようで
それでいて 
あらゆる形状は 悲しかった


思わせ振り ....
起きたら
三島由紀夫だった

下唇を噛んだら血が出て
三島由紀夫の血はこんな味なのか とか
白くて小さめの歯は けっこう硬いのだ とか

会ったことないのに懐かしむ

せっかくだから ....
ひとり ひらく 夕暮れの手のひら
灰色の高みの
氷のような雲から
午後を
午後を と
つぶやくもの


ゆくえ知れぬその手に
裂けた花をのせれば
はじまりはよみが ....
まなじりにひらく羽
空の水をとおる
半透明の光を見つめる
はばたきのなか まばたきのなか
ひとえ ふたえ
瞳は空と話しはじめる


白い終わりの木々に囲まれ
道の無い ....
天気雨が終わり
朝が降る
花の頭の魚が
光の首の鳥が
幾つもの頭の獣が
何匹も空へ昇ってゆく
海のなかのふたつの木
冬の終わりとはじまりのように
降りそそぐ朝のなか ....
水たまりの底には
うすく泥を着た羽とガラスが
凍った影のように並んでいた


鴉と鴎の鍵盤が
雀と鳩の木琴に
雨の降るなか
嫉妬していた


たくさんの
言葉のサ ....
足のないネクタイは
人の首にぶらさがって移動する
それも不便だろう
足をつけてあげると
嬉しそうに部屋をかけまわり始めた
帰ってきたら
スキップの仕方を教えてやらねば
今日も足のつい ....
土と風の間を
蝋燭の火が流れてゆく
緑の夕方を
横たわるひとりの子の上を
枝の影は伸び
透きとおり 重なり
森のなかの道を指さす


雲が雲を吸い
空を明るくに ....
疲れたら 死ねばいい

そんなカッコイイこと ドラマは連載した

みせつけの ときめきを だきしめて

無言電話にこたえよう

見えない世界には みえすぎた者がいる

あぁ ....
砂漠へ行きます
では
私の写真ではなく
水を持っていってください水を

これからは いえ昔から
これからも
私たちは ひとりです

むこうは暑いそうなので
手に汗をかいて
指輪を ....
悲しい歌がひとつ終わり
静けさが喜びのようにやってきて
ふたたびはじまる悲しさに微笑む
雨の花に空は映り
空には雨の地が泳ぐ



水の歌が降り
歌の水が降り
鳥 ....
私はポツンだ
宇宙のポツンだ
名も無く朽ち果てていく
歴史のポツンだ

それでも大地に立ち
呼吸をし
飯を喰らい
排泄し続ける

この私という存在
どうしたんだろ?
やる気が出ない
意味なく悲しい

子供の頃
理由なんかなくても
元気になった

夕方の公園でブランコこいで
エノキの樹が
遠ざかったり近づいたり

大きくなっ ....
寄りかかれる温かいものが現れると

みんな幸せになるらしいのに

不安が増殖していく

欲しい言葉がもらえると

みんな嬉しくてドキドキするらしいのに

寂しくて堪らなくなる

 ....
散る空があり 重なって
地にひとつの花を描いた
子供がたくさんの光を飛び越えていった
声の飛沫はらせんに昇り
かがやきとかがやきとかがやきの差異が
手をつなぎ かすかな羽 ....
拡声器の夢が
拡声器の子守歌に背負われ
揺れている


道から道へ
原から原へ
静かに理想は移動してゆく


堂々巡りの内の人よ
たどりつかないは
たどりつき ....
砂木さんのおすすめリスト(5644)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
連輪の蛇- 木立 悟自由詩504-1-9
薔薇のように空のように- マッドビ ...自由詩404-1-9
スピード- A道化自由詩404-1-9
異命へ- 木立 悟自由詩304-1-9
雨鳥の冬- 木立 悟自由詩304-1-7
光がひらく原- 木立 悟自由詩404-1-6
期待2- 山内緋呂 ...自由詩2*04-1-6
期待1- 山内緋呂 ...自由詩3*04-1-6
朝のこない団地- たもつ自由詩2304-1-6
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ノート(カラス)- 木立 悟未詩・独白104-1-5
冬の纏足- A道化自由詩304-1-5
時刻通り- A道化自由詩304-1-5
水墨姿- A道化自由詩604-1-5
服と裸- 山内緋呂 ...自由詩35*04-1-5
降り来る言葉- 木立 悟自由詩304-1-4
降り来る言葉_Ⅱ- 木立 悟自由詩204-1-4
降り来る言葉_Ⅲ- 木立 悟自由詩404-1-3
とおり雨の月- 木立 悟未詩・独白104-1-3
ネクタイ- たもつ自由詩904-1-2
降り来る言葉_Ⅳ- 木立 悟自由詩204-1-2
かがみのあじ- あいこ自由詩204-1-1
独房独居許可局- 山内緋呂 ...自由詩10*04-1-1
降り来る言葉_Ⅴ- 木立 悟自由詩403-12-31
存在- たもつ自由詩803-12-31
元気- えのき自由詩103-12-31
途切れた電話- 暗闇れも ...自由詩4*03-12-31
降り来る言葉_Ⅵ- 木立 悟自由詩303-12-30
ノート(空へ)- 木立 悟未詩・独白203-12-30

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