新しい暦が生成している
遠い国で洗い上がったシャツの匂い
ためらいと高揚
背中に触れる唇の温度
インディゴに溶け込むマゼンタ


梢たちを過ぎて
吹き下ろす視点から
 ....
バスタブからあがった
ブロッコリーが塩と胡椒で
身支度を整えている頃

次から次へと切り出された
キュウリの楕円形の
車輪は朝日を照り返して

クロゼットからはがされた
レタスが ....

あなたは樹木
草原に立ち
両手を広げ


あなたはグラス
降り注ぐ声を
すべて 
受け止め


あなたは交差点
別々の人生が
いつしか
ひとつに


ひら ....
死神を副業にする桜守

満開の冷えた桜に沈む船 

堕天使も枝垂れ桜で白くなり 

漆黒の翼の痕に桜KISS   

JOKERが姿を消して花吹雪    

夜桜の影で小悪魔服 ....
時折 背負った荷物をすべて下ろしたくなる
 そしてまぼろしの中の風のように
 異邦人たちの衣を揺らしながら
  何も持たずに消滅したい

時折 鳥となって旅路の終わりへと飛び去りたくなる
 ....
私のDNAの塩基配列に
「ケ・セラ・セラ」という
遺伝子情報が組み込まれている
膨大な螺旋構造の宇宙には
母から降ってきた星屑が潜んでいる


突然の父の入院で
しばらくぶりに会った母 ....
おさんぽカーには幼い顔が幾つも並び
桜の木の下をゆっくりと進む

時おり吹き抜ける風の冷たさに

ぐずる子がいて
あやす保母さんの肩には桜の花びら舞う





手を繋ぎあう ....
 
ものに名をつけるのは ひとの営み

ときに名をつけるのは ひとの奢り

ことに名をつけるのは ひとの悲しみ



  
げっそりと白豚になれ四月馬鹿

入学にいくらかかるの払えない

シクラメン泪を落とす場所がない

治聾酒が心の穴から漏れている

若草をサンドウェッジで根こそぎ

朝きても生きる意 ....
数日前退院をして

足を引きずり引きずり

日常をおんぶしながら歩いている

病室よりも冷たい風を

春と感じて

ふたたび光線のなかにいる

それにまだ慣れないで照れている
 ....
なにも考えずに
いや、なんにも考えることができずに

夜の歓楽街をぶらぶら歩いていると
道の端っこ
下水道のコンクリートから
白い泡が溢れだしており
近づいてみると
ぬくっと泡の中から ....
優しくなれよ

朴訥な悲しみ

雫のような光

僕はしずかに

死んでゆくよ


寄り添う通りに

街路樹に

月の光架かるよ


優しくなれよ

朴訥な悲しみ

雫のような光

涙をかなでる

生き ....
「お世辞」


お世辞を言うのは
下手ではない
お世辞を言われるのが
下手なのだ

流れ落ちるほど
ユルユルに頬を緩ませて
頭の上に八分音符を
乗せてりゃいいものを

野 ....
雪の失い冬から
あふれ出る道
水の指の軌跡に
遠去かる道


午後を照らす灯
ぬるく星となり
ひとつとふたつの視線のはざまを
音と光を行き来する速さで


冬と枝が ....
     四月  灰色の午後
    
     湿った雪が舞っている


    人生で何度目のことだろう
   
     心は鉛の錨となり

    失望の海に深く下ろされてい ....
ハミ出ています
「あら、何が」
ハミ出ているのです
「まあ、何かしら」
あなたのエクトプラズムが
あなたのかしこのダクトから
「何てこと!」
ハミ出ているのですよ
「どうしましょう!」 ....
私のついた嘘が
ひとり歩きして
本物と変わらない姿をして
私の前に現れる

そうしたらもうわからないじゃないか

嘘をついてすぐ嘘だよ
今の嘘だよと笑えるぐらいなら
いいのだけれど
 ....
洗濯機原始の海はこんなかな


誰置いたプリンタの上にコロッケが


結露した窓にトマトと書いてみる


掃除機を撫でているうち日が暮れた


お布団を取り込みはんぺん買いにゆ ....
期待してしまうから
疑うのか

それとも明日の訪れを信じられなくて
疑ってしまうのか

その何れでもあるんだろうけど




今年の冬はことのほか寒かったはずなのに
疑い知ら ....
「アカン!」ゆわれとんのに
下ネタ書いて
ニヤリと笑う午前2時
ああ、ああ
息子が高校三年生
ぼくが今年45歳になろうとも
(三島が自刃した歳やないかいっ!)
家族みんなで軽蔑しないで
 ....
岩陰に隠れた巨きな手
陽に染まり さらに隠れゆく
灰緑のなかの金のうた
岩めぐる径をすぎてゆく


もとのかたち
もとのかたち
ひとりの子が抱く
壊れたかたち
 ....
夜のむらさき
静かな息つぎ
誰も此処には
来ないむらさき


影はむらさき
波は眠る火
風に貼る絵は
尽きることなく
常に何処かを
すぎるむらさき



 ....
憧れ方が
悔しがり方が
思いつき方が

諦め方が
知りたがり方が
傷つき方が

話し方が
淋しがり方が
食いつき方が

愛し方が
懐かしがり方が
嘘のつき方が

標 ....
突風が春の入城を告げ知らせ
冬の残党は最果ての地へと追われて行く
変わることなく季節の車輪は廻る
時のレールを 一方向に

樹木もまだ裸のころ
花よりも先に咲く少女たちは明るい色の服を纏い ....
枯れ川の午後の足跡に
さまざまな音がたどり着く
水と柱が
つけるしるし


小さな胸の路地に立ち
昼と午後を見つづけて
波は空穂に
窓と器を失くしてゆく


風も震 ....
そのことばかり考えていた

雨に煙るよ

曇り日の

午前のひかり

ありふれた春の嵐

土曜日の東京

買い物に出掛ける

帰宅してから

ひとりで

生きてゆく ....
お稲荷さんを歩いてたら

耳の千切れた猫が一匹

やぁやぁ久しぶりおやつをちょうだいなと

お前と会うのは初めてなんだがなぁと

仕方がないからリュックを下に降ろして
開けようとする ....
東京は20℃だそうだ

今日は蕾が赤茶けて

さくら木は

粗雑に汚れて見えるだろう

さくら木に

花が咲いたらさくらだと?

そんな勝手な考えを

許してなんてやるもん ....
届かないところに百個呼び鈴が


対岸で家が燃えてる渡し守


トランプを男と女に分けなさい


食洗機生きてたものの音がする


豊胸手術する人魚姫二十歳


おじいさ ....
ひとつ先のコンビニまで
遠回りする
ガムの味がしなくなるまで
遠回りする

はにかむ放置自転車
居眠りするガードレール
さえずり合う人の影
能天気に踊る前髪

温んだ街の喧騒が ....
砂木さんのおすすめリスト(5644)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春のリート- 橘あまね自由詩2012-4-12
サラダヶ丘七丁目- nonya自由詩25*12-4-11
- umineko自由詩23*12-4-11
桜ユグドラシル- 北大路京 ...俳句23*12-4-10
乖離したものが_いま_月のように弧を描き- ただのみ ...自由詩26*12-4-9
ケ・セラ・セラ- 渡 ひろ ...自由詩38*12-4-9
陽春のひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*12-4-9
名をつけるのは- 殿上 童自由詩28*12-4-8
春の闇- 北大路京 ...俳句20*12-4-8
照れ屋の退院- 吉岡ペペ ...自由詩412-4-8
雑居ビル地下一階- 灰泥軽茶自由詩11*12-4-8
月の光- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...312-4-8
刹那的発泡詩_<_1_>- nonya自由詩26*12-4-7
こだま_かさなり- 木立 悟自由詩4+12-4-7
__尽きぬ恵み- ただのみ ...自由詩20*12-4-7
油_断- salco自由詩7*12-4-5
嘘と麦チョコ- 灰泥軽茶自由詩11*12-4-5
そこら中- ふるる川柳5*12-4-3
幕間のひと- 恋月 ぴ ...自由詩29*12-4-2
息子が高校三年生- 花形新次自由詩112-4-2
降り来る言葉_LIX- 木立 悟自由詩212-4-2
ノート(むらさき)- 木立 悟自由詩312-4-2
センス- nonya自由詩22*12-4-1
遅れる時計- ただのみ ...自由詩15*12-4-1
ノート(坂道)- 木立 悟自由詩112-3-31
春の嵐- 吉岡ペペ ...自由詩6*12-3-31
猫のしっぽ- 灰泥軽茶自由詩9*12-3-31
春の勝手- 吉岡ペペ ...自由詩3*12-3-30
呼び鈴- ふるる川柳11*12-3-30
遠回り- nonya自由詩24*12-3-29

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