「密室か」
「ドアノブが壊されていてびくともしない」
「窓は?」
「ひとつも。ドアの覗き窓から見えるだけだ」
「被害者は?」
「見える。死んでるな」
「ふーっ、難航しそうだな」
「ああ、 ....
「凶器は?」
「ない」
「ふーん、目撃者は?」
「一人もいない」
「ちっ、死因は?」
「仏さん、見当たらないんだよ」
「見当たらない?」
「ああ。超完全犯罪だな」
「…あのさー」
「 ....
告白はしきれない!
言葉に焦がれる。
書いても書いても書ききれないし
読んでも読んでも追いつけなくなる。
まるで明日みたいなんだ。
途方もない希望と絶望が共存して
そういう永遠。
言葉に ....
いつもいつもいつもいつも

いつも

犯した過ちの記憶を愛でて

断罪の刻を待ち焦がれながら

神様に祈りを


無垢な笑顔に怯え

追い立てられるように贋物の仮面を削った
 ....
埠頭に
群れなす
カモメはすべて
哀しい心のなれの果て


船は今日も出てゆくのだ


海は広いというのに
のぞきこめない
瞳の深さをもって
船は今日も出てゆくのだ

 ....
星空の下では今日も 
作業灯が明るい

掘り起こされる大地
積み上げられゆくコンクリート

道行く人は
まだか、と未来を吐き捨てる

けれども作業灯は
必ずの未来へと向かって
 ....
眠る光を背に
夜を見る
燭台の木々に
風が点る


道のにおいが漂ってくる
逃げも隠れもしない水音
細やかにひと粒ひと粒と
葉の上に置かれる鉱の冠


枝から枝へ
 ....
カリフォルニアオレンジジュースと勝負するこの恋からは決して逃げない



ここで飲むビールもいいねと君が言う上空強風離陸見合わせ



風鈴が止まってしまうほど酔ったあなたとのお酒辛く ....
無数のソーダ水の泡が
ソーダ水から夏へ飛び立つ
そのときの一頻りの冷たい破裂音を
私たちは聞きます


ね、
それは、模範的な別れの際だと
ほら、そのあとに残るぼんやりとし ....
私の獏は夢を食べない

捨て獏だったからかしら
母乳で育たなかったからかしら
理由はわからないのだけど
とにかく夢をさし出しても
ふんっと顔を背けてしまうから

長い長い格闘の結果
 ....
灰は青く巻き取られ
奏でるものと奏でられるもの
かわるがわる入れ替わり
奏でるものもまた響き
明ける光に重なってゆく


小さな声が
小さな世界が
現われては消え現われる ....
人はみな
いずれかの地に 生きる場所を求めるもの
山に
野に
海に
ここで生きてゆくと 決め
その地を愛するもの

それが
国を愛するということなら
その土を愛せよ
丁寧に耕し
 ....
みんみん島のミンミン
みかん好き

頭にみかん乗っけてる
風が吹いてもみかんは無事よ

ミンミンみかん頂戴

やよ

みんみん島のミンミン
ミシン好き

手作りのお洋服とバッ ....
森のかなたへ
碧をたどる

濡れた黒髪
指でなぞる

空をそのまま
うつしたような
蒼のしずく


ぽとり

ぽとりと


堕ちてゆく
ふかい水路へ

そこから生 ....
バスルームの飾り棚に
置き去りにされていた
JAZZの香

蓋を開けた刹那に
よみがえる記憶

ああそれは
一年も前のことで
そういえば私は
まだ泣いてもいなかった
言葉になる前の言葉から
鳥は滴にしたたり降りる
空になり木になり土になり
重なる光にひらきひらかれ
目をふせ ひろく
ひとつにたたずむ


夜の雨音の冷たさが
肩から腕へと流 ....
銀の柄を握って
車輪を回していました

沢山の貝が車輪の下から生まれてきたので
焼いて食べたり
髪に飾ったりしたのです

髪は細かく編んで
魚を獲るのにつかいました
魚のヒレはいつま ....
  イーサ・ダラワの七月の浜辺には
  遠い国の浜辺から
  いつのまにやら波が攫った
  いくつもの言葉が流れ着く
  

  嵐の後にそれを集めて歩くのが
  灯台守のワロの ....
憎しみを憎めぬ己に目をつむり走りつづける霧の日の朝



手をつなぐふたつの季節の境いめのついばむ鳥さえいない花の実



何もかも光も土も不確かな滝のように流れるふち ....
誰が すきだなんていったのかな

ただ夢を見ていただけじゃないの?
ちいさな象が湖をはしり
サバンナを抜けて 浜辺まで訪れて
その細い鼻で塩水を吸ってむせたような
かわいそうなことじゃない ....
毛むくじゃらの家猫が出かけて行ったきり
帰って来ないものだから
庭の木で啼くスズメの声が
遠慮なく鳴る目覚まし時計で
最近は、誰よりも早く窓を開けて
新しい風を味わう

あめ色の古机の上 ....
まどろみの中で貴方の去る気配感じてみぢかき夜を恨みぬ

白肌のうるおう術も知らぬまま落ち逝く沙羅の姿さやけし

雨の矢に毒を塗りたし恋ごころ睡蓮泣きて梅雨雲を呼ぶ

星合ひの前夜に胸の ....
  そして何事も無かったように

  日常は流れて行き

  そこに何事も無かったように

  あなたは立っていて

  拍子抜けのふたりの間に

  静寂だけが そっと

  ....
目じりの皺や
口もとの皺は
あなたがこれまでの人生で
よく笑い
表情豊かに生きてきたアカシだから
恥ずかしがることなんかなく
堂々としていればいいと思う

眉間の縦皺は
いつもしかめ ....
ぜったい とか
えいえん とか
そんな関係はありはしない

なんてことは知ってる
けど

つっかえ棒がなかったら
アタシはきっと
どこまでもどこまでもどこまでも
ただひたすらに倒れ ....
石の階段
午後の黄緑
低い風が乱す水面
数える間もなく
ひとつになる曇
水の上から 動かない曇


空の水に落ちる光
高く高く沈み遠のき
にじむ羽のあつまりの
まわり ....
私が、よく考えることの1つに、作者と詩と読者の関係というのがあります。
関係っていうと、大げさかな・・・。お互いが、お互いをどう思っているか、というの。
それが違えば温度も違うということで・・・。 ....
きつく結う、
わたしの髪を、
わたしには見えない後ろ側で、
わたしの髪を、
きつく、結う、
その役目だった指々を、
ふと慕う、一日の終わりに、
嫌な煙草染みた髪を強く洗う、
 ....
あなたの
遠くを見やるまなざしの
その先に
コロン と
僕を置いてきたい
遮断機が下り
列車は近づき
他の音は止み
鉄路になびく
草の背は蒼
草の背は蒼


薄い曇が
空を覆い
星は絶えず
北へ流れ
呼びつづけても
夜はひとり
月はま ....
砂木さんのおすすめリスト(5632)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
寓話_密室殺人- クリ散文(批評 ...3*05-7-6
寓話_完全犯罪- クリ散文(批評 ...4*05-7-6
言葉に焦がれる。- かのこ未詩・独白105-7-6
『懺悔』- しろいぬ自由詩2*05-7-6
埠頭- 千波 一 ...自由詩10*05-7-5
作業灯- 千波 一 ...自由詩10*05-7-5
夜の手- 木立 悟自由詩505-7-5
特製炙り焼きネギチャーシュー- ふるる短歌9*05-7-4
- A道化自由詩2405-7-3
偏食- 落合朱美自由詩21*05-7-3
奏朝- 木立 悟自由詩505-7-2
祖国を愛するということ- さち自由詩4*05-6-30
みんみん島のミンミン- ふるる自由詩7*05-6-30
し・た・た・る- 落合朱美自由詩9*05-6-30
- 落合朱美自由詩17*05-6-30
夜の音- 木立 悟自由詩405-6-28
車輪- ふるる自由詩15*05-6-27
イーサ・ダラワの七月の浜辺- 嘉野千尋自由詩14*05-6-27
霧の日- 木立 悟短歌605-6-26
請う_恋を- 竹節一二 ...自由詩305-6-25
_臭う家- 千月 話 ...自由詩18*05-6-25
半夏生- 落合朱美短歌15*05-6-25
再_会- yaka自由詩6*05-6-25
- 落合朱美自由詩4*05-6-24
人模様- 落合朱美自由詩5*05-6-24
棘と雛(残雪)- 木立 悟自由詩305-6-24
作者と詩と読者の関係について(ネットの詩の温度差)- ふるる未詩・独白8*05-6-24
シャボンの陰- A道化自由詩1105-6-23
横顔- さち自由詩7*05-6-22
鉄夜- 木立 悟自由詩605-6-22

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