土のにおいの月がいくつか
夜から朝へと転がってゆく
鏡を造る鏡
暗い水と溝の道
星と星のあいだのむらさき
へだたりと境の腕
羽と羽のあいだに起ち
剣のように
....
琥珀色のサウンドトラックが、
頭蓋骨の内側を濡らしていく
すっかり皺が減り、ツルンとした私の大脳皮質
鼓膜までねじこむイヤホンや
タイムラインを流れる電子文字で
刻まれたものが薄れ、 ....
ふっと
水気を含んだ本の両脇
不穏がととのい
遡上がはじまる
奥の詩から女がたちのぼる
ひるがえり
紙面にむんずと顔を押しつけ
ことばのインクの溜め池は
頭頂に浮かぶ
巌流島から ....
誰一人いない
落とされた 世界で
私は私の感じさせられた自分だ
ああ きっと この 思いのどこかで
過去を見た
人の流れる渦で
それを きっと 知った
私の頭の思いのどこかで ....
今日も 誰も ここに… ひとりもいない 土地で
ああ 一体何をするのだろう 私は ひとりだ… いつも
君は… 見ていた この地を だれかと
ただ ぼんやりと 私は そこに… 立ちつくしていた
そとの喧騒をしめだす
システマチックなロマンチック
コンビニエンスストアはルンルン
肩寄せあう
住み分けの商品たちは 屋台骨
あきないをしっかり支えている
出生証明書
....
誰もいない自分から流れ出した 思いが
憧れている 彼方の 街で
そんな 部屋から 人のいなくなってしまった
街角で 出会えたなら いいのだけれど
何にもない 野原で 眠ろう
暗闇を ....
棄てられた緑や白を
熱はわたる
ゆうるりと巡り
夜をつくる
川の
ひとつの波が逆らい
二層で居る
午後の空を
燃した磁石
冬と陽のあいだ
蒼 ....
あなたは激しい加速をとり違えた氷のように歩いていた
わたしの喪失は人混みにもまれていよいよ遠のいていた
あなたの鈴のような耳のひらき
わたしはわたしのせいで気がふれてしまいたかった
“わた ....
待ち合わせた駅
一緒にのった電車
降りたったホーム
愛するひとのいない
降りたったホーム
一緒にのった電車
待ち合わせた駅
風景は灰いろ
くちのなか ....
人生って基本的に無差別級じゃないですか
ボクシング並みに階級を分けてくれとは言わないけど
せめて柔道くらいには分けて欲しいなぁと思うんです
人生の60kg超級とかそういう感じで
そうしたらきっ ....
何でもない流れの中で飛び出していく
それは確かではないけれど 自分にとっては 確かだ
水の投げ出された噴水のように はっきりとしている
回転しているフラフープのように
自分にとって ....
誰の言葉も無い日に言葉を探すのは大変だ。それはなぜだろうと思う。理解できることが数少ない街の中でできることはもうないのかもしれない。何かを探してさまよい続ける。君は私のことすらも忘れてしまったみた ....
私はそうして
考えている 何かを
私の中では自由なのだろう
見えている物は そこに あるけれど
確かなものは嘘ばかり
見ている それを
海の中で 呼吸しながら
浮上する 自分 ....
私は眠る
一人で 今日も 歩いた
その 夜を 出て行こう
いつまでも 私は 眠るのだ
季節の移ろう窓に
明日のことなど 何もかも 忘れた
誰もいない 暗い 墓場で
思うことは 私 ....
夜明け前の街に出ようと
ドアを開けると
遠くでクラクションが
冷え切った空気をカサカサにします
なにかに溶けていく夢を
見終わる前に目覚めたようです
夜明け前の街に出ようと思ったのは
こ ....
私は眠る
一人で 今日も 歩いた
その 夜を 出て行こう
いつまでも 私は 眠るのだ
明日のことなど 忘れたのだ
誰もいない 暗い 墓場で
凍える 体を ひとり 横たえた
言葉を ....
子供時代、うちでは元旦の料理を父がした。七草がゆは飛ばしたが、
鏡割りの日にはひび入った鏡餅を砕いて砂糖醤油味で焼いた「かちん」
や、塩をまぶした揚げ餅を作ってくれた。と言うのも、母が真っ当な料 ....
夜はどうやって夜になるのだろう
ひかりはなぜひかりなんだろう
ひとはなぜひとを好きになるのだろう
どうしてそれを愛などと呼ぶのだろう
こんなこともわからなくなっている
....
岩に囲まれた
岩が叫ぶ
陽は圧され
少し 撓む
塔よりわずかに高いところに
見えないものの軌跡が残り
何処よりも早く暮れてゆく
音けす音を撒きながら
....
檻の中に見た
いなかった 誰も そこには
強く吹いた 風は
思いを 私から 奪った
夜の中を 私は歩いた
遠い喫茶を 目指して 歩いた
そこには 誰かが いるはずだと
私は ....
誰もいない部屋で
見ているのは 一体 誰なのか
私は わからない だけど 一人
風を いつも 感じている
私は自分を知る
暗闇の中で確かなものを手にする
打ち寄せる肌寒い風に
い ....
私は一人
考える 見えない 何かを
たたずむ私は一体誰だろう
そして 解らないけれど遠くにはいなかった
私は眠る
流れていく そして やがて私は
私の中で信じた
幻の世界を ....
何にもない世界で寝転がれば風が気持ち良かった
どこにいたって私はいつもそう思ってた
息を切らしながら その流れ出ていく 風の中で
いったい 私は どこに 流れていくのだろう
人は過 ....
写真とは
干乾びた
製造工場の正門の
錆びたポストに居つく手紙の重さで
天を劈く煙突の
かたちを得たけむりが笑っているようなもの
めくれば
白い鍵穴もかすむ季節に
「どこにもいけない」 ....
条約に区切られた海域が
虚無の方角を 指し示す
卑小な 国力を 指し示す
防波堤の冷たい石組みだけが
血塗られた記憶を表面に現した
飛行機の墜落した 場所に
いくつもの 石碑が ....
年が改め 日常の
また、人との関わりで
いやでも心を開いてゆく
で
改めて心を開き
また心に思うところを語り、
心に暖かな気持ちを抱き
また今年も生きて行く
で
何度でも心を ....
雑草もいなくなって
剥き出しの岩肌を
木枯らしにさらけ出して
底冷えする意地悪さに耐える
荒れ果てた大地の上に
白く化粧を施した
柔らかな新雪が
みんなで手を携えて
降り積もってい ....
俺が就職さえすれば
丸く収まると思ってた
独立して生計を立て
両親の負担を減らせば
慢性化したヒステリーも
欠落したデリカシーも
居心地の悪い我が家の
何もかもすべてが
丸く収まると思 ....
もろくずれるようで
なみだもろくなく
ただようばかおも
しろくもろくやわらかくひかるしろへ
(2011・1・2mixi)
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