花と花の間 手と手のまにまに
祝福の無い冠が
どれほど過ぎゆき
過ぎゆこうとするのか


新しい月より
さらに新しい月が
夜を夜より暗くしている
音の手を引き ....
時と硝子
偽りと森
砂のなかの息
くりかえす泡


持ち上がり
青を発し
影に溶け込み
それでもそのままの己れで居る


髪の長い子がふたり
手の ....
ウィルスを喰って一つ目かがやかす



{ルビ脳廃爺=のすたるじい}感じるものだけ讃えゆく



泥酔の泥とは何か知る夜かな



雪混じる雨に漕ぎ出す{ルビ襤 ....
もう壊れてしまったから
捨ててしまうのですか?
ぼくの紡いだ時間の縦糸が
ぷっつりと切れてしまいました

重たい
川に入ると
そのままでは浮かんでこれない

壊れ物だけが集まる遊園 ....
沈む森空覆う森踏みつづけ隠れる陰なくさまよえる象




足跡のかたちに残る氷から時かき乱す水の手を知る




母を呼ぶ子を呼ぶ誰も居ぬ道の果ての果て ....
指絶って初めて銀の原を描く



午後の叉路おまえの臓物においたつ



戻るまま路地の夕べの猛るまま



望み無き月ゆき交うは自身なり



 ....
雪は雪に飛び
鱗の声は撒かれ散る
径に落ちたひとつの実
枝を曇を空を照らす実


腕は振られ
夜はむらさき
縫い針を失くし
捜す合い間に


造られすぎ ....
雨が宙の溝を流れる
音も光も流れ砕ける
見えない緑
見えない金に吼えつづける


夢と文は 同じ場所に居て
時おり向きを変えている
互いの息の影
互いの音の光を重 ....
今までそこにあった熱が
布にうつり
やがて消えるとき


滴の風が片脚を打ち
向こう岸に
点滅する音


かたむき かたむき
火は水に傾き
指は到かず
水 ....
とどこおれひとかけらまでとどこおれ



異国から細胞の{ルビ文=ふみ}打ち寄せる



冬の指ただ指に負う痛みかな



お前からお前を{ルビ奪=と}った非を ....
お母さんのこと嫌いなの?

携帯電話でのやり取りを気にされたのか
調布駅の改札抜けたところで、由紀さんが心配そうに尋ねてきた

母のことかぁ、どうなんだろうねぇ
好きとか嫌いとかそんな物差 ....
無い音が無い音のまま駆け廻る影より疾く影より疾く




花はただ花を呼吸し花に在るわたしたちでなくわたしらでなく




空つまみ冬を廻して雪を舐め夜を分 ....
鳥を越えやがて止む雪咽に剣



融雪も乳牛もただ濁りゆく



区切りから区切りへ曲がる午後の音



何も得ず何も失くさぬ冬木立



{ル ....
冬ふるえ夜ふりまわし地に血反吐


大声を信じる先は闇ばかり


文法と知識ひけらかす奴ばかり


文法はおまえに訊かぬ辞書に訊く


何様だ「そんな日本語 ....
真夜中の台所の暗闇を手探りでさがして
やっとみつけたスイッチを押したら
なにも起こらなかったとき
なにかを間違えてしまった気持ちになる


アイボリーのしかくいこれには
スイッチ以外の名 ....
在る理由を失くした肌にくちづける



閉ざされた行方歯車ひらく雪



空白に圧され振り出し戻りゆく



夜を呑み冬に呑まれる罪業徒



 ....
水紋を囲む風紋に
午後の陽紋は打ち寄せる
灰の路地をさらう羽
刺しては刺され 路につもる羽


砂と氷を指で梳き
髪とうなじを確かめている
ざらざらとかき分け
埋 ....
足音を数えて
今夜こそ
あなたの可愛い
乙女になるのだと
敬虔な祈りを
捧げます


私の
町に
雪が降ります
白い
小さな雪
私のまつ毛にも
少し
休んで
誰よりも
 ....
昼の終わり
脚の痛み
毒を盛られ
曇の十字


まぶた くちびる
閉じかけたまま
文字も色も火も
越えてゆく日々


生まれたばかりの
あたたかく小さな闇 ....
年末の気忙しさに閉経後の人生を考えてみたりする
それはあまりにも取りとめなくて
生理用品の買い置きはどうしようかとか
明日から生理用ショーツ穿かなくて済むのねとか
不幸中の幸いにして生理痛とは ....
雨の目の見た風景を
ひとつの声がすぎてゆく
虹降らす曇
血のにおいの指


鏡のかたちをぬぐいながら
あらゆるものが去ってゆく
うしろ姿 あらゆるものの
うし ....
日曜日の仕事はいい
電車が空いているから

日曜日の仕事はいい
拘束時間が短いから

日曜日の仕事はいい
みんな休んでる時働けるから

日曜日の仕事はいい
暇だと孤独にあえがなくて ....
ぶつけたいけど
外側のリングは光ることに疲れて、きえてしまった。
何か言いたくて
思いはぐしゃぐしゃに
胸ばかりドンドンして
眠れなくなる

湿ったバラードにはなりたくない
そんな一心 ....
闇のほつれが夜の樹となり
蒼を高みへ押し上げている
低い音のあつまりに
音のまだらに震え立つもの


冬を割り
冬を負い
夜の泡が
光を目指し


道の角ごとに
 ....
すべてを失ったはずだった

あれから家に辿りつくまで幾度と無く転んでしまい
死装束にと亡き父に誂えてもらったリクルートスーツ着てきたのに
あちこちに鍵裂きを作ってしまった

死への船出がこ ....
むらさき
むらさき
光の仕草へ
近づく空


歩いてわたる
歩いてわたる
うつぶせの鏡の群れが浮かぶ水
背から背へ 背から背へ


城壁の角
影が空を仰ぎ ....
コップのなかで日常がほほえんだ
ひとときのあいだ
波紋をひろげて
夏の窓辺に

コップのなかで生きる
ちょっとした雨降りにあふれだし
3、4日日照りがつづくと乾いてしまう
コップのなか ....
はざまから土
降りおりる銀
曲がるたびに
冬を巻く道


緑の雨と肋骨の森
作りかけのまま棄てられた街
埋め立て地の午後
低い低い音のつらなり


熱を持たない ....
終わりの淵
よろこびの帽子
光を落とせ
光を下ろせ


滴が降り
葉になり 虫になり
家を巡り
静かに去りゆく声になり


大きく碧いまぶたの浪が
ひらく ....
舌に 歯に
左目の下に 右胸に
一本の糸が離れずに居り
時々隠れ 時々そよぐ


蝶のかたちの毒が来て
糸の行方を告げてゆく
うたのように終わりはじまり
忘れた言 ....
砂木さんのおすすめリスト(5632)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ノート(冬と耳)- 木立 悟自由詩310-1-10
降り来る言葉_XLV- 木立 悟自由詩210-1-10
冬と血反吐_Ⅱ- 木立 悟川柳310-1-10
コワレモノの涙- within自由詩20*10-1-8
Dark_Magus- 木立 悟短歌310-1-6
冬と針- 木立 悟俳句410-1-6
冬と双子- 木立 悟自由詩110-1-5
冬とけだもの- 木立 悟自由詩610-1-1
川岸の呪座- 木立 悟自由詩309-12-29
toujours__maudit(forever_curse ...- 木立 悟俳句209-12-24
知りすぎたひと- 恋月 ぴ ...自由詩15*09-12-22
わたしたち_わたしら- 木立 悟短歌409-12-21
午後を離れて- 木立 悟俳句209-12-21
冬と血反吐- 木立 悟川柳3+*09-12-21
スイッチ- 因子自由詩5*09-12-20
冬と業- 木立 悟俳句309-12-19
冬と鏡- 木立 悟自由詩209-12-17
聖夜- さき自由詩609-12-13
冬と咆哮- 木立 悟自由詩409-12-12
戯れのひと- 恋月 ぴ ...自由詩18*09-12-8
冬と玻璃- 木立 悟自由詩209-12-7
日曜日の仕事- 夕切り自由詩209-12-6
見つけるひまで- 唐草フウ自由詩4*09-12-1
降り来る言葉__XLIV- 木立 悟自由詩509-11-30
知るひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*09-11-30
傷の広場- 木立 悟自由詩509-11-25
_- 寅午自由詩209-11-23
無街- 木立 悟自由詩409-11-21
光と手紙- 木立 悟自由詩309-11-18
冬糸- 木立 悟自由詩109-11-15

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