耳たぶが
熱い


空調装置にたしなめられた
浅いシーツのような室内の夜には
昼間に溜め入れた太陽の
滴りそうに赤い耳たぶ一滴で
ベッドが太陽の海になってしまうのを
防ぐ ....
深緑の
深くなる光を
鉄筋コンクリートの箱の中から
眺めています

時計の針は
ここを刻むと
それ以上は動かなくなるのです
取り残されるように
私と空間は


どこか
こころ ....
うだる夏の露出
汗の雫の滑り落ちる谷間は
作り物めいた輝きを放つ。

しかしながら その脚を見よ
なんと正直なのだろう
いつの日にも変わらない
スカートの奥の密かな暗がり
そのチラリズ ....
うたた寝から覚めると
下校時刻のチャイム
開け放った窓から
笹の葉が

通りの向こうを
はしゃぎながら遠ざかる
金銀砂子

はるか頭上を
セスナが横切った
ような気がして
空を ....
何もかも失い・・・
いろんなものが僕に突き刺さる。
痛いのか・・・悲しいのか・・・?
わからない。
ただ・・・僕の体は傷だらけ
こうりの矢が刺さっている。
冷たく・・・体が冷えていく。
 ....
ぼくは龍と二週間ほど同居したことがある
猫のフクちゃんが何かひらひらした
長さ30cmくらいの紐とじゃれて遊んでいた
それが龍だった

あまりに哀れに干からびていたんで
風呂場で水をかけた ....
葉の雨 音の雨 風の雨
低く蒼い夜の連なり
月にいちばん近い星
吸い込まれるようにかがやいている



ついさっきまではっきりしていた
よろこびをふちどる線たちが
おぼろ ....
世界は細さだった
世界は火の粉だった
隙間から見える声にあふれる
限りなく「はず」の少ない湖だった


飛び交う光の波の下に荒地があり
ぶつかりあう音のむこうに矢があった
世 ....
街路樹の木漏れ日の
軽い暗号から、単なる錯乱への
変質
街路樹の木漏れ日の
軽い暗号から、単なる錯乱への
変質



染み込まない
土瀝青


指の隙間から覗く ....
アスファルトは
つよい
ひざしで
じりじり
あっつくなって
ぼくらの
おとすかげに
とろり
とけて
いどうする

かちん、と
かたまって
どこにもいけない
あめのひ ....
格子の影が降りてきて
まわりつづけるものたちは
みな止まっているかのように見える



ひたひたと
姿のないものの足音が
午後の後を尾けている



空と地の端
 ....
 

呑もうとしても呑めない
コップのなかの氷
それは
自分の指の影だった






音が止まってしまったのに
映画はまだつづいていて
あたりを見わたすと
席に ....
下方を流れる
動けないアスファルトを
凝視している
夏の衣服の軽率な体で、出来うる限り
常に重力のことを忘れず
下方を流れる、動けないアスファルトを
凝視している


歩く私 ....
草原の秘密基地
今はもう影だけで

虫取り網を振り下ろす
残像が目に焼きついた
夕暮れの蝉時雨を
いつまでもそこで聞いていたっけ


通りすがりの車窓から指差した
この草原は僕なん ....
そばを
とおると
あぶないよ

いま
からだじゅうの
ネジがとれそうなんだ

おっと
ほらほら
そんなこと
いいだした
いまでさえ
ぽろり からり
おとしそうに
 ....
女は
胎内に新しい生命を宿したら
「母親」になるというのに

男は
新しい生命が誕生してから
「父親」になる権利を得る
のだろうか

それは
目の前に細く頼りない道が一本
 ....
心も体も逆立って
どうしても眠れない
汗だくになりながら
何度も何度も寝返りを打ち
記憶を掻き毟る
流れる血の色は
見たこともない
どす黒い色で

こんな満月の夜にきっとわたしは
 ....
夜の手のひらに
背中を押されて
チラチラと散らばる
港の明かりを見下ろしに
いつもここへ来る


デパートの裏の階段にすわり
わたしたちは
寄り添ったり
ときどき 無口になったりし ....
軒下で猫が鳴いた日
街は雨だった
雑音が混じる電話の
聞き取れない君の声
こんな日が原因かもしれない

街に
傘を持って
ついでに長靴も用意した
ばらばらに音が降ってくるので
軒下 ....
親友ってなんだとおもう?
あたしが思うには

なんでも、相談できて
いつでも喧嘩して仲直りして
いたって普通の友達と変わりないと思う
でも 本当に苦しい時あなたのそばでずっと支えてくれたの ....
----今日はどうされましたか。
  ええっと、こころにぽっかり穴があいてしまったんですか。

----で、いつごろからそうなりましたか。
  覚えていない、物心つくころから何となくずっと、で ....
夜の街を越えてゆく蝶
飛ぶものたちの音は聞こえず
ただ光の散った跡だけが
道の上をつづいてゆく



雨は低い空にはじかれ
羽のように銀を流れる
光の殻の外側に
飛 ....
 
 黒い喪服を身にまとい、
 満員列車が{ルビ都会=マチ}を出る。
 
 {ルビ都会=マチ}の駅では群集が、
 ただうつむいて、過ぎてゆく。

 毎日、毎日、
 誰かが、溺れて、死ん ....
冷たさが遠くで
小さく音をたてている
防風林に少しずつ
柵がまわされてゆく
巣離れの近づいた
鳥たちの声が聞こえる



曇の表情の少ない日
声はどこか散りぎみに届く
 ....
声帯で
黙殺された孤独は
肺に
積もったようでした


声帯で黙殺された孤独は肺に積もったようでした
そして、やがては
床板に屈した体を
どうしても規則的に置いてゆく呼気に乗 ....
僕がバイクで事故を起こした時

真っ先に駆けつけれくれたのは

君だった


いざとなると皆冷たいな

そんな僕の愚痴を笑って聞いてくれたのは

君だった


そんな君が今 ....
僕は1人で飲んでた

酔ったのか

風に当たりたくて

塀にもたれてた

僕の髪が中途半端に

自分に絡みつく


風に聞いても

夜の空に聞いても

答えなんて無い ....
見え隠れする明るい夜が
一羽一羽に分かれ飛び去る
壊れた家から波を見ていた
傾いだ家から曇を見ていた



鏡の道に葉は落ちて
緑の上に銀はひろがる
小さくざわめく音 ....
窓枠から漏れている気持ちを
ガムテープで目張りする
それで安心かというと
そうでもないらしい

困ったな
僕はそれ以上のすべを知らない


進みようのないことを
あれこれと堂堂巡り ....
窓枠から遠く、鴉の発音から
鴉の翼が発生して
西の方角、地平線に降ってゆく
黒い花火があったとしたら
こんな風に
ゆっくり悲しいのだろう


この手の中の窓枠を忘れず
この手 ....
砂木さんのおすすめリスト(5631)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海と耳たぶ- A道化自由詩1104-7-5
どこかの折り目を- 霜天自由詩1404-7-5
チラリズム- 花田春菜自由詩1*04-7-5
追憶- 望月 ゆ ...自由詩2*04-7-4
氷の矢の天使- 天使自由詩104-7-4
龍との生活- 角田寿星自由詩604-7-4
砂憶- 木立 悟自由詩204-7-2
ノート(世界)- 木立 悟自由詩404-7-2
偏愛する土瀝青- A道化自由詩404-7-2
アスファルト_の_きゅうじつ_の_すごしかた- 玉兎自由詩1*04-7-1
ノート(夏囚)- 木立 悟自由詩304-7-1
ノート(白連符)_- 木立 悟未詩・独白504-6-30
喪失訓練- A道化自由詩604-6-30
夏の引力- 霜天自由詩1004-6-29
つゆ_ろぼっと- 玉兎自由詩8*04-6-29
入学式前夜- たもつ自由詩36*04-6-28
満月の夜- チアーヌ自由詩1204-6-28
跡白波- 望月 ゆ ...自由詩15*04-6-28
距離感- 霜天自由詩504-6-27
親友- 翠茜自由詩104-6-27
診察- 青色銀河 ...未詩・独白304-6-27
白蝶- 木立 悟自由詩404-6-27
- 白雨自由詩104-6-27
ノート(白午)- 木立 悟自由詩204-6-26
雨降り回帰- A道化自由詩504-6-26
★94バイク&クルマ- 貴水 水 ...自由詩4*04-6-25
★93_ソレダケ…- 貴水 水 ...自由詩6*04-6-25
ノート(鏡矢)- 木立 悟自由詩504-6-25
流れ_零れ_落ちる- 霜天自由詩1004-6-25
鴉火- A道化自由詩804-6-24

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