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       水無月は日本晴れの
             土曜日
        四号公園の広場で
          子どもたちは
   ドッチボゥル遊びをしている
     おとなのま ....
 ベランダの 屋根にころげた
          五月雨は
 (去年の柿の枯れ葉でできた)
  樋のつまりに さえぎられ
 卒寿のなみだの まねをして
     ぽっり ぼっり と
    ....
余命と寿命のあいだを
   日々往復している
卒寿となったおひとりさま 
         にとって 
 それはありがたいことなのだ
          往復切符の
         砂時 ....
東海は 渥美半島の 砂山から
    真昼の渚に 乱舞する
  海鳥たちを ながめるとき
     太平洋を覆いつくす
    「悠久」のふた文字が
       こころにしみて 
    ....
手入れが欠けた裏庭には
跋扈したぺんぺん草が 王者となって
むなしいかげを ふるわせている

神楽月というのに
優雅な舞楽は 聴き取れず
沈滞した深閑だけが 満ちみちて

丘のひだにも ....
卒壽となったおひとりさまは
なかば めざめの大脳をさそって
朝食後
ウインドーズをたずね
蒼白なワード面をひろげてみました

すると 第一行には
    詠嘆の麗句が
そして 最終連に ....
なぎさでさわぐ波濤のように
名前まけする 小公園の
こだちがざわめく 晩秋 に
卒寿となった おひとりさまは
もっぱら せまりくる
おのが身の陰影(かげ)に追われる
甲高い鳥のさえずりと
 ....
             濁りを澄ました
   女性の立ち話が さざ波を打っている
     梅雨明けの 蝉しぐれのなかから
 
      近くの広場からは 時を忘れて
わらべの甲高い嬌声 ....
冷蔵庫のコンデンサと
    コンプレッサとが
ご機嫌いかが と適時にささやく
そして そのたびに
    卒寿のおひとりさまは
ぴくっとして 暮しの流れに竿をさす
過ぎた四次元の追憶を迫 ....
   声帯を枯渇してしまった
卒寿のおひとりさまは羨望する

 梅雨入りまえのそよとの風が
庭木の梢をそっと愛撫するのを

      新緑っていぃなぁ
  おまえには話相手があって
 ....
  歌声はなく詩歌も聴こえない
        瀕死の裏通りで
    一日がさみしいながさに
     北風はつむじをまげて
       「不平を云うな」
      「不満を抱くな」と ....
上瞼を垂れて
  何をおもい
下瞼を釣り上げて
  何をかんがえるのか
卒寿となったおひとりさまよ
 
リグレットは薪となって
カルマも束となって
空の一角から火柱が立ちのぼる
「弥 ....
それは 在り難いことだ
    現役の引退と同時に
人間関係がデリケートに蒸発する
               事は

それは 在り得ないことだ
    卒寿の独り暮らしと並行に
四次 ....
     黙りこくった 斑雲を

そっとやさしく はねのけながら

       ひかりをまぶして

   やぶさめを みせはじめた 

    まぶしい朝陽は・・・・

    ....
遥かに漂う四次元よ
         聴いておくれ
もう おいらの青い春は
        赤い夏は
         白い秋さえも
めぐりめぐって 戻っては呉れず
ただ汚血に淀んでばかり ....
        平均余命は静かに裁断され
     大河の下流へと流されてゆきます
                  でも
     老眼にそのまぼろしは映りません
             ....
枕が変わった 天井の地図も変わった
独り暮らしの寝室から
鼾の合奏する五人相部屋の寝室に変わった

その間に世間の便りは
うねりの激しい潮騒となっていた
看護師の足音に神経を消耗され
ま ....
(青年期)
にびいろの空にぶら下がっていた
的をはずれた青い春の無駄矢が
(中年期)
秒針がブツブツしわぶいていた
赤い夏の夢を償却できた気楽さで
(高年期)
白い秋の月が窓を覗きこんで ....
そういえば二十数年も前のことだったかなぁ

三輪車に夢中だった孫の
   遊び相手をしながら
公園の勾配がある芝生の上に腰をおろし
それは それは 楽しいひととき と
   ためらはずにお ....
宣井龍人さんの信天翁さんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
想いは枯れて(三)- 信天翁自由詩317-6-5
五月雨- 信天翁自由詩217-5-13
風と光の変奏_②- 信天翁自由詩415-12-18
光のまつげ_(七)- 信天翁自由詩815-12-10
風の舌(六)- 信天翁自由詩515-12-2
風の舌(四)- 信天翁自由詩415-11-23
芥子色の北風(四)- 信天翁自由詩515-11-18
老いの演繹(九)- 信天翁自由詩215-7-24
老いの演繹- 信天翁自由詩415-6-25
丘肌の淋巴腺②- 信天翁自由詩415-5-23
折れた光り②- 信天翁自由詩115-3-28
折れた光り- 信天翁自由詩115-3-22
漆色の夕陽が落ちて⑦- 信天翁自由詩215-1-31
にがいしわぶき⑧- 信天翁自由詩414-11-22
ケロイドも忘れて_七- 信天翁自由詩614-8-29
大正琴の媼(六)- 信天翁自由詩214-1-17
時の端っこ_(八)- 信天翁自由詩413-11-15
時の端っこ(米寿を迎えて)- 信天翁自由詩413-10-2
クィック・ライフ- 信天翁自由詩412-8-3

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