雨の日
まんぼう2

朝早く
雨の音で目が覚めた
薄い波板を叩く音がする
風が椎の実をまき散らす音がする
夢で雨の中を歩いていた

海辺の町で暮らしていた頃
一緒に暮らした女は
落ちていたスニーカーを見て
僕を思い出した
そうして僕は雨の中を歩き回っていた

昼には
むかご飯をつくった
スーパーで白米を買って
フェンスに絡みついたむかごを取って
むかごをすり鉢に
ゴシゴシこすりつけると
薄皮が取れて美味しくなるらしい
ゴシゴシこすりつけても
薄皮なんてとれないけど

何度も思い出すのだ
交差点におちていたスニーカは
片方だけで
たぶん僕のように
汚れていた

夜も
雨音はずっと聞こえている
むかご飯はとっても美味しい
薄皮は取れなかったけど
とっても美味しい
交差点のスニーカーは
雨にぬれ続けている 


自由詩 雨の日 Copyright まんぼう2 2013-11-29 23:26:54
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