夏のかすれた孤独のいろは

黄色いキズだらけの女の顔

ひとりかそけき偽物の怒り

哀しみが募集されている

夜の電車が紙を震わせる

カレの家を見に行くほど

俺はイカレテい ....
今日の鏡は
流体にちかいのです
あまりにたくさんの欲望を映し出し 
水銀の鏡面に、他人のわたし
髪を短くすぎるほどに切ってしまったまま
ばらばらになった抽象画の 
かけらが流線の色彩を ....
暗黒の空の下には灰白色の砂が硬く積もっていた
海底は果てしなく広がっている

僕の銀色の船は今、嵐の大洋に来ている

大小のクレーターは蟹の足跡やヤドカリの巣穴のようだ

この嵐の大洋は ....
肌さむいが水をふくんだ夜だった

水のぶんさむさは何処かぬるかった

ことしさいごの年始の会合のあと

熱気にすこし汗ばんだからだに

夜は心地よくてなにか昔を思い出させた

どん ....
一列の線を生身の地平線がひく
彼らの背後に太陽は沈みゆく
弧を描かぬ兵士達の垂直な銃剣
眠ったままの銃口は朱雲をうつす
悲しみにむかうあなた達よ
惚けてしまった私は胸の渦巻きを知らない
柱 ....
おとうさん
そう呼ばせてください
あなたをおとうさんと呼んだ記憶がないのです

おとうさん
こっちをむいてください
あなたと視線をあわせて話したことがないのです

おとうさんの娘として ....
静かの海に来る前に、晴れの海に寄ったんだ
月の海、そうこの大きな穴ぼこ、クレーターは月の内部から湧き出してきた溶岩で覆われている
僕の銀色の船についている小さな窓からのぞいていると
ちょうど灰色 ....
批評祭前後で、自分と似た詩の読み方をしている人がどうやらいるらしいということを知れたというのは、結構大きな収穫だったと思う。時々新着作品のタイトルにマウスを滑らせて、最初数行を見ては「はあ」と感じるこ .... ここも宇宙だった

空ばかり見つめていた

ぼくも宇宙だった


永遠ばかり見つめていた

未来ばかりを見つめていたのだ!

永遠は机上にあるものではない

永遠とは実在する ....
オリエンタレ・ベイスンから
いくつかの高地(テラ)と海(マーレ)を越え
ようやくこの海にたどり着く
小さな銀色の船を岸に寄せるけど
この岩だらけの灰色の海には水が一滴もない
すぐそばにアルタ ....
鼻の曲がった顔や 
頭から花の咲いた顔や 
横並びに展示された様々な顔達は 
新時代のモヤイ像

小さいギャラリーにふらりと 
立ち寄った僕を、和ませる 

{ルビ硝子=ガラス}の石の ....
受精を告げる鳥が啼かなくなったとき、朝が訪れなくなった。近いうちに頭が痛くなるだろう。血管が拡がって炎症が起こり、締めつける。腸がび爛するほどに募る思いでも受け入れてもらえないものは受け入れてもらえな .... からん、と通る 落ちる
瓶の口の正円 艶やかな曲線の裸体を抜けて
からん、と{ルビ生=な}る 
手足の生えた魂のような両手をひろげて
隙間なく横たわる 底
から見える瓶の口の正円
の正体は ....
レッドウッドの梢のさき
木漏れ日は森閑のゆらめき

  私のなかで…落ちていきました

  小さな音がかえってきては、
  だからか、そこに声を聞いた気がしたのです
  のどの奥でわ ....
エアコンが故障した

だから二階のフロアは

午前の薄いひかりに冷えていた

メーカーに調べてもらうと

コンプレッサがいかれてしまっていた

灯油ストーブをレンタルして

寒 ....
               100119




寒いからと
布団に潜るのは
いけませんと
朝の神様が戸を叩く
紙の上に描いたお供えを
満足げに召し上がり
神様は帰られた ....
軽くジャンプする
ヨッ ヨッ ヨッ と
繰り返し繰り返しステップを踏むたびに
魂が軽くなるようで
顔に当たる日差しが
ザクザクと繊細な雪解けを
踏み潰す

陰に日向に
行き来する繰り ....
きみのひらがなにぼくの声を重ねて
地層みたいなしま模様になって
それはありふれたメロディーで
すき間にもぐりこむ小さな虫ですら
小気味良いアクセントにしかならなくて


さっき港を出発し ....
眠るほど深い北の森に
大きな灰色のふさふさした梟が一匹暮らしています
夜になると梟の頭上には、北極星が輝きます
北極星は夜空に広がる星々の王様です
実はこの森の梟は
北極星が北の中天から動か ....
漆喰にできたひび割れは
溶けた鉄の蒸気で
ゆっくりと蘇生してゆき
心と体の仲違いは
いつか結露する

細切れの肉のように
安売りされていく苦痛を
和らげるために打たれた注射は
小さく ....
山陰地方の刑務所で演奏したことがある
開演まえ刑務官が所内を案内してくれた
哀しみの影を探そうとしてしまうわたしがいた
風呂場も見せてくれた
それには少し違和感をおぼえた
演奏会がはじまると ....
同じ時間の流れの中で

あるところでは人に幸せが訪れているし

同じ時間の流れの中で

あるところでは人に悲しみが訪れている


そんな「時間の流れ」に乗って

一日に一本、皺が ....
森はやがて夜に飲み込まれた
それをこの眼ではっきりとみた
獣は闇の底で息を殺していたし
眼底にはまだ何も無かった

かいぶつ,

重い曇天の空に,風がびゅうびゅうと吹いて
「とても濁っ ....
13歳の彼女は頬杖をついてぼんやりと窓の外を見ている。
空を見ているようにみえて、彼女は空を見ていない。瞳に空が映っているだけ。
彼女は世界一の夢想家である。
彼女は彼女であると同時に、赤毛のア ....
小さな毛糸の手袋が片一方、
橋の袂に落ちていた

どんな子が落としていったのか

いやそれとも

こんなに小さな手を守ろうと
優しさが形を成して包み込んだのは

私の手ではなかった ....
透明は無ではないのでしょうか

無というと暗闇のような気もしますが

無よりも無なのが透明なのではないでしょうか

透明とは無をも包む存在に思えるのです

最愛を失ったこの胸の穴ぼこが ....
夜を走る電車
十五両編成の最後尾
ゆっくり居眠りしようと
乗り込んで席を確保した
はずだったのに
次の駅から
スノーボードと思しき
荷物を抱えて乗り込んできた
二十代前半の女性が
暫 ....
あなたとふたたび会えてうれしい

鼻先をあなたのももにうずめると
しあわせのゆりの匂いがして
こころがころころと弾むんだよ



あなたとふたたび会えてうれしい

アメージング グレイス
改心は ....
例年通り僕の誕生日は雨だった

街の所々から音泉が湧き出ていた

それは素晴らしい日々の幕開けだろう

それ以外は考えられなかった

なんなんだろう

この不思議な気持は

プ ....
地球は丸いのに
底辺があるんだって
堕ちてしまったら
もう戻れないんだって

地球が丸いのは
外から見るからだって
中は三角形で
底があるんだって

てっぺんは尖がってて
おっと ....
……とある蛙さんのおすすめリスト(3008)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとりかそけき- 吉岡ペペ ...自由詩510-1-23
「ピカソ」- 月乃助自由詩13*10-1-23
月面航海記(嵐の大洋)- 楽恵自由詩10+*10-1-23
水をふくむ夜- 吉岡ペペ ...自由詩710-1-22
一列の線を生身の地平線がひく- 瑠王自由詩3*10-1-22
おとうさんへ- 朧月自由詩12*10-1-22
月面航海記(晴の海より)- 楽恵自由詩19*10-1-22
批評祭後雑感——現フォはこれから- KETIPA散文(批評 ...6*10-1-21
ぼくも宇宙だった- 吉岡ペペ ...自由詩410-1-21
月面航海記(静かの海より)- 楽恵自由詩11+*10-1-21
21世紀のモヤイ像_- 服部 剛自由詩3*10-1-20
心音を食む鹿- within自由詩8*10-1-20
よるのそこ- 瑠王自由詩5*10-1-20
「残花」- 月乃助自由詩10*10-1-20
春の匂い- 吉岡ペペ ...自由詩310-1-20
ラブ波- あおば自由詩3*10-1-19
冬茜- within自由詩5*10-1-19
地層- あ。自由詩8*10-1-18
フクロウと北極星- 楽恵自由詩4*10-1-18
風になびく糸- within自由詩7*10-1-18
鏡の中から- 吉岡ペペ ...自由詩7*10-1-18
章話・時代- 邦秋自由詩1*10-1-17
かいぶつ- 九重ゆす ...自由詩4*10-1-17
Over_the_Rainbow- 楽恵自由詩6*10-1-17
思い川- 都志雄自由詩8*10-1-17
神戸から思うこと- 吉岡ペペ ...自由詩1010-1-17
人畜無害- kauz ...自由詩16*10-1-16
Maria- 笠原 ち ...携帯写真+ ...910-1-16
誕生日は雨な世界- こめ自由詩1510-1-16
○△の地球- 朧月自由詩18*10-1-15

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