あんなところまで
 かけあがってゆく脚力があった
 なんて、知らなかった
 あれが
 かけのぼってゆく波のペニスだったなんて

 美しい波形
 コバルトブルー
 夏の日に ....
青い顔をした老人は
路地裏を杖をついて歩いていた。
どこからか漏れてきた白い蒸気が
路地全体を雨上がりの草叢のように
湿らせている。
 
白と茶のまだら猫が
前を駆け抜けていった。
人 ....
声高に叫べないから
文字の裏にスルリと隠す
ほとばしる感情をメタファーにゆだねて
苦く噛みしめる思いをほどいて昇華していく


そうやって幾つ言葉を散らしてきたのだろうか


押し黙 ....
♂「いいか。一度しか言わないから よく聴けよ。」

♀「ええ。」

♂「おまえのことが... 好きだ。」

♀「えっ? なんて?」


♂「・・・。 いいか。一度しか言わないから よ ....
{画像=080524153641.jpg}

話した途端に、あ痛ぇ、失敗したなんてありませんか? 言わなきゃよかった言葉を吐き出してから失敗に気が付く。

もう取り消せないけど、コチンって落ち ....
野原に言葉を放したい
青空の下で
道行き人に言葉を預けたい
街灯の下ででも

わたしは「わたし」を捨て去りたい
「わたし」が
わたしを拾う時まで

わたしは
「あなたがた」の影 ....
世界の果てを目指す
無意味の行進
のような言葉
こぼれる音
シンクロして流れ込む
うねり
闇の中
空っぽの風が
吹き渡って行く
光もないのに浮かび上がる
その姿を
感知するのは何 ....
あっというまもなく発射オーライかけ声もなくあ〜とかたもなく
あぜんとおぜん
ひっくりかえり
なすすべもなきもなさけもなくもないのに
ないのはないよう
たれながされた
たらしがたらしにたらしめてためしに ....
あぜ道にはよもぎの群れ
なつかしい香りがきて
足をとめ
瑠璃色の頂をあおげば
中空にひびく 
ひばりたちのクーラント


くり返されて
増幅されていく営み
遠ざかったもの
遠ざけ ....
身体の中の気の流れを
頭のてっぺんから放出する
身体にとりついている雑多な生き霊たちが
いたたまれすに身体から離れてゆく
このときに肩から背中にかけて
身体は痙攣する
しかし気分は悪くない ....
張り裂けそうな胸を抱えたままで
整然とした街を歩いていく
君を失ったからではなく
単に空っぽな未来を想って
痛むこの胸がつらくて
知らないうちに奥歯を噛みしめている

若者たちが集まって ....
赤い軌道をひとり歩き
真っ直ぐに日は照り
真っ直ぐに日は沈む

何故 そんなに真っ直ぐな道を進むの?
何故 ひたすらに真っ直ぐ貫くの?
何故 規則正しく礼儀良くするの?

疲れないかな ....
一日忙しく働いた後 
たった五分でも本を読めば 
のんべんだらりと過ごしつつ 
一日一冊本を読むより 
開いた頁の一行が輝くかもしれない 

毎日なんにも悩まずに 
呆けた顔をしてるより ....
古書店で偶然みつけた 
昭和二十一年の「 四季 」という詩誌の 
頁を開くと、誰かの髪の毛が一本 
栞になって挟まれていた 

「 すて椅子 」という題の詩の中で 
公園に置かれたすて椅子 ....
平野に拓き敷かれた田園を縫う
屏風状の防風林や団子状の間伐林
赤屋根のサイロや家畜小屋
立ち停まって修めなければいけない
長い時間を内包する風景を
すっ飛ばして疾走する旅行者の
過ちの時速 ....
 
 
橋の上で兄は星を数えていました
すぐ横で私は橋を数えていました
星は数えきれないほどたくさんありました
橋は私たちのいた橋ひとつだけでした
何度数えてもひとつでした
それが兄と私 ....
最近入店した笑顔の素敵な男のひと
洗い方は丁寧なんだけど
細長い指先からほのかにただようタバコのにおい

最初は気のせいかと思ったんだけど
どうやらそうでもないようで
せっかくのシャンプー ....
さいごのロボット

僕は生まれた 世界が終わった次の日に
きっとそう プログラムされてたんだと思う
壊れた研究所で 目を覚ましてすぐ歩き出した
きっとそう プログラムされてたんだと思う

 ....
遠くの岸辺を見つめていた
それが美しいと思って
そうやって この岸から かの岸へ
水辺の鳥にまたがって旅人となる

近くの岸辺を歩いていた
ここが息苦しいと思って
そうやって この岸から ....
喜びが
駆け出していった方向を
振り返る

用心深く植えつけた
日々の暮らしが
そよいでいる

怒りが
駆け出していった方向を
振り返る

自分の窪みに貼りつけた
絆創膏 ....
 だれとも一言もしゃべらない
 この日の
 この状況を客観的に
 死と捉えるのであれば
 きょう一日は
 死んでいたのも同然だったかもしれない

 めざめたら小人の国というのは映 ....
裏山で雪に潰され 折れた枝を集める

曲がった杉の木に足をかけて 
土と雪を這い上がり 山道に出ようとすると
蝉の抜け殻が
木の根元 小枝にまじってあった

雪溶け水の下る 
山道 ....
生のまま食べたい
生のまま食べたい

生でなきゃ
生でなきゃ
生でなきゃ
良くない

皮の上二重なら
気持ち良さは半減

生でなきゃ
生でなきゃ
生でなきゃ
イケない

 ....
{画像=080406010521.jpg}

                     光りと闇

               陰と陽は対局でもあり

            xyのよう ....
にゃーちゃん

その首筋に
そっと
顔をうずめると

とても
安らいだ
気分になるんだ

ほのかな
洗濯の匂いと
慣れ親しんだ


ぐぅぐぅと
寝息をたてて
ぐっす ....
 すでに川は
 平坦な静けさの原野にひとを集めて橋をつくり
 横たわる大蛇の骸であったから

 サンタクルス
 ナザレ海岸の大西洋の落日を眼鏡に映して
 修羅のあゆみはヨーロッ ....
ゆるやかに
もう乾涸びてしまいそうな川の
もう息絶えてしまいそうなせせらぎを
聞きながら
顔つきを変えずに
下ってゆく川面を見ている

投擲する石礫は対岸に届くことなく
力なく落下して ....
私は子供、刃物が怖い
私は子猫、太陽が怖い
私は綿飴、割り箸が怖い
私は信号、視線が怖い

私は耳、イヤフォンが怖い
私は目玉、テレビが怖い
私は骨、布団が怖い
私は声、壁が怖い

 ....
〈好き〉ってなんだろうね




わたしってさ
誰かを〈好き〉なったことってあるのかな

〈好き〉ってね
愛しているとは違うし

意外と精神的なものだったりして

Like ....
会社は休みだけれど
早起きをして
いつもとは逆方向の電車に乗り
潜水艦が停泊する港街に来ている
海岸にある公園で
安っぽい
ビデオの撮影現場を横目で見ながら
海に面したコーヒーショップに ....
……とある蛙さんのおすすめリスト(3008)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
地勢が、波の舌、波の騎馬で…- 石川敬大自由詩18*11-5-14
薄暮(序)- within自由詩5+*11-5-13
囀り- 渡 ひろ ...自由詩20*11-5-12
ラブストーリー_告白- 北大路京 ...自由詩11*11-5-12
言葉が石英だったら- beebee散文(批評 ...12*11-5-12
願い- 乱太郎自由詩18*11-5-11
夜に流れる- kauz ...自由詩4*11-5-10
あるひ- 阿ト理恵自由詩7*11-5-10
初夏、あふれる- 橘あまね自由詩911-5-10
僕のささやかな儀式- ジム・プ ...自由詩7*11-5-10
暴動、そしてヒグマの影- 真山義一 ...自由詩2811-5-10
赤い軌道を歩く- subaru★自由詩9*11-5-10
夢の種_- 服部 剛自由詩511-5-9
髪の栞_- 服部 剛自由詩411-5-9
- salco自由詩8*11-5-9
カタツムリの家- たもつ自由詩811-5-9
かおるひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*11-5-9
さいごのロボット- itukamitanij ...自由詩5*11-5-9
この岸_かの岸- subaru★自由詩7*11-5-9
喜怒哀楽- nonya自由詩17*11-5-8
非ガリバァー旅行記- 石川敬大自由詩9*11-5-7
巡礼- 砂木自由詩14*11-5-4
生でなきゃ- 花形新次自由詩3*11-5-4
混沌を規定するもの- beebee自由詩1711-5-4
にゃーちゃん- 森の猫自由詩14*11-5-3
修羅の影ではなくて- 石川敬大自由詩11*11-5-3
川面はゆるやかに- within自由詩8*11-5-3
私は- プル式自由詩4*11-5-3
託すひと- 恋月 ぴ ...自由詩24+*11-5-2
横須賀にて- 花形新次自由詩4*11-5-2

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101