身体の中の気の流れを
頭のてっぺんから放出する
身体にとりついている雑多な生き霊たちが
いたたまれすに身体から離れてゆく
このときに肩から背中にかけて
身体は痙攣する
しかし気分は悪くない ....
張り裂けそうな胸を抱えたままで
整然とした街を歩いていく
君を失ったからではなく
単に空っぽな未来を想って
痛むこの胸がつらくて
知らないうちに奥歯を噛みしめている

若者たちが集まって ....
一日忙しく働いた後 
たった五分でも本を読めば 
のんべんだらりと過ごしつつ 
一日一冊本を読むより 
開いた頁の一行が輝くかもしれない 

毎日なんにも悩まずに 
呆けた顔をしてるより ....
古書店で偶然みつけた 
昭和二十一年の「 四季 」という詩誌の 
頁を開くと、誰かの髪の毛が一本 
栞になって挟まれていた 

「 すて椅子 」という題の詩の中で 
公園に置かれたすて椅子 ....
平野に拓き敷かれた田園を縫う
屏風状の防風林や団子状の間伐林
赤屋根のサイロや家畜小屋
立ち停まって修めなければいけない
長い時間を内包する風景を
すっ飛ばして疾走する旅行者の
過ちの時速 ....
 
 
橋の上で兄は星を数えていました
すぐ横で私は橋を数えていました
星は数えきれないほどたくさんありました
橋は私たちのいた橋ひとつだけでした
何度数えてもひとつでした
それが兄と私 ....
最近入店した笑顔の素敵な男のひと
洗い方は丁寧なんだけど
細長い指先からほのかにただようタバコのにおい

最初は気のせいかと思ったんだけど
どうやらそうでもないようで
せっかくのシャンプー ....
さいごのロボット

僕は生まれた 世界が終わった次の日に
きっとそう プログラムされてたんだと思う
壊れた研究所で 目を覚ましてすぐ歩き出した
きっとそう プログラムされてたんだと思う

 ....
喜びが
駆け出していった方向を
振り返る

用心深く植えつけた
日々の暮らしが
そよいでいる

怒りが
駆け出していった方向を
振り返る

自分の窪みに貼りつけた
絆創膏 ....
 だれとも一言もしゃべらない
 この日の
 この状況を客観的に
 死と捉えるのであれば
 きょう一日は
 死んでいたのも同然だったかもしれない

 めざめたら小人の国というのは映 ....
裏山で雪に潰され 折れた枝を集める

曲がった杉の木に足をかけて 
土と雪を這い上がり 山道に出ようとすると
蝉の抜け殻が
木の根元 小枝にまじってあった

雪溶け水の下る 
山道 ....
生のまま食べたい
生のまま食べたい

生でなきゃ
生でなきゃ
生でなきゃ
良くない

皮の上二重なら
気持ち良さは半減

生でなきゃ
生でなきゃ
生でなきゃ
イケない

 ....
{画像=080406010521.jpg}

                     光りと闇

               陰と陽は対局でもあり

            xyのよう ....
にゃーちゃん

その首筋に
そっと
顔をうずめると

とても
安らいだ
気分になるんだ

ほのかな
洗濯の匂いと
慣れ親しんだ


ぐぅぐぅと
寝息をたてて
ぐっす ....
 すでに川は
 平坦な静けさの原野にひとを集めて橋をつくり
 横たわる大蛇の骸であったから

 サンタクルス
 ナザレ海岸の大西洋の落日を眼鏡に映して
 修羅のあゆみはヨーロッ ....
ゆるやかに
もう乾涸びてしまいそうな川の
もう息絶えてしまいそうなせせらぎを
聞きながら
顔つきを変えずに
下ってゆく川面を見ている

投擲する石礫は対岸に届くことなく
力なく落下して ....
私は子供、刃物が怖い
私は子猫、太陽が怖い
私は綿飴、割り箸が怖い
私は信号、視線が怖い

私は耳、イヤフォンが怖い
私は目玉、テレビが怖い
私は骨、布団が怖い
私は声、壁が怖い

 ....
〈好き〉ってなんだろうね




わたしってさ
誰かを〈好き〉なったことってあるのかな

〈好き〉ってね
愛しているとは違うし

意外と精神的なものだったりして

Like ....
会社は休みだけれど
早起きをして
いつもとは逆方向の電車に乗り
潜水艦が停泊する港街に来ている
海岸にある公園で
安っぽい
ビデオの撮影現場を横目で見ながら
海に面したコーヒーショップに ....
アナル、いわゆる肛門の奥には
秘密のスイッチがあって
それを押すと
あの町に行ける

真っ赤な部屋を抜けると
あの町、独特のモノクロの世界
娼婦の塔
高架を走る思い出
そして、涙に濡 ....
{画像=110417072954.jpg}


(一)


大きな風は流れ


黄色い砂を運び


赤い砂を運び


緑の大地へ至る


(二)


街に砂が ....
けものたちが順番に目覚める

芽吹き始めた草木も
長い眠りから醒める

こんこんと湧き出る水に口をつけ
唇を濡らすと
また新しい路に出会う
まだ見知らぬ誰かに出会う
新緑とは、出会い ....
その人には顔がなかった

ゆっくりと動く喉仏
見なくても分かる 嗤っている
高い位置から嗤っている
私の苦手な目をして
私の苦手な言葉を紡いでいる

その人には顔がなかった

 ....
その日の記録。

 宮城県沿岸部某市内,内陸部にある職場にいた。
 ちょうど子供らは午前中で解散。仕事区切りをねぎらう昼食会の担当になっていたので,予約してあった菓子と飲み物を店に受け取りに行っ ....
くだんの事を
耳にしたことは
あろうか

人に牛と書いて


凶事の前兆に
生まれ
その集結と共に
死ぬという

件とは
人の身と牛の頭
又はその反対とも
伝えられ
 ....
それでも君は
真正面に瞳を据えて
行く手を遮るものに
立ち向かうのだろう

恨みもせずに
拗ねもせずに
飽きもせずに
前へ進むことだけを
考えるのだろう

降り注ぐ光のままに ....
 野に咲いていた
 赤い花を
 むしんにむしっていた娘に
 わたしは言った

 かわいそう
 花さん、いたいいたい
 白い花さん、いたいいたい
 赤い花さんも、いたいいたい
 ....
戸籍に書かれている誤字俗字が蒐集されて
法務省から公式文書として通知されている
とは
なんて滑稽で凄まじいことだろう

戸籍に書かれた文字

書き間違った担当官も
その間違いが何十年も ....
懐かしい向かい合わせの座席
小旅行ってことばの似つかわしい車内の雰囲気

(偶然だったのかな、向かいの席に座った男のひととの軽い会釈)

それでも嵌め込み式のガラス窓では吹き込む風に往生する ....
{引用=
彼方から
彼方へと還ってゆく、おと
されて
なにも知らされず
秘めやかに処理されてゆく 、あ、
、あ、あなた、 を、
忘れられず
浮かび上があがった泡に
触れるたび産まれる ....
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